カナダラジオ局でMVPレース激論 米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平投手は今季、ベーブ・ルース以来、104年ぶりの2桁勝利&2桁本塁打を達成した。二刀流で活躍を続けているが、カナダのラジオ局ではア・リーグのMVPレースについて激論。大谷ではな…

カナダラジオ局でMVPレース激論

 米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平投手は今季、ベーブ・ルース以来、104年ぶりの2桁勝利&2桁本塁打を達成した。二刀流で活躍を続けているが、カナダのラジオ局ではア・リーグのMVPレースについて激論。大谷ではなく、ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手を推す識者は「意味ある試合をしているチームでプレーしている選手にあげたい」と持論を展開した。

 大谷は9日(日本時間10日)の敵地アスレチックス戦で、投げては6回無失点5奪三振、打っては25号本塁打を含め3打数2安打1打点と躍動。自身メジャー初の10勝目をマークした。歴史的なシーズンを過ごしているが、カナダのラジオ局「CJCL」の番組「ブレア&バーカー」では、ア・リーグMVPレースの話題に。同番組ホストのジェフ・ブレア氏は大谷について「言ってしまえば意味のないチームで、二刀流をやっているだけだ」と指摘した。

 一方で、ともに同番組のホストを務める元MLB選手のケヴィン・バーカー氏は「彼はベーブ・ルース以来のことをやっている。10本塁打に10勝。勝利には意味がある。二刀流になると途端に意味がなくなるのか?」反論。ブレア氏は「じゃあ聞くが、彼はサイ・ヤング賞を獲れるのか?」と聞き返し、バーカー氏が「いいや」と答えると、このように持論を展開した。

「だろ。彼の能力を測り、サイ・ヤング賞を受けるという意味では投手の勝利記録は関係ないじゃないか。でもMVP受賞の信任を得るには役立つだろう。それは理解している。MVPをどう評価するか次第だから。ただ自分は、2012年あたりから重要な試合をしていないチームでプレーしている選手よりも、意味ある試合をしているチームでプレーしている選手にあげたい」

MVPにジャッジを推す理由は「ヤンキースからジャッジを抜いたら…」

 エンゼルスが最後にポストシーズンに進出したのは2014年で、ロイヤルズに3連敗して敗退している。ブレア氏は、長年低迷が続くチームでの個人成績は評価していないようだ。それでも、バーカー氏は「ブラディミール・ゲレーロJr.は昨季、最後まで意味のある試合をしていたが、MVPを受賞したか?」とチクリ。打率.311、48本塁打、123打点と大爆発したブルージェイズの主砲の“前例”を挙げた。

 ブレア氏は「アーロン・ジャッジは60本塁打打つぞ。彼がMVPを受賞しないわけがない。ヤンキースでプレーしているのだし」と断言。バーカー氏が大谷の二刀流選手としての価値を強調する中、ブレア氏は「ヤンキースで60本塁打を打って地区優勝したら、彼(ジャッジ)がMVPを受賞しない訳がない」と話し、こう続けた。

「こう見てみようじゃないか。エンゼルスからショウヘイ・オオタニを抜いたらどうだ? 彼らはより良いチームになるか? それともより悪くなる? ヤンキースからジャッジを抜いたら? それでも71勝で地区首位か? そんなわけがない! 自分にとっては簡単な投票だよ」

 2季連続でのMVP受賞となれば、ア・リーグでは2012年と13年に受賞しているタイガースのミゲル・カブレラ内野手以来。二刀流の活躍でMVP受賞レースが熱を帯びてきているようだ。(THE ANSWER編集部)