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FIBAアジアカップ2022で日本の初戦の相手となるのがカザフスタンだ。日本との対戦は2018年のワールドカップ予選以来。当時は日本が2連勝している(85-70/86-70)。
カザフスタンはフィジカルの強さを生かしたリバウンドと要所の3ポイントで勝負するチームだ。。2007年にはアジアカップで4位に浮上し、そのポテンシャルの高さにアジアを震撼させたこともある。だが、代表チームを強化している時と、していない時のチーム力の差が激しく、アジアではなかなか浮上できない時期が続いている。
そんななか、この1年のカザフスタンは、これまでにない結束力を見せている。現在進行中のワールドカップ予選では5勝1敗と好調で2次ラウンド進出が決定しており、なかでもイランに2連勝(73-69/68-60)していることは見逃せない。
Window2でのイラン戦は帰化選手の万能型ガード、アンソニー・クレモンズの活躍が勝利のポイントになったが、7月のWindow3ではクレモンズ抜きで接戦を制している。しかもイランの大黒柱であるハメド・ハダディを擁したチームを倒したことで、アジアカップでも要注意チームへと躍り出たといえるだろう。
軸となるのは4年前から変わらず、フロアリーダーでコンボガードの#10ルスタム・ムルザガリエフ(192センチ/30歳)、ウイングとインサイドを兼任する#24ドミトリー・ガヴリーロフ(200センチ/35歳)、#25マキシム・マルチュク(196センチ/28歳)だ。Window3のイラン戦ではムルザガリエフが3ポイント4本を含む26点と大当たりだった。
カザフスタンがイランに2連勝した理由は、ディフェンスの組織力が高まってきたことがあげられる。アジアカップのロスターでは6名がBCアスタナ所属になっているが、直近の21-22シーズンでは7名がBCアスタナでプレーしているため、お互いを分かり合っているのだ。またワールドカップ予選から指揮を執るオレグ・キセレフは今シーズンよりBCアスタナのヘッドコーチとなるだけに、選手たちを熟知していることが強みと言える。
また、近年は3ポイントに力を入れていることにも着目したい。ワールドカップ予選1次ラウンドの6試合では、一試合における3ポイントの平均試投数が日本(36.2本/26.7%)、ニュージーランド(33.3本/30.8%)に次ぐ3位で30.2本。確率は日本よりも上回る32.0%だ。
ただ、イランに2連勝しているカザフスタンだが、ワールドカップ1次ラウンドの最後に落とし穴が待っていた。Window3でイランに勝利した3日後、ホームでバーレーンに51-62で敗戦。出足で13-0、第1クォーターで24-9と圧倒しながらも、第2クォーターにバーレーンの変則的なディフェンスの前にターンオーバーを重ね、そこから走られて最後まで立て直すことができなかった。カザフスタンの弱点は、以前から変わらず連戦によるスタミナのなさとターンオーバーから崩れることにある。
なお、今大会はWindow3とほぼ変わらないメンバーになっているが、7月11日の夜に公式ロスターに名があった主軸のニコライ・バジンの名前が7月12日には消えており、11名になっている。またここ数試合、代表から離れているアレクサンダー・ジグリンと帰化選手のアンソニー・クレモンズら得点源は選出されなかった。これらの選手層を見ると、3ポイントが当たらない場合の得点力は劣る。ただし、直近にバーレーンに喫した手痛い敗戦が、チームを見直すきっかけになることもあり、要注意チームであることに変わりはない。
文=小永吉陽子