9月10日、東京六大学野球秋季リーグの第1週1日目が行われ、第2試合では早大が2対0で法大に完封勝ちを収めた。早大が2対0で法大に完封勝ち。「今日は勝って良かった」と小宮山悟監督 今春、勝点1(3勝8敗2分)の5位だった早大は、リーグ戦通…

 9月10日、東京六大学野球秋季リーグの第1週1日目が行われ、第2試合では早大が2対0で法大に完封勝ちを収めた。

早大が2対0で法大に完封勝ち。「今日は勝って良かった」と小宮山悟監督

 今春、勝点1(3勝8敗2分)の5位だった早大は、リーグ戦通算12試合で2勝2敗、防御率1.98、新エースの期待を背負う加藤孝太郎(3年・下妻一)が先発。一方、今春を勝点3(7勝5敗1分)の4位で終えた法大も、同じく3年生でリーグ戦通算17試合2勝0敗、防御率1.69の左腕・尾﨑完太(3年・滋賀学園)が先発。試合は序盤からこの両投手による投手戦となり、法大の尾﨑が5回まで2安打無失点で7奪三振の好投を披露すると、早大の加藤も5回を終えて3安打無失点。5回裏に1死満塁のピンチを背負ったが、最後は9番の尾﨑をショートゴロに仕留めてスコアレスを継続させた。

5回裏1死満塁のピンチを無失点に抑えた早大の先発・加藤が雄叫びを上げる

 試合が動いたのは6回表だった。早大が、この回先頭でこの日がリーグ戦初スタメンの9番・山縣秀(2年・早大学院)がヒット出塁し、犠打で1死2塁とすると、2番・中村将希(3年・鳥栖)が詰まりながらもライト前に運んで1点を先制。早大はその裏の1死三塁のピンチを加藤が再び無失点で切り抜けると、7回表1死二塁から7番・印出太一(2年・中京大中京)が、代わったばかりの大学日本代表の快速右腕・篠木健太郎(2年・木更津総合)から左中間を破るタイムリー二塁打を放って貴重な追加点を奪った。

7回表、早大の印出が貴重な追加点となるタイムリー2塁打を放ち、ガッツポーズを見せる

 その後、早大の先発・加藤が8回も無失点に抑えた後、9回は2番手の伊藤樹(1年・仙台育英)が走者を背負いながらも得点を許さずに完封リレーを完成。「今日はとにかく自分で1勝するんだという意識で投げました」と振り返った加藤は8回を4安打無失点。エースとして成長中の右腕を「言うことない」と称賛した小宮山悟監督は試合後、「今日は開幕戦ということもあったけど、応武さんへ弔いという気持ちがありました。」と今月7日に64歳で逝去した元早大野球部監督の応武篤良氏へ思いを馳せ、「勝って報告できればと思っていましたが、ここまで完璧に、いい形の試合ができたのでホッとしています」と話した。

一方、敗れた法大は、先発の尾﨑が「調子は良かった」と6回1/3を投げて5安打2失点も「バッター陣がオープン戦では結構、点を取ってくれていたんで、粘っていたら何とかなるかなという気持ちだったんですけど…」と打線が5安打のみで無得点。加藤重雄監督は「完敗です」と話した上で「このままでは終われない」と明日からの巻き返しを誓った。

法大の先発・尾﨑も7回途中まで2失点に抑える力投を演じたが、打線の援護を欠いた

■早稲田大vs法政大1回戦
早大 000 001 100=2
法大 000 000 000=0
【早】○加藤、伊藤樹-印出
【法】●尾﨑、篠木、吉鶴-大柿、村上

◎早稲田大・小宮山悟監督
「春、思うような野球ができずにもがいて、頑張ってきた証だと思う。期待をしてこの秋に臨んだ中でいい形で試合ができたので、頼もしく思います。(初スタメンの山縣は)学生コーチの推薦です。守備はどこに出しても恥ずかしくない。東京六大学で一番巧いショートになれる可能性がある。守りはできて当たり前。打つ方はまったく期待していなかったんですが、ヨーイドンで3塁打を打って、驚いています。(加藤投手は)言うことないです。色気を出さず、自分をしっかりと理解した上でのピッチングをしてくれた。(春から)どれくらい成長しているのかは毎日顔を合わせているのでわからないですが、こちらに対してクソッという雰囲気がグランドの中で出てきた。自分たちでやっていこうという雰囲気になっているのが収穫です」

◎早稲田大・加藤孝太郎(3年・下妻一)
「とにかくゼロに抑えることを意識して、低めに強いボール投げた。特にどのボールが良かったというのはないんですけど、全体的に良かった。ゼロに抑えられたので良かったです。春先は試合の後半になるとボールが浮いてしまうところがあったんですけど、今日はしっかりと8回まで低めに投げられたので良かったです。次の登板に向けてしっかりと調整して今日みたいなピッチングができるようにしたい」

◎早稲田大・山縣秀(2年・早大学院)
「(初スタメンで)緊張感はあったんですけど、自分の中で野球を楽しんでということを一番に考えてプレーしました。(第1打席の3塁打は)打った瞬間は抜けてくれと思って走っていたんですけど、右中間を抜けた瞬間、3つ行けると思って走りました。(6回の先制点に繋がるヒットは)良かったです。(遊撃手として)自分はバッティングよりも守備の方が得意。自分のところに飛んできたボールは全部アウトにできるように頑張っていきたい。4年生の足を引っ張らないように、下級生がしっかりとやっていければと思います」

◎法政大・加藤重雄監督
「(試合の流れが)ぜんぜん来なかったですね。打線が繋がらなかった。繋がらなかったというよりも打てなかった。オープン戦で粘りと繋がりをテーマにやって来ましたが、まったくでした。完敗です。(先発の尾﨑は)今日に限らず、春以降、オープン戦も乱れることなく、今日も安定したピッチングをしてくれた。あまりにも攻撃の方がダメで見殺しにしてしまった。(篠木は)今のところは後ろで使いたい。本人は先発したそうなんですが、今は尾﨑も他の投手もいるので、(篠木が)後ろにいた方が脅威だと思う。それにしても今日は打てなさ過ぎました。切り替えて、明日は総力戦で、明後日に繋げる戦いをしたい。このままでは終われないです」