チーム事情から見るドラフト戦略2022〜DeNA編 昨年のドラフトでDeNAは1位・小園健太(市和歌山)、2位・徳山壮磨…
チーム事情から見るドラフト戦略2022〜DeNA編
昨年のドラフトでDeNAは1位・小園健太(市和歌山)、2位・徳山壮磨(早稲田大)を指名し、その後も4位で三浦銀二(法政大)、5位で深澤鳳介(専大松戸)と、本格派タイプの投手を精力的に指名した。
首位ヤクルトには6ゲーム離されているが、阪神には4.5ゲーム差をつけて2位に食い下がっている。チーム成績を見ると、打率、防御率ともヤクルトと大差はないのに2位というのは、総得点で117点、本塁打で58本下回っているからなのか......。
※成績は9月16日現在
この数字はヤクルト・村上宗隆(132打点、55本塁打)のほぼ"ひとり分"に相当していて、思わず笑ってしまった。

高校生ナンバーワンスラッガーと称される高松商の浅野翔吾
浅野翔吾は補強ポイントにピッタリ
アマ球界に「村上宗隆」を探しても在野にはいないが、昨年が投手中心のドラフトだったことを考えれば、やはり今年は"野手"だろう。
佐野恵太、牧秀悟の中軸はしばらく健在だとして、クリーンナップの一角を担う宮?敏郎の後釜。そしてリードオフマン・桑原将志も健闘しているが、20盗塁以上を期待できる機動力を持った選手もほしい。
現状、浅野翔吾(高松商/170センチ・84キロ/右投右打)は外野手だが、三塁で鍛えたら十分にこなせると見る。この先はスイッチヒッターを目指すというほどの選手だ。守るほうだって、外野手以外の可能性を広げる努力をするはずだ。
もし「三塁手・浅野翔吾」が実現すれば、いきなり本塁打が打てる快足リードオフマンの誕生となり、2つの課題が一気に解消する。
チーム盗塁数47は、広島の25に次いで12球団2番目の少なさである。現状、レギュラークラスで走れるのは、桑原だけ。スピードが期待できる森敬斗、蝦名達夫はあと一歩のところでレギュラーになりきれていない。足が使える選手はもっと必要なはずだ。
林琢真(駒澤大/174センチ・74キロ/右投左打)のスピードは、ただ走るだけじゃない。抜群の打球反応と快足を生かしたセカンドの守備は、フェアゾーンにとどまらず、ライトポール付近のフライまで捕球できる球際の強さを備えている。
とんでもなく速いということなら、林のチームメイトである浦口輝(駒澤大/180センチ・73キロ/右投左打)を推す。盗塁時の瞬発力とスライディングのスピードは、チャンスを与えれば"盗塁王"も夢じゃない。
次世代の正捕手候補と守備固め要員
一方、投手陣については、スピードと勝負球を持った試合終盤を託せる人材に厚みを加えたい。
常時140キロ後半の速球と必殺スライダーを武器に、今季は完投能力も備わった有村大誠(ホンダ/185センチ・88キロ/右投右打)。左腕なら、内角が攻められる勝負度胸抜群の伊原陵人(大阪商業大/170センチ・72キロ/左投左打)も面白い。
また伊藤光、戸柱恭孝、嶺井博希......30代前半の働き盛りの捕手は揃っているものの、その次の世代に見通しが立っていない。鉄砲肩で聡明な石伊雄太(近畿大工学部/178センチ・84キロ/右投右打)か、打てる魅力を持つ清水叶人(健大高崎/175センチ・82キロ/右投左打)でレベルアップを図りたい。
そしてずっと気になっていたのが、牧の守備固め要員だ。二塁手の心身の負担は想像以上に大きい。"主砲"という重責を担って、バッティング面でその結果を最大値発揮してほしいなら、"休ませる"ことも大切だろう。
もし下位で残っていたら北川智也(セガサミー/167センチ・75キロ/右投左打)を獲得したい。点差の離れた試合終盤を任せられるフィールディング能力とガッツ溢れるプレースタイルは、ベイスターズの"元気印"として貴重な存在になってくれるはずだ。