9月25日、東京六大学野球秋季リーグの第3週1日目が行われ、第2試合は明大が早大に2対0で完封勝ちし先勝した。春日部共栄時代にもエースとして甲子園に出場した村田。勝つ術を知る投手で通算7勝目を挙げた 走者を出すこと実に6回。3回から8回は毎…

9月25日、東京六大学野球秋季リーグの第3週1日目が行われ、第2試合は明大が早大に2対0で完封勝ちし先勝した。

春日部共栄時代にもエースとして甲子園に出場した村田。勝つ術を知る投手で通算7勝目を挙げた

 走者を出すこと実に6回。3回から8回は毎回走者を出す展開だったが、村田賢一(3年・春日部共栄)は持ち味の打たせて取る投球で早大打線にホームを踏ませず。6安打でリーグ戦初完封を果たした。
 特筆すべきはその球数。93球でまとめた。尊敬する投手はMLB通算355勝を挙げたグレッグ・マダックス。同投手の理想とする100球未満での完封を「マダックス」と呼ぶが、この日はそれを体現してみせた。
 マダックスを知ったのは大学入学後。MLB好きの父がその存在を教えてくれて以降、「三振もいいですが、長く投げていくにはこっちかなと思って」とYoutubeなどでその投球スタイルを研究してきた。この日も奪三振はわずかに1個。ゴロとフライを量産して27個のアウトを取った。
 開幕投手を任された東大戦は「インコースを攻めきれなかった」と4回3失点。引き分けスタートの原因を作ってしまった反省を活かし、この日はインコースを強気に攻め、球は終始高めに浮かず低めを丁寧に突いて連打を許さなかった。
 完投自体も春は1回しかなかったため「練習の成果が出ました」と笑顔を見せた村田。憧れの大投手のように巧みな投球術で白星を積み重ねていければ、明大の春秋連覇もグッと近づいていくだろう。

明大打線はチャンスこそ少なかったが、日置航(4年・日大三)の犠飛と蓑尾海斗(4年・日南学園/写真)のダメ押し打で着実に得点を挙げた

■明治大vs早稲田大1回戦
明大 000 100 001=2
早大 000 000 000=0
【明】○村田-蓑尾
【早】●加藤、原、伊藤樹-印出

◎明大・田中武宏監督
「ロースコアで勝てたのは大きいです。テンポ良く、ボールも低めに集まっていたので大崩れしないだろうと村田の投球を見ていました。8回からはもうこれは完投だろうと思いました」

◎明大・蓑尾海斗(4年・日南学園)
「打撃ではまったく貢献できていなかったので良かったです。早稲田は法政に連勝して勢いがあったので、村田とインコースを突いて抑えようと思っていました。これまでは追い込んでから甘くなることが多かったのですが、今日は練習の成果が出ていたと思います」

◎早大・小宮山悟監督
「見ての通り。点を獲れなきゃ勝てません。得点圏に進めてからの打撃がずっと課題。打破しないといけません。配球のデータもあるので、ファーストストライクから積極的にということはできていたが、最後の1本が出ないということは相手が上でしたね」

◎早大・加藤孝太郎(3年・下妻一)
「球はバラついていましたがインコースは有効に使えていました。(先制犠飛を許した場面は)外野だけには飛ばさせたくないと思っていましたが、ボール1個分くらい中に入ってしまいました」

早大は原功征(4年・彦根東)らの投手陣の好投はあったものの打線の援護なく敗れた

文・写真=高木遊