昨年7月から長期欠場していた大石真翔が1年ぶりに7.24後楽園ホールで復帰戦を行うことが決定。今回は準烈結成のいきさつや解散を決意した思い、そして復帰戦について。 <(2)はこちら> ――2018年5月に大畠美咲さんとご結婚され…

昨年7月から長期欠場していた大石真翔が1年ぶりに7.24後楽園ホールで復帰戦を行うことが決定。今回は準烈結成のいきさつや解散を決意した思い、そして復帰戦について。

<(2)はこちら>

――2018年5月に大畠美咲さんとご結婚されましたね。ご家族のYouTube「みこまこチャンネル〜ふぁいてぃんぐ・ふぁみりぃ〜」ほのぼのしていて好きです。特にお姉ちゃんが弟にブランケットを掛ける動画、何回も見ちゃいます。

大石:ありがとうございます。僕が子供達を寝かしている間に奥さんが編集作業をしてくれます。

昨日より今日、今日より明日愛情が増えていく。みんなに観て欲しいですね、親バカですけど(笑)。

――2020年2月、秋山準選手のDDT参戦が決まりました。その後、大石選手がリーダーとなり「準烈」が結成されました。これはどのような経緯があったのでしょうか?

大石:コロナの自粛期間、DDTは配信を行っていました。僕は上の子が生まれたばかりで自宅待機中。ある日、ネットで「秋山準ゲストコーチ就任」のニュースを見ました(笑)。

――所属選手がネットニュースで知ることがあるんですね(笑)。

大石:ありましたね(苦笑)。ただ秋山さんが指導するのは若手のみ。自宅待機期間を終え復帰が決まった時、「自分は若手ではないけど、秋山準の王道プロレスに触れたい」と思いました。僕の師匠・MEN'Sテイオーは学生時代にジャイアント馬場さんに教わったことがある。ということは「自分にも王道の血が流れている」と勝手に思い込んでいます。

「俺も秋山準から王道の教えを受けたい!」と思い2020年6月の「DDT TV SHOW!#6」で秋山さんに直談判しました。それで秋山さんとのシングルマッチが決まりました。試合には敗れたけど秋山さんが「一緒にやろうぜ」と言ってくれて渡瀬瑞基、岡谷英樹と一緒に「準烈」が結成されました。

ただ練習する時、秋山さんから直接指導を受けることは少ないです。「一緒にコーチングをしてほしい」と言われ、秋山さんのコーチングをサポートしています。ですから若手に教える秋山さんの姿を見て学んでいます。

――その準烈も2021年10月に解散しました。これは大石選手が決めたことですよね。

大石:昨年7月、腰を負傷し僕は「準烈」のリーダーなのにリングに上がれなくなった。診断の結果、復帰に一年以上かかると言われました。渡瀬や岡谷に「大石さんが戻れる場所『準烈』を守る」と思ってほしくなかった。もし僕の欠場中に渡瀬や岡谷にやりたいことができたら、準烈が足かせになってしまう。怪我で欠場中の僕には若い渡瀬や岡谷にしてあげられることがない。だから厳しい言い方だったけど「KO―D8人タッグ王座を獲得できなかったら解散しよう」と提案した。

その後、渡瀬はガンバレプロレスに移籍し岡谷はEruptionに加入。それぞれ団体やユニットで名前を上げてきている。結果的に良かったと思います。

――渡瀬選手も岡谷選手も覚醒した気がします。

大石:レスラーとして成長しています。ただ「準烈」という名前を手放すのは惜しかったですね。本家「純烈」のファンの方もたくさん応援してくれたから。

――ところで復帰に向けて練習はいつから始めましたか?

大石:本格的な練習は6月からスタートしています。それ以前は背中に金具が入っていたので、感覚を忘れない程度に軽めの受け身をしていました。

6月の頭に金具を取る手術をして3週間は絶対安静、6月下旬から動き始めました。現在は受け身も問題ないですね。

――ここで気になるのは大石選手が復帰後、「どのユニットに所属するのか問題」です。

大石:DDTはリング上の流れが早い。欠場前、フェロモンズはなかったですから(苦笑)。「フェロモンズに加入するの?」とか「やっぱりバーニングでしょう?」とか色々な声が耳に入ってきます。ただ自分がリング上でどこまで出来るか分からないので、ハッキリとは言えないです。練習と試合は違います。秋山さんから「ちょっとずつやらないとダメだ。やれると思ってもやっちゃダメ、やってみて出来たらやりなさい」とアドバイス頂きました。

――ユニットに関して大石選手はフェロモンズでもバーニングでも面白いと思います。

大石:それ以外にもEruptionやDISASTER BOXもある。僕がいない間に新しいユニットが2つ出来きました。でもまずリングに上がってからですね。

――その復帰戦は7.24後楽園ホール。平田一喜選手と組んで彰人選手、石田有輝選手とタッグマッチで対戦します。

大石:平田と彰人は気心が知れた2人。DDTに上がって11年、ずっと試合してきた仲間。そこに初対戦の石田が加わる。早く石田に触れたくてしょうがないんですよ。

――休んでいた1年間、客観的にリングを観て「早く復帰したい」と感じましたか?

大石:不思議となかったです。ただD王GPの秋山準vs火野裕士戦、同じくD王GPの遠藤哲哉vs上野勇希戦。この2試合を見て「こんなすごい試合をしている団体のリングに俺は上がってない」と悔し涙がでました。

そして今年2.14新宿FACEのアイアンマンヘビーメタル級選手権5WAYマッチ。大鷲透さんやアントーニオ本多が出場した試合。これが最高に面白すぎて「悔しい、この中に入れないなんて悔しい」とやっぱり涙がでました。

僕は今試合を見るしかない。雑用をこなしながら、ふとした瞬間にリングに目を向けると涙腺に触れる試合が行われている。「俺がこのリング上にいたら…」とか「こんなに面白いDDTという団体がある。この団体にいるのに俺は試合に出られないんだ」と考えましたね。

あと6月のCyberFight Festival 2022の時、遠藤の試合を観て「こんな時に俺は試合ができない」と涙が溢れてきた。それで「早く復帰しなきゃ」と思ったんです。

――そういった思いを1年ぶりにリング上でぶつけることができますね。最後に復帰戦に向けての意気込みをお願いします。

大石:休んでいた約1年間、WRESTLE UNIVERSEのブースで会員の方に特典を渡し続けました。「大石さん頑張って下さい」「大石さん待っています」と言って下さったファンの方にやっと恩返しができます。

そして1年前怪我した時、「辞めろ」や「引退しろ」と一言も言わなかったDDTの選手。本当に誰1人、口にしなかった。こんなポジティブな選手に囲まれていたから1年間やってこられた。

「いつ復帰するの?」「いつから出来るの?」と言われたら「いつからやろう」としか考えない。もし1人でも「辞めるの?」と言う人がいたら「そうですよね…」とネガティブに捉えていたかもしれない。そのDDTの選手やスタッフに恩返しができる。

そして家族ですね。欠場中に下の子が生まれた。生まれた時、腰が痛くて抱っこすることができなかった。復帰が決まってから僕の練習時間を増やしてくれた奥さんに感謝しています。いつも以上に負担が多くなったはず。子供も遊びたいのを我慢してくれた。とにかくみんなに感謝です。復帰戦は僕を支えてくれた方々全てに感謝の気持ちを伝える試合にしたいと思います。
<おわり>

<インフォメーション>
7.24後楽園ホール「Summer Vacation 2022」で1年ぶりに大石真翔がリングに帰ってくる。また遠藤哲哉選手の復帰戦やDDT UNIVERSAL選手権試合 王者・高梨将弘vs挑戦者・岡田祐介戦も行われます。

詳細はDDTプロレスリング公式サイトをご覧ください!
なお試合は動画配信サービスWRESTLE UNIVERSEで配信されます。

大石真翔 Twitter
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取材・文・編集/大楽聡詞
写真提供/DDTプロレスリング