ホンダとレッドブル双方の育成ドライバーで、今季FIA-F2選手権に初参戦している岩佐歩夢が現地24日、フランス・ポールリカール戦のレース2(Feature Race)で初優勝を飾った。岩佐歩夢(いわさ・あゆむ)は2001年9月生まれの現在2…

ホンダとレッドブル双方の育成ドライバーで、今季FIA-F2選手権に初参戦している岩佐歩夢が現地24日、フランス・ポールリカール戦のレース2(Feature Race)で初優勝を飾った。

岩佐歩夢(いわさ・あゆむ)は2001年9月生まれの現在20歳。鈴鹿サーキットレーシングスクール フォーミュラ(SRS-F、現・Honda Racing School Suzuka=HRS鈴鹿のFormulaクラス)出身で、現在はホンダとレッドブル、双方の育成プログラム所属選手となっている日本期待の新星だ。

2020年にフランスF4選手権、2021年はFIA-F3選手権を戦った岩佐は今季、F1の登竜門として知られるFIA-F2選手権にステップアップした(DAMSチームからの参戦)。フランス、ル・キャステレ(Le Castellet)のポールリカール・サーキットで開催された第9戦(F1フランスGP併催)の予選で2位となった岩佐は、予選順位ベースで組まれたスターティンググリッドから戦うレース2、「Feature Race」でF2初優勝を飾る。

(*レース1の「Sprint Race」は予選トップ10がリバース配置されたグリッドから競われる短距離戦。Feature Raceの方が距離が長く、ルール的にドライ時は、異なるスペックのドライタイヤに交換するためのピット作業も含まれる戦いになる。シリーズポイントの配点もFeature Raceの方が大きい)

レース2(路面ドライ)、スタート直後の攻防では、2番グリッド発進の岩佐はポールポジションの選手の前に出ることには成功するも、後方からダッシュを決めた選手に先行され、プラスマイナスゼロの2番手に。しかし1周目のうちにトップに立つと、その後はタイヤ交換タイミングのズレ以外では首位を譲らぬ完勝劇を演じてみせた。

岩佐歩夢のコメント
「優勝はすごく嬉しいとともに、これまで悔しい思いをたくさんしてきたので、少しホッとしたという気持ちもあります。勝てるポテンシャルがあるのに、なかなか結果が出なかった悔しさは、これまで経験のないくらいのものでしたし、自分もチームもやるべきことをちゃんとやればこの位置にいられるということを示せたのも、とても良かったと思います」

「スタートはあまり良くなかったのですが、焦らずに狙いを決めて1周目にトップをオーバーテイクできたことが大きかったと思います。その後はタイヤマネージメントに気をつかいすぎることなく常にプッシュの状態でしたが、タイヤに問題はなく、ペースもずっと良かったので、いいマシンに仕上げてくれたチームに感謝しています」

「全体としては、マシン、ドライビング、ピット作業など、ほぼすべてが完璧なレースで、チームと自分が実力で勝ち獲った優勝だと思います。しかしまだ改善すべき点もありますし、『この流れを大切にして今後も結果を出していかなければならない』と、あらためて気合いを入れ直して頑張ります」

FIA-F2での日本人ドライバーの活躍といえば、現在はF1で戦っている角田裕毅が2020年にシリーズ3位となり、翌年のF1デビューへとつなげていったことが記憶に新しい。鈴鹿のスクール出身で、ホンダとレッドブルのサポートを受ける、という点も角田と同様のバックボーンである岩佐には、今後F2でのさらなる躍進が期待される(第9戦終了時点で岩佐はランキング9位。今季は残り5戦=10レースの予定)。