9月11日、東京六大学野球秋季リーグの第1週2日目が行われ、第2試合では春秋連続優勝を狙う明大が11対7で東大を辛うじて振り切った。両軍合わせて20安打18得点、3時間超の試合を明大が制した 前日の1回戦を3対3で引き分けた後の仕切り直し…

 9月11日、東京六大学野球秋季リーグの第1週2日目が行われ、第2試合では春秋連続優勝を狙う明大が11対7で東大を辛うじて振り切った。

両軍合わせて20安打18得点、3時間超の試合を明大が制した

 前日の1回戦を3対3で引き分けた後の仕切り直しの2回戦。明大は1年時に計5試合に先発して2勝を挙げながら今春は登板のなかった藤江星河(2年・大阪桐蔭)が先発。対する東大は、前日リリーフ登板で1イニングを投げた松岡由機(3年・駒場東邦)が先発マウンドに上がった。

明大の先発・藤江は4回2安打3四球2失点でマウンドを降りた

 先制したのは東大。試合開始直後、1番の中井徹哉(4年・土浦一)が1ストライクからの2球目を振り抜いてライトの頭上を越える自身リーグ戦初本塁打となる先頭打者アーチで1点を先制する。しかし、明大はすぐさま反撃。1回裏、1番に入った主将・村松開人(4年・静岡)のヒットから1死三塁となり、3番・宗山塁(2年・広陵)がレフトへ同点タイムリーを放つと、4番・上田希由翔(3年・愛産大三河)がライトへ自身リーグ戦通算5本目となる本塁打を放って逆転に成功。続く2回には相手のタイムリーエラーで2点を追加して5対1。4回には東大が1点を返すも、その裏に明大が2番・飯森太慈(2年・佼成学園)と6番・山田陸人(4年・桐光学園)のタイムリーで計3点を奪い、8対2とリードを広げた。

生還した村松主将をベンチで出迎える明大ナイン。勝利はしたが、課題も残った

 しかし、試合は簡単には終わらない。前日に引き続いて粘りを見せる東大は、継投に入った明大投手陣を攻め、5回表に2番・阿久津怜生(4年・宇都宮)のタイムリーなどで2点、続く6回表にも8番・林遼平(4年・甲陽学院)のタイムリーと代打・大井温登(3年・小松)の犠牲フライで2点を返して6対8と2点差まで迫った。その後、8回裏に明大が山田陸の走者一掃のタイムリー二塁打で3点を奪ったが、東大は9回表に阿久津がライトへ豪快なリーグ戦通算2本目の本塁打を放った。

 最終的に明大は1本塁打を含む計10安打で11得点を奪ったが、東大も2本塁打を含む計7安打で7得点。東大は4失策が痛かったが、井手峻監督は「よく追い上げましたけど、ピッチャーを中心とした守りがもうちょっと粘れれば良かった」と言いながらも笑み。一方、「3時間を超えるゲームをして申し訳ございません。すべてにおいてプレーが雑になっている。打つのも守るのも投げるもの、すべて雑」と明大・田中武宏監督。勝敗とは真逆の対照的な表情だった。

9回表に豪快なアーチを放った阿久津を出迎える東大ナイン。打線は最後まで活発だった

■東京大vs明治大2回戦
東大 100 122 001=7
明大 320 300 03X=11
【東】●松岡由、木戸、平田、綱嶋、齊藤、鈴木健、西山-松岡泰
【明】藤江、菱川、渡部慎、○石原-蓑尾
本塁打:東大・中井<1回ソロ>、阿久津<9回ソロ>、明大・上田<1回2ラン>

◎明治大・田中武宏監督
「(不機嫌な表情に)お察しください。3時間を超えるゲームをして申し訳ございません。すべてにおいてプレーが雑になっている。打つのも守るのも投げるもの、すべて雑。それは試合の途中でも(選手たちに)言いました。この2日間でいろんなことが出た。あれやれ、これやれというのは簡単なんですけど、それでは身にならないので、明日(試合が)始まるまで彼らの行動を見てみたい」

◎明治大・上田希由翔(3年・愛産大三河)
「(1回裏の本塁打、手応えは)あんまりいい感じではなかったんですけど、結果がホームランになって良かったです。(通算5本目も)あんまり本数とかは気にしていない。チームにとって大事な場面で1本を打てたらと思います」

◎明治大・村松開人(4年・静岡)
「(2試合で9打数5安打の活躍も)チームがこういう状況なので好スタートだとは思っていないです。こういう状況にしてしまったという責任もありますし、コンディション、試合の運び方、いろんな部分をしっかりとして明日に備えたい。やれることをしっかりとやって試合に臨みたい」

◎東京大・井手峻監督
「よく追い上げましたけど、ピッチャーを中心とした守りがもうちょっと粘れれば良かった。打つ方は結構、粘っていたからね。今年は夏に北海道で結構、打ち込めた。また(勝利の)チャンスを狙います」

◎東京大・中井徹哉(4年・土浦一)
「(先頭打者弾)打った感じだと入ったかなと思ったんですけど、届かなかった時のために(ガッツポーズは)我慢しました。打ったのは真ん中低めのストレート。左投手は得意です。ホームランは高校3年以来、6月ぐらいの練習試合以来です。今日はエラーで失点してしまったけど、それがなければ逆転できたんじゃないかと思います」

◎東京大・阿久津怜生(4年・宇都宮)
「(9回の本塁打、ガッツポーズは)反射的に出てしまいました。真っ直ぐ一本に絞って、差し込まれないように意識しました。(プロ志望届を提出して)自分はとにかく結果を出すだけ。これまで通り、チームの勝ちのために1打席1打席、結果を残していくだけです」