【明治安田J1リーグ 第26節 浦和レッズvsセレッソ大阪 2022年9月14日 19:34キックオフ】 カップ戦が決…
カップ戦が決勝トーナメントに突入すると、リーグ戦+カップ戦(ホーム&アウェイ)の計3試合を短期間で戦う、ということがしばしば起こる。
今年は浦和vsセレッソがそうなった。14日にリーグ戦、21日と25日にルヴァン杯の準決勝、という日程になった。ともにリーグ戦では首位から10ポイント以上離されており、ルヴァン杯のタイトル獲得により力を注ぐことは明らかだ。
こういう場合、初戦となるリーグ戦ではいつも通りの部分だけを見せることが多い。対戦相手用の策は見せず、手の内を明かさないようにしながら睨み合いで終わる、というパターンだ。
この日の試合も、序盤を見る限りそのパターンで進みそうだった。ボールを持つ浦和とカウンターを狙うセレッソ、という構図で、ベースの戦い方の中で無理せず牽制しあいながら時間が消化されていこうとしていた。
そんな展開で勝敗を分けたのは、隙を見せた・見逃さなかった、という部分だった。
24分、セレッソは自陣でフリーキックを得ると鈴木徳真が素早くリスタート。浦和は、ゆったりとしたペースでの再開になるはずだ、という足の止め方をしており、不意を突かれる形となった。為田大貴がドリブルで一気に左サイドを駆け上がり、ペナルティエリア内へ浮き球を送ると、それに合わせたのは加藤陸次樹。互いにゴールの気配が無かった展開から、いきなりセレッソがスコアを動かした。
加藤は埼玉県熊谷市出身。この日は両親が埼玉スタジアムで観戦しており、ワンチャンスを決め切ってチームを勝たせる、という最高の姿を見せることができた。
■前半の終わりにはまばらなブーイングも飛ぶ事態に
ホームで負けるわけにはいかない浦和は、岩尾憲が最終ラインに落ちてビルドアップをスタートさせようとするものの、セレッソの守備を上回る動きがなく、大きなジェスチャーで指示しながらボールを持つ場面が目立った。出せるところがなく、一気にゴール前へロングボールを出すことも試みたが、それも上手くいかず。
その後、岩尾は最終ラインには落ちずに中盤でプレーする場面を増やしたが、この日の浦和は局面での個人の仕掛けや全体での可変が極端に少なく、シュートまで進むことができない。前半の終わりにはボールが前に進まない様子にゴール裏からまばらなブーイングも飛んでしまった。
ハーフタイムに、ダヴィド・モーベルグ、酒井宏樹、小泉佳穂が投入されたことで、モーベルグと酒井の右サイドが攻撃を前進させる役割を担うようになったものの、あくまでもサイドの前進とクロス、という形にとどまり、ついにゴールを奪うことはできなかった。
カップ戦の前に顔を合わせるリーグ戦、という場合によくあるパターン通り、これは、対セレッソの戦い方はルヴァン杯までとっておく、ということなのだろうか。
0-0の時点ではそうだったかもしれないが、たとえ特殊な部分を見せない試合だとしても、いつも通りの試合運びの部分が上手くいかなかったことは気になる。
「フィーリングやコンディションの部分が上がり切っていなかった部分もある。普段の最大限のレベルを出すことが難しかった」「走りだけでなく、目には見えないところにも疲れが影響している」とリカルド・ロドリゲス監督は試合を振り返った。
■勝敗を分けるのは“隙”になるだろう
終盤には酒井がチームの勢い不足に檄を飛ばす場面もあり、作戦とは別の部分で不安要素が大きく顔を覗かせる試合となった。今週の土曜日に湘南戦、そして来週は水曜日と日曜日に再びセレッソ戦、と連戦が途切れない中でどこまで状態を上げられるか、がルヴァン杯を勝ち上がる最低条件になりそうだ。
浦和のコンディションが整い、プラスアルファでこの日と異なる戦い方を見せたとしても、セレッソがリスク管理を軸とした戦い方を変えることはない。来週の2試合でも、勝敗を分けるのは“隙”になるだろう。隙を見せた方が敗れる、というのはあらゆる場合に共通する。そしてその部分は、現時点ではこの試合の結果がそうなったようにセレッソに分がある。
小菊昭雄監督は「選手たちはキャンプから“相手の隙を見逃さない”ことを意識高く取り組んでくれている」「我々のトレーニングは、勝敗にこだわり、相手の隙を見逃さないことを強調している」「勝敗は細部で決まる、と常々言っているが、今日選手たちが実行してくれて嬉しく思う」とそこへの手応えを口にし、ゴールを決めた加藤は「やることはハッキリしている。次も少ないチャンスになると思うが、それを逃さずに決めたい」と意気込んだ。
果たして、この試合はルヴァン杯準決勝にどのような影響をもたらすだろうか。運命の2試合が終わってからこの試合を再び見れば、倒叙ものの推理小説のような楽しみ方をすることもできそうだ。
■試合結果
浦和レッズ 0―1 セレッソ大阪
■得点
24分 加藤陸次樹(セレッソ)