楽天時代に首位打者獲得した鉄平氏 引退後はアカデミーコーチ 打球が飛ばない少年野球の子どもたちによく見られる2つのクセ。…
楽天時代に首位打者獲得した鉄平氏 引退後はアカデミーコーチ
打球が飛ばない少年野球の子どもたちによく見られる2つのクセ。楽天イーグルスアカデミーのコーチを務める元首位打者の鉄平氏が、その問題点と解決法を指摘した。軸足に十分体重が乗っていないスイングと、極端なダウンスイング。直すには、大げさな動きとシンプルな説明が有効だという。
鉄平氏は中日、楽天、オリックスの3球団でプレーし、楽天時代の2009年には打率.327で首位打者に輝いた。2015年シーズン限りで現役を退いてからは、楽天の打撃コーチを務め、現在は楽天のアカデミーコーチをしているが、子どもたちに打撃を指導する際、打球が飛ばない選手に多いと感じているのが、軸足に体重が乗っていないスイングだ。
「打者はバットにボールを当てたいので、ボールに寄っていきたくなります。投球が来る方向と反対側に自分の体を傾けるのは、怖さや抵抗があると思います」
打球の飛距離を出すには、バットとボールが当たるインパクトの瞬間に自分の力を最大限伝える必要がある。鉄平氏は、子どもたちに順序立てて説明するという。
「強い打球を打ちたい? と聞くと、だいたいの子は『うん』と答えます。そのためには、力をためてボールにぶつけようと話します。右打者なら右足、左打者なら左足に、まずはしっかりと体重を乗せる。パワーをためるのが大事と説明すると理解してもらえます」
まずはティースタンドや素振り…ゆっくり大きな動きで軸足に力をためる
大切なのは、右打者なら右足、左打者は左足にあたる「軸足」。踏み込む時に反対側の足に体重移動することで、打球に力が伝わる。ただ、実際に動いているボールを打つと、軸足に体重を乗せずにスイングしてしまう子どもは多い。鉄平氏は「大げさに、グーッとためるのがポイントです。大人でも同じですが、意識していても、自分が思っているほどできていないんです。ゆっくり大きな動きで力をためる動作を繰り返して、感覚を掴みます」と説明する。
ティーやフリー打撃のように動いているボールに対してバットを振ると、ボールに当てにいくスイングになってしまう。そのため、まずは素振りやティースタンドを使った練習でフォームを固めるなど、段階を経た方がいいという。
鉄平氏が指摘する、もうひとつのクセが「極端なダウンスイング」。現役を引退した直後にアカデミーコーチをしていた頃よりは減っているが、斬るようにバットを振る子どもがいるという。
アカデミーに来る子どもたちの中には、少年野球チームに所属しているケースも多い。チーム方針で、選手にゴロを打たせている可能性もある。鉄平氏は「フライを上げないようにダウンスイングを意識する方法は否定しません。チームによって考え方もあると思います。ただ、子どもたちには、いい打球を飛ばして、野球の楽しさを知ってほしいので、あまりにも極端なダウンスイングは修正しています」と話す。
少年野球で難しい話は逆効果 結論を端的に説明
打球を遠くに飛ばすには、投球の軌道にバットの軌道を入れる必要がある。極端なダウンスイングは、投球の軌道に線ではなく点で入るため、飛距離を出しにくく、空振りの確率も高くなる。ただ、子どもたちに「投球の軌道」「線と点」と説明してもイメージできない。鉄平氏は「上からバットを振りすぎると、きれいにバットとボールが当たらない」「きれいに当たらないと、打球が飛ばない」と結論を端的に伝える。
「難しい話はせず、自然と投球のラインに入るようなスイング軌道を教えます。スイングを変えて打球に変化が生まれれば、子どもたちは一番理解しやすいと思います」
ここでも、体重移動が上手くできない子どもを指導する時と同じように、極端な体の動きを取り入れる。極端なダウンスイングを矯正するには、極端なアッパースイングをするくらいの意識が必要だという。
「ダウンスイングの子どもにレベルスイングで振るように伝えても、ほとんど変化はありません。どんなスイングをしているかによって使う言葉は違いますが、自分が上から振っているという自覚がない子どもがほとんどなので、極端に下から振るように教えてバランスを取ります。野球歴が長い、日頃からスイングしている子どもほど体に染みついているので、なかなかクセが抜けません」
どちらのクセを修正する時も、効果的なのは「動画」。素振りを撮影して、その場で確認すると、自分のイメージと実際のスイングの違いを把握できる。理想の打球を飛ばす近道として、鉄平氏も勧めている。(Full-Count編集部)