3月29日から始まったUCLAのスプリングプラクティスに、先発ポジション奪取を目指して臨んでいるC庄島photo: KIYOSHI MIO米国カレッジフットPAC12の名門、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で日本人初のメジャーカ…

3月29日から始まったUCLAのスプリングプラクティスに、先発ポジション奪取を目指して臨んでいるC庄島

photo: KIYOSHI MIO

米国カレッジフットPAC12の名門、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で日本人初のメジャーカレッジ先発OLを目指してスプリング・プラクティスに臨んでいる庄島辰尭(しょうじま・たつあき/通称:ジオ)。米国高校でプレー後、都立西高に編入し1シーズンプレー。2012年U19日本代表を経て、ジュニアカレッジのサンタモニカ大に入学。2年間プレーした後にUCLAに編入し、昨年1年間はレッドシャーツ(練習生)として過ごした庄島の経歴は、メジャーカレッジでの先発、そして、夢のNFL挑戦を見据えた道のりだった。

いよいよスタートラインに立った庄島に、これまでの経歴と4月23日に春季練習の集大成として行われる『スプリング・ショーケース』(紅白戦)に向けた意気込みを聞いた。

−−UCLAでプレーをすることはいつから目標にしていましたか?

庄島 高校時代から視野には入れていましたがサンタモニカカレッジへ進学した頃から本格的に編入先として考えるようになりました。

−−子供の頃ブルーインズにどんな思い入れを持っていましたか?

庄島 ロサンゼルスの高校フットボール選手は必ずUCLAの選手になることに憧れます。僕もカレッジフットボールに興味を持つようになってからはUCLAの試合をローズボウルスタジアムに見に行ったり、選手を研究したりしていました。

−−フットボールはいつから始めましたか?

庄島 フットボールは高校1年生(14歳)から始めました。

−−レドンド高校でプレーした後、都立西高でプレーをしましたが、これはどういった理由からでしたか?

庄島 9歳からアメリカで育ったので日本の学校にも行ってみたいと思っていました。西高は伝統校だと聞いてぜひ入部させてもらえればと思いました。素晴らしい先生とチームメイトに恵まれて関東大会まで行けて幸運でした。

−−日本の高校フットボールで学んだことで、今、フットボール選手として役に立っていることはありますか?

庄島 日本の高校フットボールで学んだ基礎への忠実さと集中力は今の自分にもいきています。

−−高校卒業後、サンタモニカ大に進んだのは何故ですか?

庄島 4年生大学の控え選手として数年を過ごすより、まずはより出場機会の多いジュニアカレッジで自分を2年間磨きたいと思いました。サンタモニカカレッジは学業面の評価が高く、アメリカンフットボールチームのレベルも高かったので高校卒業後の進学先として選択しました。

−−サンタモニカ大では、どのポジション(C、G、T)をプレーしましたか?

庄島 1年時両GとC、2年時にはCとして出場しました。

−−UCLAへの編入はどんな試験をクリアしなければなりませんでしたか?

庄島 UCLAのアスレティック・デパートメントからプリファード・ウォークオンとしてリクルートされましたが、一般学生として編入の出願もしなくてはいけませんでした。編入にはジュニアカレッジ(JC)の卒業単位数と編入に必要とされる特別な単位の取得、そして一定のGPAが必要でした。

−−JCからのトランスファーの選手は今のブルーインズに何人ほどいますか?

庄島 現在のロースターには僕を含め4人います。

−−2015年はレッドシャーツでしたが、どんな目標を持って過ごしましたか? また、フットボール選手として、大学生として日々、どんなことに取り組んでいましたか?

庄島 毎日の練習でどうやったらレギュラー選手に追いつけるのか、どうやったらコーチやチームメイトから信頼を得られるのか考えながら練習に取り組んでいました。スカウトチームとして練習をする時にはいかに相手チームを再現できるか、パート練習の時にはいかに短い時間で吸収できるかを意識していました。

−−サイズ、フィジカルデータを見ると高校時代よりも随分と大きく(190センチ145キロ)、強くなっているようですが、日々、どのぐらいウエイトトレーニングを行っているのでしょうか? また、サイズやフィジカルデータ(ベンチプレス最大175キロ、スクワット325キロ、デッドリフト257.5キロ)は、チームのOLの中で何番目ぐらいの数値でしょうか?

庄島 チーム全体で行うウェイトトレーニングプログラムは週3回各1時間半ほどですが、それに足して個人で週3回(シーズン中は2回)トレーニングをしています。人数が多すぎて比較できないのですが、自分はまだOLグループの中で中位くらいだと思います。身長2メートルの選手も、ベンチプレス200キロ以上を挙げる選手もいるので、サイズもパワーもまだまだ課題があります。

−−ジオさんと同じ立場(JCから編入し1年間レッドシャーツで過ごした選手は何人いますか?)

庄島 カレッジフットボール界ではとても多いケースです。

−−レッドシャーツの選手がアクティブ・ロースター入りするにはどんなことをクリアしなければならないのでしょうか? また、どんな規準で選ばれるのでしょうか? ベンチ入りの人数の制限や、NCAA、チーム独自のルール等あれば教えてください。

庄島 レッドシャーツの選手も厳密に言うとロースターに入っています。アウェイゲームに連れていける選手の数は70人まで、その中に入るためには試合に貢献できる選手にならなくてはいけません。

−−スプリング・ショーケースはどのようなイベントですか? また紅白戦は選手にとってどんな意味のあるイベントですか?

庄島 スプリング・ショーケースは冬、春と練習してきたことをコーチにアピールし、どれだけ自分がチームに必要か証明する場所でもあり、ファンの方々や家族とつながる貴重な場所でもあります。

−−紅白戦出場への意気込み、どんな結果を残したいと考えているかをお聞かせ願います。

庄島 自分は証明する側の人間で何もポジションを約束されていませんが、焦りや緊張は特になく、落ち着いています。

紅白戦までにやるべき事や出来る事を常に考えてステップ・バイ・ステップでクリアし、紅白戦で良いパフォーマンスを発揮することはとても重要ですが、一番大切なのは9月3日の開幕戦です。その時にチームの心技体が一致しているように準備することが今の目標です。