世界卓球団体戦 世界卓球団体戦(テレビ東京系&BSテレ東で連日放送)が3日、中国・成都で行われ、男子グループリーグ第3戦に臨んだ世界ランク3位・日本は、同12位・香港に3-1で3連勝を飾った。エースの張本智和(IMG)が2勝を挙げ、グループ…

世界卓球団体戦

 世界卓球団体戦(テレビ東京系&BSテレ東で連日放送)が3日、中国・成都で行われ、男子グループリーグ第3戦に臨んだ世界ランク3位・日本は、同12位・香港に3-1で3連勝を飾った。エースの張本智和(IMG)が2勝を挙げ、グループ単独首位に浮上。前日の第2戦で今大会初黒星を喫したが、まさかのアイスのやけ食いで復活した。4日の同39位ハンガリー戦に勝てば1位通過となる。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

 一晩で蘇った。第1試合で戸上隼輔が敗れた後の一戦。張本が林兆恒を圧倒した。第1ゲーム(G)は序盤から鋭いバックハンドなどで主導権を握った。11-6で先取すると、第2Gは互いに台から離れた打ち合いから得点。雄叫びを上げながらのけぞる“ハリバウアー”を炸裂させた。

 過去1勝2敗の相手にストレート勝ちし、第3試合は及川瑞基がフルゲームの末に勝利。第4試合に再び張本が登場し、相手のエース・黄鎮廷と対峙した。かつて水谷隼ら日本の有力選手を何度も破った世界ランク27位の日本キラー。張本は出だしから4連続得点で波に乗り、圧巻のストレート勝ちを決めた。笑顔でベンチに戻ってメンバーとグータッチ。前日と打って変わって表情がほころんだ。

「厳しい場面で昨日のリベンジができた。昨日は何から何まで良くなかったので、正直、一日つらい時間が長かった。今日はみんなと一緒に3点(勝)を取る気持ちだったので、昨日よりかなりリラックスして試合に臨めたと思います」

 最低限の目標として「全勝」を掲げた今大会。早々とつまづき、悔しさにまみれた。意気消沈した夜。ホテルに帰り、まさかの行動に出た。

「昨日はちょっとアイスを多めに食べちゃって。ストレスというか、ナーバスになっていたので。普段は1つか2つぐらいなんですけど、4玉ぐらい食べました。食べないとやっていけないかなって」

「あと10年、20年も卓球をやる中で、毎回真面目に負けを受け入れられない」

 いつも大きな大会では節制し、多くを我慢する生活。今回はどうしても自分のプレーに納得がいかず、甘いものをやけ食いしてストレスを発散した。幼い頃は試合で負ければ、コーチの両親に叱られ、反省するのが日課。しかし、早くから重圧のかかる大舞台で戦い続ける19歳は、長い現役生活を見据えて定期的に“はけ口”を作っているという。

「僕は負けた日は結構ヤケクソ。こうやってアイスを食べたり、風呂に入らずに寝たりとか。ちょっと汚いですけどね(笑)。元気がない時は無理に元気を出させず、流れに身を任せてそのまま休んだり、自分がしたいことをしたり。負けた日に無理に我慢するのは良くないと思っています。

 あと10年、20年と卓球をやっていく中で、毎回、毎回、真面目に負けを受け入れていたらやっていけないなと思っているので。今回は試合期間中ですけど、思い切って少し大げさにリラックスしました。アイスを食べてちょっと満足できた。(休みに)どんなことしても結局は試合で勝てばいいので、今回これで勝てたのは良かったです」

 もちろん、技術面の課題を反省したのは言うまでもない。前日はレシーブが不調だったため、チキータやツッツキなどを修正。自分が打てない時は相手に打たせたり、強打をさせないレシーブを心掛けたりした。

 12年ぶりにメダルなしに終わった前回2018年のリベンジを狙う大会。4日のグループリーグ最終戦は世界ランク39位のハンガリーと対戦する。勝てば首位通過だ。

「今日は100%に近いプレーができた。もちろんこれを求めたいですけど、今日と同じことをして今日のようなプレーをするんじゃなくて、毎日毎日その日のベストの生活をして、思い切ったプレーをできるように調整していきたいです」

 長い大会期間中に身も心も立て直せるのは経験の証。頼もしいエースが戻ってきた。(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)