WTT夏の3連戦「ヨーロピアンサマーシリーズ2022」の第1弾「WTTスターコンテンダー」<7月11〜17日/ブダペスト>が13日から本戦に入る。本戦初日のみどころは混合ダブルス1回戦の日本勢対決だ。東京2020オリンピック同種目で金メダル…

WTT夏の3連戦「ヨーロピアンサマーシリーズ2022」の第1弾「WTTスターコンテンダー」<7月11〜17日/ブダペスト>が13日から本戦に入る。

本戦初日のみどころは混合ダブルス1回戦の日本勢対決だ。

東京2020オリンピック同種目で金メダルの伊藤美誠(スターツ)が新たにペアを組んだ宇田幸矢(明治大学)と、世界卓球2021ヒューストンで銀メダルや6月のWTTコンテンダーザグレブ優勝の張本智和(IMG)/早田ひな(日本生命)ペアがいきなりぶつかる。

両ペアはWTTコンテンダーザグレブの準決勝でも当たり、軍配はゲームカウント3-1で張本/早田に上がった。今回はペア結成から2戦目の"うだみま"ペアが反撃なるか。注目の一戦だ。

 3種目に出場する伊藤は女子シングルスとダブルスでも優勝を狙う。WTTコンテンダーザグレブでは2冠を果たした伊藤だが、今回は中国が立ちはだかる。

女子ダブルスではトップシードに孫穎莎/王曼昱ペアがおり、第2シードの伊藤/早田ペアとは決勝まで当たらない組み合わせだ。互いに勝ち上がっていけば、"みまひな"ペアにとっては今年3月のWTTシンガポールスマッシュ決勝で敗れたリベンジマッチとなる。

 もう1組、世界卓球2021ヒューストン以来、7カ月半ぶりの国際大会となる石川佳純(全農)/平野美宇(木下グループ)の"かすみう"ペアも楽しみだ。2人は初戦を勝つと2回戦で孫穎莎/王曼昱ペアとあたる厳しい組み合わせだが、この山を越えれば決勝まで一気に駆け上がる可能性は高い。

 ちなみに女子シングルス予選を突破し本戦に上がった平野は、すでに試合コートや台に慣れておりウォーミングアップは完璧だ。

 男女シングルスは久々に中国の1軍選手が揃い見応えのある試合が見込まれる。

男子は世界ランク1位の樊振東が、9月に開幕が迫った世界卓球2022成都に照準を合わせ今大会を回避したと伝えられているが、同2位の馬龍、同3位の梁靖崑の他、王楚欽(WR14)、林高遠(WR20)らが出場。

女子も世界ランク1位の陳夢を筆頭に孫穎莎(WR2)、王曼昱(WR3)、王芸迪(WR4)らが揃った。

 打倒中国に燃える日本勢は男子シングルス2回戦から張本が登場。O.アサル(エジプト)とジャンウジン(韓国)の勝った選手と対戦するが、ジャンウジンが勝ち上がってくると、これが最初の山になるだろう。

両者の対戦となれば、昨夏の東京2020オリンピック男子団体3位決定戦で死闘を繰り広げて以来のこととなる。このときはゲームカウント3-1で張本が勝利し、過去の対戦成績を見ても4勝2敗で張本が上回る。ジャンはしぶとい相手だが張本に分があると言えそうだ。

 もう一人、男子シングルス本戦に出場する宇田は、初戦を勝つと2回戦で強敵の林昀儒(台湾)が待ち受ける。こちらは6勝1敗で林が宇田を圧倒するが、宇田も先月のWTTコンテンダーザグレブ3回戦で林に負けた雪辱に燃える。

 女子シングルスは日本のエース伊藤が王曼イクと同じ山に入った。お互い順当に勝ち上がれば準々決勝であたる組み合わせだ。

孫穎莎と同じ山には早田と平野が入った。平野は1、2回戦を突破すると3回戦で早田と同胞対決。2人はWTTコンテンダーザグレブでも2回戦で同士討ちを演じ、ゲームオールで平野が勝利した。

2回戦から登場の石川はP.ソルヤ(ドイツ)対チャン・リリー(アメリカ)の勝者が初戦の相手。同じく2回戦からの木原美悠(JOCエリートアカデミー/星槎)はポータ(ハンガリー)対マテロバ(チェコ)の勝者と対戦する。


●本戦出場する日本人選手
男子シングルス:張本智和、宇田幸矢
女子シングルス:伊藤美誠、早田ひな、石川佳純、木原美悠、平野美宇
男子ダブルス:宇田/戸上
女子ダブルス:伊藤/早田、石川/平野
混合ダブルス:張本/早田、宇田/伊藤

※男子シングルスで戸上隼輔(明治大学)が予選3回戦、篠塚大登(愛知工業大学)は予選2回戦、丹羽孝希(スヴェンソンホールディングス)と木造勇人(個人)は予選1回戦敗退。女子シングルスは芝田沙季(ミキハウス)が2回戦敗退。

(文=高樹ミナ)