卓球のTリーグ初の個人戦とパリ2024オリンピック日本代表の国内選考会を兼ねた「TリーグNOJIMA CUP 2022」(トッケイセキュリティ平塚総合体育館)が8月13、14日に開催され、男子は張本智和(琉球アスティーダ)、女子は早田ひな…

 卓球のTリーグ初の個人戦とパリ2024オリンピック日本代表の国内選考会を兼ねた「TリーグNOJIMA CUP 2022」(トッケイセキュリティ平塚総合体育館)が8月13、14日に開催され、男子は張本智和(琉球アスティーダ)、女子は早田ひな(日本生命レッドエルフ)が優勝。選考ポイントとして25ポイントが付与され、優勝賞金100万円を獲得した。

 張本と早田の優勝は今年3月に開かれた第1回選考会と同じ顔ぶれ。

 また、準優勝の吉村真晴(琉球アスティーダ)、平野美宇(木下アビエル神奈川)は20ポイントを獲得。3位の吉山僚一(岡山リベッツ)と木原美悠(木下アビエル神奈川)は15ポイントを獲得した。

 一方、女子の優勝候補筆頭と見られていたTリーグ初参戦の伊藤美誠(スターツ)は初日の準々決勝で芝田沙季(日本ペイントマレッツ)にゲームカウント3-4で競り負け、今大会をベスト16で終えている。

■男子決勝
張本智和 4-0 吉村真晴
12-10/11-3/11-7/11-4

■女子決勝
早田ひな 4-1 平野美宇
8-11/11-5/12-10/12-10/11-4

■男子3位決定戦
吉山僚一 4-1 森薗政崇
12-10/11-9/11-8/9-11/11-8

■女子3位決定戦
木原美悠 4-0 芝田沙季
11-6/11-9/11-4/11-6

※4位以下のパリ2024オリンピック日本代表候補選考ポイント
4位=10ポイント、ベスト8=5ポイント、ベスト16=3ポイント、ベスト24=1ポイント
※出場選手は男子16人、女子32人

 男子優勝の張本は1回戦で15歳のホープ松島輝空(木下マイスター東京)、準々決勝で全日本王者の戸上隼輔(明治大学)、準決勝で岡山リベッツキャプテンの森薗政崇を破り決勝へ進出。

 決勝では今年9月開催予定で延期となったアジア競技大会日本代表の吉村真晴と対戦し、圧巻のストレート勝ちで頂点に立った。

 負けた吉村が「強すぎて手も足も出なかった」と完敗を認める張本は、「何としても優勝したかった。パリオリンピックの選考も兼ねているので、第1回選考会のように向かっていく気持ちを思い出して戦った」と試合直後。

 まだ硬さがあったという戸上との準々決勝を引き合いに出し、「(戸上との)厳しい試合で逆転勝ちしたことで、今日は吹っ切れて試合ができた。(大会を通じて)尻上がりにいいプレーができた」と満足そうに語った。

 一方、女子の決勝は激しいぶつかり合いに。

 同い年のライバルである早田と平野の対決はフォアハンドの連続攻撃などで第1ゲームを奪った平野に対し、第2ゲーム以降、じわじわと追い上げた早田が4ゲーム連取の勢い。

今春から徐々に調子を上げてきている平野も反撃に出るが及ばず、早田がゲームカウント4-1で勝ち切った。

「試合の流れというより1本1本に集中して試合ができた。終わってみれば4-1だった」と振り返るTリーグ個人戦初代チャンピオンの早田。

1ポイントの取り方にこだわるようになったきっかけは、7月に開かれたヨーロピアンサマーシリーズ・WTTチャンピオンズで陳夢(中国)に競り負けた女子シングルス準々決勝であることも明かした。

 また、試合直後の勝利インタビューで優勝の喜びを誰に一番伝えたいかとたずねられた場面では、「いつもは仕事で大会に来れないけど、今日は会場のどこかで応援してくれているお父さんに一番伝えたい」と言い、「お父さん、優勝したよー」と手を振る姿がより大きな喝采を浴びた。

 パリ2024オリンピック日本代表を目指す選手たちは次回、福岡県福岡市(会場:アクシオン福岡)で9月3、4日に開かれる第2回選考会で再び火花を散らす。


(文=高樹ミナ)