卓球Tリーグの女子が開幕 卓球のTリーグは10日、東京・大田区総合体育館で5シーズン目が開幕した。女子では、5連覇を目指す日本生命レッドエルフに新加入した伊藤美誠がリーグデビュー。昨季4位・木下アビエル神奈川の平野美宇を3-1で下し、チーム…

卓球Tリーグの女子が開幕

 卓球のTリーグは10日、東京・大田区総合体育館で5シーズン目が開幕した。女子では、5連覇を目指す日本生命レッドエルフに新加入した伊藤美誠がリーグデビュー。昨季4位・木下アビエル神奈川の平野美宇を3-1で下し、チームの4-0のストレート勝ちに貢献した。世界ランクは日本人トップの5位。日本代表のエースとして期待される存在ながら、国内でも挑む気持ちで戦っていた。観衆は2333人。

 伊藤は挑戦心を貫いた。日本生命の2勝で迎えた第3試合。勝てばチームの白星が決まる試合で平野に第1ゲーム(G)を7-11で先取された。「(ゲームカウント)3-1で勝つ」。劣勢でも持ち前の強気を崩さず、第2Gは11-4と圧倒。東京五輪メダリスト同士の激しいラリーにどよめきが起き、第3Gも11-8で奪った。第4Gは5度の同点になる接戦。最後は11-8で勝ち切り、チームの白星を確定させた。

「チームW杯の決勝みたいな雰囲気。緊張感がありながら楽しくできていました。応援もたくさんあって、チームメイトも盛り上げてくれる。日本人は誰に対しても向かってきてくれるのが嬉しい。けど、それ以上の気持ちで行くことで勝敗が決まる。挑戦者の気持ちでいたい」

 これまでは五輪代表選考で世界ランクが重視されてきたが、パリ五輪は国内大会の成績がポイント換算される。Tリーグの成績も対象のため、東京五輪で金、銀、銅メダルを獲得した伊藤は参戦を決めた。「海外は3日間練習して試合。国内は前日に入って試合をするのでタイミングが早い。それを学びたいと思っていた。そこが自分にとって必要な部分」。貪欲な姿勢が強さを支えている。

日本国内の争いに危機感「最近はどの選手も1週間、1か月で凄く伸びてくる」

 パリ五輪選考レースでは出遅れていたが、4日の全農カップ・トップ32を制し、多くのポイントを獲得。常に追われる立場であることは変わらず、次々と若手が台頭する日本卓球界の中で危機感も抱いている。

「練習でも挑戦者になる。成長をしようと思っても、挑戦者の気持ちじゃないと成長できない。最近はどの選手も1週間、1か月で凄く伸びてくる。みんなの成長速度が早いので、自分もそこを意識しないといけない」

 23日の次戦は、浦和駒場体育館で京都カグヤライズと対戦。30日からは中国・成都で団体戦の世界卓球(テレビ東京系&BSテレ東で連日放送)が行われ、伊藤は早田ひな、木原美悠、長崎美柚、佐藤瞳と出場する。「もっともっと思い切って試合ができると思うのでワクワクしています。一人が挑戦者になれば、チームも挑戦者でいられる」。挑戦心を日本代表にも波及させていく。(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)