初回は2年ぶりの総合優勝を狙う女子部から、中尾咲月主将(スポ4=三重・津)、勝又真央(スポ4=東京・小松川)、髙田涼花…
初回は2年ぶりの総合優勝を狙う女子部から、中尾咲月主将(スポ4=三重・津)、勝又真央(スポ4=東京・小松川)、髙田涼花(社4=静岡・浜松西)のお三方に話を伺った。日本一への強い思いを胸に最後の全日本大学選手権(インカレ)に臨む3人の今の心境とは。
※この取材は8月25日に行われたものです。

全日本選手権は悔しい結果に終わった
「手応えは感じられた」(髙田)
――早慶戦から現在まで振り返って、どのように過ごしてきましたか
勝又 早慶戦のあと全日本(選手権)が海の森(水上競技場)であって、全日本は立命大という強豪がいる中でどれだけ戦えるか、試される大会だったのかなって思うんですけど、立命大に10秒差をつけられてしまって。強いクルーだったので、その結果に衝撃を受けて、インカレが怖くなりました。全日本のときはそんなつもりはなかったですが、危機感が足りなかったのかなと思います。今は最後ということもあるんですけど、もっとできることがあるんじゃないかなと思って、少しでも気になったことあったら全部やるというのを意識して、一つ一つを丁寧にこなしていくようにしています。
髙田 私は基本的には全日本インカレで出るスイープ種目に乗ることが多かったので、逆に早慶戦が(スカル種目で)異色という感じでした。全日本は気持ちを切り替えて今まで3年間積み上げてきたものプラスアルファ、みんなでこうした方がいいんじゃないか、みたいなことを言い合いながら、短い期間で完成させられたクルーだったかなという風に思います。自分たちの中でも完成度が過去一高いなという風に練習で感じていたクルーだったので、レースの期待度はすごく高かったんですけど、私があまり海の森という環境に適応できなかったということもあって、結果としては10秒差がついてしまいました。このメンバーでできないと、インカレもちょっと難しいんじゃないかみたいな気持ちが正直直後にはありました。
ただ、全日本から変わった点もあって。早大は今までスタートぶっちぎって出て、真ん中で落ちて抜かれて、最後ゴールみたいな感じのレース展開が多くて、中でも私はそれを代表するレースプランをやりがちな選手で(笑)。このスタイルを3年間ずっと突き通してたんですけど、最後の最後になって、やっぱりこれ違うんじゃないかというのを、クルーで話し合って、スタートの出方をちょっと変えて取り組んでいます。一生懸命試行錯誤しながら練習しているというような感じです。この前、学連TTというインカレの前に練習試合みたいな形のレースがあったのですが、スタートを変えた状態でレースをして、差をキープした状態でゴールまで持っていけたので、手応えは少し感じられました。
中尾 私は早慶戦に腰痛で出れなかったので全日本に気持ちがありました。特に1年の時以来の同期全員と乗れるクルーだったので、思い入れは強かったです。練習中の完成度が本当に高くて、優勝できるんじゃないかなと思っていました。その中でのこの結果で、悔しい気持ちとやりきった気持ちでした。インカレでは同じクルーってわけではないんですけど、うまくいく日とかいかない日が激しくて、練習で落ち込んだりもします。でも、みんなちゃんと自分の課題に向き合えるクルーかなと思うので、あと2週間半くらいしかないんですけど、より高い完成度に持っていけると思います。
――クルーの仕上がりは
髙田 いい時の完成度は悪くないですし、全日本と引けを取らないくらいには高いものが出せていると思うんですけど、今のクルーはできない時との差が少し激しいので。今再現性というのを課題にしてるんですけど、そこがちょっと不安要素ですね。
――クルーの雰囲気はどんな感じですか
中尾 楽しくやってます(笑)。私たちは同期でわいわいしてるので、 後輩がどうなのかは(笑)。
髙田 後輩もちゃんと自分の意見を持っていて、言ってくれるタイプの2人なので。きつい練習に対してみんなで決めたことはちゃんとやろうみたいな雰囲気もあって、補強トレーニングとかみんなでプラスアルファで頑張るような元気な雰囲気はあると思います。
――注目ポイントはどこですか
髙田 ねばれるかどうか見てください。
勝又 他の大学の人とかに「早稲田前半だけだから」って言われることがあるんですが(笑)。中盤にも繋がるスタートに切り替えて、早大は前半だけじゃないというところを見せる大会かなと思っています。
――インカレでの目標をお願いします
中尾 目標は優勝です。立命大がいるにしろ、いないにしろ狙ってるのは優勝というのは変わらないので、全日本での立命大との差を埋められるような完成度に持っていきたいなと思います。
――今年の部の全体の雰囲気はいかがですか
中尾 1年生で未経験の女子が入ってきたのですが上達が早くて、他の部員も刺激もらってるかなという感じです。

右から髙田、中尾
漕艇部での4年間
――4年間振り返って、部活を辞めたいと思ったことはありますか
髙田 私はきつかったことを忘れちゃうタイプなので、今振り返ると嫌な思い出だったなって感じはあんまりないんです。でもちゃんと思い返してみると、喜んだ記憶とかよりも圧倒的に苦しんだ記憶の方が多いので、ボート楽しいなというよりは、悩みながら苦しみながら漕いでたなというのは正直思います。でも、特に大学に入ってからは、自分がへこたれてるのが恥ずかしくなるくらい、心が強い部員が本当に多くて。ちょっとへこんでいるときでも、みんなが頑張ってるのを見て頑張らなきゃというふうにすぐ思わせてくれました。そういう点では本当に辞めようと思うタイミングはなかったですね。
中尾 辞めたいというほどのことはあんまりなかったかなって思うんですけど、4年間の中でケガで漕げない期間が冬の時期に多くて、周りがエルゴとかでトレーニングを積んでいる中で、バイクしか漕げなかったりとか。このまま続けて、いつ治るんだろうみたいな気持ちになったりしたことはあったんですけど、実際みんなが頑張っているの見て、自分もまた漕げるようになった時に、みんなと頑張りたいなという気持ちで、頑張れたかなという風に思ってます。
勝又 私はそのコックスなので、筋肉を使うとかいうポジションではないので、きついって感じるところが違うのかなって思うんですけど、コックスはこうグサグサと心に刺さるきつさがありました。ひねくれてた時は、悪意のない人の言葉であったり、コックスの人たちも頑張ってるのに怒られるみたいなときに、ポジション的に生きづらいなと思ってきつかったです(笑)。そういう時期はあったんですけど、辞めたいとは思わなくて。きついことはあるけど大会が終わったときなどに部全体を見て、やりがいを感じる部分はありました。
――ボート部ここ最高だったというところはどこですか
髙田 みんなボート嫌いとか言いながら、多分みんな自分を追い込むの好きで(笑)。きついメニューやろうよって言ったら、みんなでやってくれるし。それをなんだかんだ楽しみながらできちゃうのは今じゃないとできないことなのかなって思うので、ある意味楽しかったなという風に思います。
中尾 私は同期に恵まれてたかなという風に思っていて、みんな自分も持ってるけど、ちゃんとまとまって頑張ってこれたかなというのがあるので、みんなと同期になれてよかったなって思ってます。
勝又 私も好きなのは髙田が言ってたように、きついはずの練習をめっちゃ笑いながらやってるみたいな(笑)。ちょっとみんな多分Mなんですよ。Mじゃないとか言いながら、実際男子も女子もみんなMで、きついのを楽しんでるみたいな雰囲気はすごいいいなと思います。水上でピリピリしてる雰囲気の静かな大学もある中で、早大女子は髙田を中心にすごく明るくて、コックスのコールに対してもすごい返事をしてくれたり、お互いに声掛け合っていい雰囲気で常に練習できていて、そういうところは早大のいいところだと思います。
――漕艇部での4年間で得たものを教えてください
勝又 4年間で得たものはいい意味でも悪い意味でも、人生って本当に厳しいなというのを学びました。どうしようもないことって自分の力ではどうしようもないんだなって。その中で客観的に考えられるようになったというか、感情だけで動かなくなった部分はあると思います。 大学1年の時は尖っていたんですが、学年を重ねるにつれて、冷静に物事を考えられるようになったというのは人として成長できたのかなって思いました。
髙田 私も中尾と同じですごく同期のことが大好きで。人として尊敬できる人たちと一緒に4年間活動できたことです。これからいろんなことあると思うんですけど、悩みが相談できる人たちと出会えたというのはすごく良かったなという風に思っています。私が1年生で入部した時はすごい選手しかいない部活で、最初入った時はこの中で大丈夫かみたいな感じだったんですけど、みんなと一緒に頑張っていく中で、自分もちゃんと早大の戦力としてみんなと一緒に戦えるような選手に成長できたのかなという風に思うので、頑張ったら頑張った分だけ、ちゃんと強くなれるという自信になりました。
中尾 私もさっき言ったみたいに、出会えて良かったと思える同期と一緒の環境で、4年間ボートという一つのことに取り組む時間を過ごしたのは、自分の人生の中できつい時頑張っていける糧になると思います。
――インカレへの意気込みをお願いします
勝又 次の大会がラストという実感は今まだあまりないですが、何よりも家族に恩返しがしたくて大学で続けることを選んだので、全力で支えてくれている家族に喜んでほしいというか、応援してよかったなって思ってもらえるようなレースにできたらいいなと思っています。
髙田 今まで大学では日本一を取ったことがなくて、準優勝とかなかなか優勝というところに届かなかったので、4年生の最後でちゃんと結果を残して、笑って終われるようにしたいなと思います。あと、去年女子の総合優勝を逃してしまったので、女子部全体としてそこは絶対に逃しちゃいけないところだと思っているので、女子部全員で一致団結して頑張りたいです。
中尾 私は社会人で続けるという選択をしたので、ボートから離れるというわけではないんですけど、早大としての最後のレースというところには気持ちが強いです。私も日本一になったことがなくて、この部でなら日本一に近づけるんじゃないかなって思ってこの部を選んだので、この部で日本一になって引退したいなという風に思っています。あとそれ以上に今年は私は主将を務めさせていただいているので、この部としての結果もすごく重要だと思っているので、さっき髙田が言ってくれた総合優勝もそうですし、全員で得点を取るというところに向かってこれから、自分のクルーだけじゃなくて、他のクルーも一緒に盛り上げていきたいです。
――ありがとうございました!
(取材・編集 冷水睦実)

◆中尾咲月(なかお・さつき)(※写真左)
女子部主将。三重・津高出身。スポーツ科学部4年。引退したあとの予定はまだ立てていないという中尾主将。今年海に行けていないのでいち早く海には行きたいそうです。
◆勝又真央(かつまた・まお)(※写真上)
コックス。東京・小松川高出身。スポーツ科学部4年。勝又選手は引退後は整体師の資格をとったり、部活を気にせず授業を詰め込んだりとやりたいことがたくさんあるそうです。
◆髙田涼花(たかだ・すずか)(※写真右)
静岡・浜松西高出身。社会科学部4年。引退後は車の免許をとって車で遊びに出かけたいという髙田選手。遊びたいとは思っていますが、2、3週間遊んだら満足してしまいそうと話していました。