戸村健次氏「全ての子どもに『正解はないよ』と伝えています」 2009年ドラフト会議で楽天から1位で指名され、2019年ま…
戸村健次氏「全ての子どもに『正解はないよ』と伝えています」
2009年ドラフト会議で楽天から1位で指名され、2019年までプレーした戸村健次さんは現在、古巣でアカデミーコーチをしている。少年野球の子どもたちと接する上で大切にしているのは、判断力を育む指導法。「子どもが100人いれば100通りの投球フォームがある」と考え、自分に合った技術や練習法を判断できる選手を育てられるよう心掛けている。
2019年に現役を退いた戸村さんは楽天で打撃投手を経て、今年度から少年野球の子どもたちを指導するアカデミーコーチを務めている。知識や技術を伝える際に、必ず伝える言葉があるという。
「投球フォームは100人いれば100通りあると思います。全ての子どもたちに『正解はないよ』と伝えています」
プロまで野球を続けた経験から、それぞれの選手の投げ方を目にすれば修正すべきポイントは見えてくる。ただ、戸村さんは自分自身の感覚が全ての子どもと同じとは限らないと考えている。だからこそ、こう語りかける。
「今から戸村コーチが思っていることを伝えるね。教えたからには、ある程度続けてほしい。でも、続けているうちに自分に合っているのか、合わないのかの判断は自分自身でやるんだよ」
情報があふれている時代…必要なのは「自分で選ぶ、判断する力」
小学生が自分にベストな投げ方や練習法を選ぶのは難しいかもしれない。選択は遠回りになる可能性もある。ただ、言われたこと、教わったことをそのまま実践するだけでは、考える力は養われない。少年野球の時から、感覚の違いを意識し、自分に必要な知識や技術を取捨選択する必要性を知ることが、将来に生きる。戸村さんは自身の子どもの頃よりも今は野球の理論や映像など、情報があふれていることから「今の選手には自分で選ぶ、判断する力が必要になります」と強調する。
同じ内容を伝える時でも、使う言葉や声のトーンも子どもたちによって変える。正解は1つではないからだ。年齢や体格だけで判断するのではなく、会話を通じて野球に対する習熟度やモチベーションを見極める。
同じ言葉でも選手の理解度には差があり、性格も違うため、最もふさわしい方法を選択する。悔しさを刺激する言葉が響く選手もいれば、落ち込んでやる気を失わないような声掛けが必要な選手もいる。戸村さんは「言葉選びと伝え方は大切にしています。注意や指摘した後のフォロー、子どもたちが納得する理由付けを意識しています」と話す。
全ての子どもたちに合う絶対的な指導法はない。100人いれば100通り。戸村さんはベストな方法を模索している。(間淳 / Jun Aida)