「世界卓球・日本代表連載」、開幕まであと1日―第7回は及川瑞基 世界卓球団体戦(テレビ東京系&BSテレ東で連日放送)が30日に中国・成都で開幕する。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、4年ぶりの開催となる世界最強国決定戦。男女別に行われ…

「世界卓球・日本代表連載」、開幕まであと1日―第7回は及川瑞基

 世界卓球団体戦(テレビ東京系&BSテレ東で連日放送)が30日に中国・成都で開幕する。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、4年ぶりの開催となる世界最強国決定戦。男女別に行われ、日本は男子4人、女子5人が代表に名を連ねた。「THE ANSWER」では開幕4日前から当日まで連載を実施。日本代表全選手の想いを伝え、大会を盛り上げる。

 29日の第7回は及川瑞基(木下グループ)が登場。昨季、Tリーグ年間最優秀選手に輝いた。世界卓球は初出場となる。平均年齢21.25歳の若いチームで最年長の25歳。憧れの日の丸を背負い、責任感を滲ませながら決意を語った。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平、協力=テレビ東京)

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 TリーグMVP男が初の世界卓球に挑む。及川は昨季19勝5敗で木下マイスター東京の優勝に貢献。創設4シーズン目のMVPに輝いた。個人戦を含め、初めての世界卓球へ「ずっと出たいと思っていた」と高揚感を隠せない。

「いざ世界卓球が近づいてくると、本当に始まるんだなと思ってワクワクと緊張が入り混じっています。テレビ越しでしか見たことがないんですけど、やっぱり日の丸を背負って戦うのは本当に責任重大なこと。自分もいつかあそこでプレーしたいなと思っていました」

 自身にかかる重みは増した。長年に渡って日本代表で戦ってきた東京五輪男子団体銅メダルメンバーの丹羽孝希がインフルエンザで欠場。張本智和とともに軸になると思われていただけに、及川のさらなる奮起が期待される。27歳の丹羽が抜け、25歳でチーム最年長にもなった。

「絶対に勝ちに行くという気持ちでコートに立ちたい。目標は表彰台。メダル獲得を目指して頑張りたいと思います」。コロナ対策でホテルと会場にしか滞在できない完全バブル方式の大会。何が起こるかわからない。それでも、試合でやることは同じだ。

 5歳からラケットを握り、仙台ジュニアクラブで張本の両親に指導を受けた。中学3年の2016年から4シーズンに渡り、強豪のドイツ・ブンデスリーガに挑戦。2021年は全日本選手権を初制覇した。今年3月の選考会で4強入りし、世界卓球代表に。準決勝で丹羽を破り、張本に次ぐ準優勝だった。

平均年齢21.25歳の若いチーム「卓球以外では年齢関係なくいじられキャラ」

 異例の一発勝負で行われた選考会。「一つひとつの試合が苦しかった」と振り返る。本調子ではなかったものの、「課題だったバックハンドを積極的に振ることができて、相手にプレッシャーをかけることができた」と切符を勝ち取れた理由を自己分析。平均年齢21.25歳の若いチームをどう見ているのか。コート外の役割も理解している。

「経験もあり、若さもあり、爆発力もあり。メダルを十分に獲得できると思います。卓球以外の面では年齢関係なくいじられキャラ。言いたい放題言われる感じですけど、別に自分としては悪いと思ってないです。チームの雰囲気を上げられればいいかなと思ってます」

 今大会は、対戦国とシングルス5試合(3勝先取で白星)で勝敗を争い、各対戦3人が出場。うち2人は2試合ずつ行う。1つのコートにチームの視線全てが注がれる団体戦。「やっぱり独特な雰囲気があると思う。コート1台でやるというのを常に練習の中で想定しながら、それをモチベーションとしてやってます」と大舞台を意識し、決意を込めた。

「卓球をしているからには日の丸を背負いながら責任と自覚を持って、日本代表という大きな看板を背負ってやりたいとは思っていた。思い切ってやりたいです」

 2大会ぶりのメダル獲得へ。チームに落ち着きをもたらしながら、勝利をもぎ取りに行く。

(第8回は早田ひなが登場)

 ◆世界卓球 9月30日からグループリーグが行われ、上位16の国と地域が10月5日からの決勝トーナメントに進出。テレビ東京系&BSテレ東で連日放送。中継キャッチフレーズは「新時代の、目撃者になる。」(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)