10月8日、東京六大学野球秋季リーグの第5週1日目が行われ、第1試合では終盤に得点を重ねた慶大が5対0で法大に勝利した。「今日はストレートがよかった」と語った増居は嬉しい初完封を挙げた 試合は法大・尾﨑完太(3年・滋賀学園)、慶大・増居翔…

 10月8日、東京六大学野球秋季リーグの第5週1日目が行われ、第1試合では終盤に得点を重ねた慶大が5対0で法大に勝利した。

「今日はストレートがよかった」と語った増居は嬉しい初完封を挙げた

 試合は法大・尾﨑完太(3年・滋賀学園)、慶大・増居翔太(4年・彦根東)の両先発投手が初回から安定したピッチングで試合を進め、両チーム無得点のまま5回を終える。

尾﨑は中盤まで無安打投球も終盤に打ち込まれて8回途中5失点だったが、加藤監督は「尾﨑はよく投げてくれたと思います」とかばった

 そして6回、法大は先頭打者が四球で出塁すると、続く中津大和(2年・小松大谷)がヒットで続き、尾﨑が犠打を決めて1死二、三塁とチャンスを広げる。しかし増居の粘りのピッチングを前に後続が倒れて得点には至らず。

 するとその裏、慶大は1死から四球で走者を出す。ここまで尾﨑の前に無安打に抑え込まれていた慶大打線だが、廣瀬隆太(3年・慶應)が初ヒットでつなぐ。さらに四球で1死満塁とすると、山本晃大(4年・浦和学院)が押し出し四球を選び、慶大が先制。
 なおも続く満塁のチャンス。「1点、2点勝負だと思っていたので、もう1点どうしても欲しかった」という慶大・堀井監督の期待に古川智也(4年・広島新庄)がスクイズを成功させ、2対0とリードを広げる。

2点目を奪うスクイズを決め、仲間とハイッタッチをかわす古川

 そして8回には萩尾匡也(4年・文徳)の2ランが飛び出し、さらに2死二塁から途中出場の吉川海斗(3年・慶應)に初打点となるタイムリーが生まれて5対0と法大を突き放した。

打った瞬間それと分かる今季2号2ランを打った萩尾

 先発の増居は初めて上がった9回のマウンドも三者凡退に抑え、わずか2安打で初の完封勝利。現在6勝無敗、勝ち点3で首位に立つ明大を追う2位・慶大にエースが大きな勝利をもたらした。

■法政大vs慶應義塾大1回戦
法大 000 000 000=0
慶大 000 002 03X=5
【法】●尾﨑、吉鶴-大柿
【慶】○増居-宮崎
本塁打:慶應義塾大・萩尾《8回2ラン》

◎慶應義塾大・堀井哲也監督
「8回の追加点も非常に大きかったと思います。(増居は)6回のピンチを切り抜けたことが大きかったと思います。今日の試合は尾﨑くんとの投げ合いということで、何とか粘ってほしいなと祈る思いだったんですけど、2安打完封ということで名実ともにエースを確立してくれたなと。ここからの後半戦へ非常に大きい初完封だったと思います」

◎慶應義塾大・増居翔太(4年・彦根東)
「とにかく先制点を取られないように、それだけを意識していました。試合前は完投はできないと思っていて(笑)、粘り強く投げようと思っていました。6回のピンチで集中力を切らさずに粘り切れたことが一番よかったと思います」

◎慶應義塾大・萩尾匡也(4年・文徳)
「打ったのは真っすぐで内側のボール。先週からインコースを使われていたので、気持ち内側を意識して待っていました。(増居は)1点ぐらい取られるだろうと思って(笑)、何とか追加点を取ってあげたいと思っていました」

◎法政大・加藤重雄監督
「結果的に代える場面を私がミスしたということになってしまいますが、それまでに点が取れていれば逆に完封ができたのではないかなと。(8回、萩尾の打席前にマウンドへ行き)決して諦めていたわけではないですが、今日のピッチングはいいボールでしたし、マウンドに行っても顔がしっかりしていたので、ここは尾﨑に任せようと。抑えてほしい、抑えてくれと託しました」

◎法政大・尾﨑完太(3年・滋賀学園)
「(6回の味方のチャンスに点が)取れなかったときは粘ろうと思っていたんですけど、先制点を取られてしまって完全に流れが傾いてしまった。調子は悪くないと思っているので、バッター陣が打つまで粘るということを、3戦目もあると思っているので、できればいいと思います」