第4回は大学ボートの花形・男子エイトから、中島湧心主将(スポ4=富山・八尾)、越智竣也(スポ4=愛媛・今治西)、小林里…

 第4回は大学ボートの花形・男子エイトから、中島湧心主将(スポ4=富山・八尾)、越智竣也(スポ4=愛媛・今治西)、小林里駆(スポ4=静岡・浜松西) の3人だ。早慶戦で勝利したメンバーがそのまま乗るエイト。全日本大学選手権(インカレ)と漕艇部への思いを伺った

※この取材は8月27日に行われたものです。


早慶戦で劇的勝利を挙げた対校エイト

「インカレへのモチベーションが上がった」(越智)

ーー今シーズンを振り返って、どんなシーズンでしたか

越智 全体的に、全日本は満足してない成績であることは確かで、対校が分散した分いい成績をとれるはずだし、とらなきゃいけなかったのですがとれなくて。そこでインカレでのエイトで勝つことへのモチベは更に上がったのかなと思います。

中島 全日本は正直なところ言うと、社会人の実力を低く見積もりすぎちゃうかなというのがあって。1ヶ月ぐらいちゃんとやったら社会人でも意外といけるんじゃないかとは思っていたのですが、やっぱり実際そこまで甘くはなかったというのが全日本の感想ですかね。その後に部内で初めてコロナが出ちゃって隔離される選手もいたり、なかなか思うように活動ができない時とかもあったのですが、今はまたしっかり練習できてきてインカレに向けてなんとか持ち直してきたという感じです。

小林 全日本のクルーもずっと1年生から一緒で仲良くて、色々言い合ってきた仲間とメダル取れて、個人的にはすごいうれしかったです。今インカレに向けて練習している中でも思い入れのある強いメンバーと今こうやって乗ることができて、全力で頑張れてるというのはすごい楽しいです。

ーー今年の部の雰囲気は

中島 自由すぎる感じはしますけど、厳しく縛りつけるようなことはしないので、のびのびやってくれてるんじゃないかなと思います。

ーー今流行っていることはありますか

越智 食堂では変わらず麻雀をやっています。下級生はワンピースの新しいカードゲームをやってますね。

小林 コロナで部活の中では自粛みたいのが厳しくて、全然遊べないですが、食堂でみんなでご飯食べてる時に4年生が集まると昔の思い出の話とかしながら笑いあう時間があって。涙が出そうになります。

ーー引退の実感は湧いてきましたか

越智 SNSでラストレースに向けてみたいな同期の投稿がされ始めて実感が湧いてきました。集まったときに写真見返したりとか、「あの頃こういうことがあったよね」みたいな話をしたりして、しんみりというか、懐かしく思ったりもう離れるのかという気持ちにはなったりします。


小林

エイトの仕上がり

ーーエイトの仕上がりは

中島 クルー組み始めたのが8月10日ぐらいからで、期間的にはあんまり取れていないのですが、その中でも日に日によくはなってると思います。いい状態じゃないかなというところの1歩前ぐらいって感じですかね。

ーー注目ポイントを教えてください

中島 早慶戦のメンバーがそのまま乗っていて、早慶戦もパワー派というより技術で勝ったようなもんなので、技術力みたいなところは強みになるかもしれないです。

ーークルーの雰囲気はいかがですか

中島 うまくいかない時とかは当然暗くなりそうになったりするのですが、日に日に良くはなってきてるのでそこまで雰囲気が悪いとかということはなくて、徐々に雰囲気的にも良くなってきてるんじゃないかなという風には感じてます。

ーー4年生が多いですが

越智 下級生も1、2を争うぐらいの実力者なので、そこは上下関係なく意見は全員で出し合っています。最後の大会になるので、言いたいことは言って、やれることは全部やってという感じなので、4年生が多い分勝ちへ執着心は強いのかなと思います。

ーー目標をお願いします

中島 ここでメダル獲得ですなんて言えないので、優勝です。これを目標にやってきたので。

ーー今後詰めていきたい部分は

中島 トップスピードはいいものが出てるのでそれをできるだけ長い距離で維持させるってところは、この後もうちょっと詰めていかないといけないのかなという風には感じてます。


左から中島、越智

漕艇部での4年間を振り返って

ーー4年間で1番うれしかったことを教えてください

越智 間違いなく早慶戦です。2人と違って、3年生の時に対校エイトに乗れなくて、すごく悔しい思いをして。そこから絶対もう対校以外乗りたくないと思ったので、自分の課題を潰して。そこからの早慶戦だったので、想像してた以上の喜びというか、感動というか、そういうのを初めて味わいました。

中島 僕も早慶戦の勝利はすごいうれしかったですね。3年生の時僕が途中で怪我してしまって、直前にシート変更とかクルーに迷惑かけてしまったところが大きかったので、今年は絶対に取るという気持ちで挑んで取れたのはうれしかったですね。あと個人的な話にはなるのですが、1年生の時にクロアチア遠征という海外遠征があって、オリンピックの金メダリストと交流できたのが楽しかったです。

小林 僕は高校ボートやっていたけど、別にすごい選手じゃなくて、それでも早稲田大学漕艇部にすごい憧れを持ってて。浪人して馬鹿なりに一生懸命頑張って入れました。すごい情熱に燃えて、大学競技生活スタートしたんだけど、1年生の時はほんとに歯が立たなくて。予選で負ける、敗者復活戦で負けるみたいな。浪人してたしすごい選手ではなかったから、大学では通用しないのかなと思っていたんだけど、それでもこう諦めずに続けてきて、2年生のインカレで男子の舵手付きフォアという種目で、初めて予選というものを突破できた時、その大会は最終的に準優勝というところまで行くことができたんだけど、大学でこう初めて結果を残した時に、自分本当に頑張ってよかったなって思えました。早稲田で強いメンバーと巡り合って、一緒に切磋琢磨して結果残せるのは幸せなことだなって思って、ここにいられてよかったなって思えたから、そこが1番うれしかったです。

ーー逆にこの4年間振り返って辛かった瞬間とか苦しかった瞬間はいつでしょうか

小林 最近彼女に振られちゃったことです。直後はほんとに何も練習も手につかなかったです。ちょうどコロナで練習がなかったので助かりました。

越智 その話か(笑)。2年生の時、3年春にかけてはすごく辛くて。大学生の花形ってエイトという種目で1年生の冬、2年春の早慶戦と3年の早慶戦、3回部内で、その対校クルーに乗れるかのメンバー選考があったのですが、そこでなかなか勝てなくて、自分が憧れていたトップクルーに乗れなくて。選考で負けた時とかそもそも選考させてもらえなかった時期は、すごく辛かったです。

中島 僕は去年の早慶戦が終わった時から1年ぐらい怪我がなかなか治らなくて、その時期が一番気分的にも落ち込むことも多かったので辛かったですかね。

小林 あともう一個ボート以外で、大学生になって部活やりながらでも遊びたかったけど、コロナですごい制限されててボート以外での思い出が作れなかったことに少し後悔しています。写真とか見返しても、全部ボートばっかりで。同期とどっかに遊びに行ったりとか友達と旅行行ったりという思い出が作りたかったです。

ーー中島さんが主将として来年の漕艇部に変えていってほしいところ、残していってほしいところはどこでしょうか

中島 さっきも話に出たと思うのですが、割とみんな気遣いなく寮生活や部活動に取り組めてるのはいいと思う反面、当たり前の基本的なことはしっかりとできるようになったら、ストレスがなくなっていい方向に行くんじゃないかなと思いますね。

ーー早大漕艇部、ここが最高だったというところを教えてください

越智 規模が大きくて、マネジャーやトレーナーなどポジションが違う人たちが日本一を取るために、それぞれの役割を全うしているのが、特にボート競技においては、すごく魅力的というか、大きなものになってるのかなと思いますね。早慶戦は学生主体で作り上げて、隅田川で漕がせてもらうのは選手で。一つでもポジションが欠けていたら大会が成り立たないですし、そういう意味では他のポジションへの感謝というのは他の競技よりも大きいもので、それは魅力的なんじゃないかなという風に思います。

中島 ボートを漕げる環境は他の大学と比べてもかなりいいと思います。例えばOBの方々からの支援であったりとか、マネジャー陣も緻密な仕事をしてたりとかは他の部ではあんまりないと思います。漕手に関しても付属系列からそのまま上がってきた部員もいますし、スポーツ推薦とか自己推薦とかセンター競技歴とかで入ったいろんな部員がいるので、そこの組織力みたいなところが早稲田は強くて最高って言えるんじゃないかなと思います。

小林 いろんな人と出会えてよかったって言ってしまえばそれだけなんですけど。それぞれ思いがあって漕艇部に入って、ボートやってる人って悪いやつもいなくて、真面目で心が明るくて我慢強いし、尊敬できる人がいっぱいいて。そういう人たちと同じ目標に向かって頑張れてこれたというのは、すごい最高だったなって思います。

ーー4年間で得たものは

中島 下級生の頃はほんとに好き放題やって生意気だったと思うのですが、学年が上がるにつれて主将というのも任せていただきましたし、少しは周りが見えるようになったのかなという風には感じてます。

小林 (中島は)すごい丸くなりました(笑)。4年間で得たものは・・愛のフルドライブです(笑)。

越智 4年間で得られたことはシンプルにいい思い出だなという風に感じてて。大学来てまでむさ苦しい寮で、部活でこんなしんどいことをやるのって、当たり前じゃないというか。そういう生活がここに来てできたというのは、自分にとっても財産になるし、レベルの高い人たちと4年間もそういう活動ができたというのは、自分にとってすごくそういう意味では大きなものだったんじゃないかなと思います。

ーーインカレへの意気込みをお願いします

越智 僕は大学入る前から憧れていた対校エイトで尊敬するメンバーと最後の大会に一緒に出場できるので、4月に味わった感動、うれしさを超えるようなものをこのインカレで皆で味わえるように4年間やってきた集大成をぶつけられるように最後まで頑張りたいと思います。

中島 インカレがラストレースのメンバーもいるので、メンバーたちに後悔させないためにも、高い目標であると思うのですが、優勝目指して悔いが残らないように全力でやるだけだと思ってます。

小林 今まで一緒に戦ってきた早稲田というチーム、仲間に対して恩返しをできるように、全力で戦って優勝したいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 森田健介、冷水睦実)


◆越智竣也(おち・しゅんや)(※写真右)

愛媛・今治西高出身。スポーツ科学部4年。引退後は温泉やスノーボードなど、行けなかった旅行に行きたいと話してくれました

◆中島湧心(なかじま・ゆうしん)(※写真中央)

富山・八尾高出身。スポーツ科学部4年。特に具体的なやりたいことは決まっていないそうですが、ケガをしていた部位を本格的に治療したいそうです

◆小林里駆(こばやし・りく)(※写真左)

静岡・浜松西高出身。スポーツ科学部4年。今が人生における最高の体なのでそれをキープするためにジムに通ったり、勉強したりして自分磨きを頑張るそうです