まさかの準々決勝敗退-。 優勝候補の筆頭、横綱の逆転負けに聖地が震撼しました。 8月18日、夏の甲子園大会の準々決勝第…
まさかの準々決勝敗退-。
優勝候補の筆頭、横綱の逆転負けに聖地が震撼しました。
8月18日、夏の甲子園大会の準々決勝第3試合。大阪桐蔭が下関国際に4-5で敗れ、春夏連敗の夢がついえたのです。
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スポーツ紙のデスクが言います。
「今大会は『大阪桐蔭1強』が我々の見立て。豊富な投手力に、超高校級の打者が並ぶ切れ目のない打線。戦力も選手個々の意識も抜きん出ていて、大阪桐蔭の優勝は信じて疑いませんでした。確かに準々決勝は厳しい戦いを勝ち抜いてきた実力校揃いですから、何があってもおかしくない。それでも『まさか』というのが正直なところです」
勝った下関国際の奮闘には最大限の敬意を表した上で、考えてみたいと思います。
大阪桐蔭は、なぜ負けたのか。
現地で取材を続けるスポーツライターは、その要因に近年、負けている高校に対して終盤に過剰なまでの応援がなされ、球場の雰囲気がおかしくなってしまうと指摘します。
「西谷監督は試合後、『どの試合も、負けているチームを応援する風潮がある』と指摘し、主将の星子も『それだけの練習はやってきたんですけど、手拍子が凄くて、呑まれそうになる』と話していた。『甲子園には魔物が棲む』と言われますが、魔物の正体は下馬評を覆す逆転ドラマが見たいという観客の『欲』です。それが手拍子に変わって、『勝って当然』と見られていた大阪桐蔭を苦しめたのです」
前述のデスクは、甲子園の観客が勝敗に関与することを望み始めたきっかけとして、2つのポイントを指摘します。
「1つは、テレビ朝日の『アメトーーク!』が『高校野球大好き芸人』を特集したことから、甲子園大会の『フェス化』が進んだこと。番組で紹介されたような奇跡の瞬間に立ち合いたい、自分も歴史の証人になりたいという『欲』が芽生えたことです。2点はSNSの普及。甲子園大会を見ながら、誰でもツイッターやインスタグラムに自分の意見を書き込み、シェアできる世の中になった。すると観客自身が『ドラマの当事者』になりたいという、これまた『欲』が出てきたんです。本来なら、高校球児が主役であるはずなのに…」
両校が研ぎ澄まされた技術と意地をかけて、最後まで全力でぶつかる。敵味方関係なく、そんな姿に惜しみない拍手を送る。かつての甲子園はそんな温かい『舞台』であったはずです。
選手たちが脅威を感じてしまうような客席は、果たして『あるべき姿』と言えるのでしょうか。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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