関西大学野球の頂点に立った主将は大阪桐蔭“最強世代”メンバー 今秋のドラフト会議に向けて、アマチュア選手たちの“アピール…

関西大学野球の頂点に立った主将は大阪桐蔭“最強世代”メンバー

 今秋のドラフト会議に向けて、アマチュア選手たちの“アピール合戦”も激しさを増している。関西地区では各連盟を代表する精鋭たちが集った大学野球関西オールスター5リーグ対抗戦が6月下旬に3年ぶりに開催され、関西学生野球連盟が12回目の優勝を飾った。

 その選抜チームを主将として牽引したのが、同大の青地斗舞外野手(4年)。2018年に史上2校目の甲子園春夏連覇を達成した大阪桐蔭で2番打者を務め、広角に打ち分けられるバッティング技術と“青地スマイル”と称される朗らかな笑顔が魅力の左打者である。

 試合前に「対戦したい投手」に大経大の最速153キロ右腕・才木海翔投手(4年)を指名していた青地。関西No1投手の呼び声高いプロ注目投手とはオープン戦を含めて対戦機会がなく、1回戦で初対戦が実現した。青地は2点ビハインドで迎えた2回の第1打席で「真っすぐを張っていた」と、直球を叩いてチーム初安打を記録。チームはそのまま勢い付き、延長10回に及ぶ接戦を制した。

プロ入りした同級生から刺激、打撃不振からの復活

 劣勢でも決して失われることのない“青地スマイル”。その源は、ともに“最強世代”として名を並べた元チームメートであり、高卒でプロ入りを果たした柿木蓮投手(日本ハム)、藤原恭大外野手(ロッテ)、根尾昂投手(中日)、横川凱投手(巨人)の4人の存在だ。

「毎日のように活躍してくれていて、それをSNSなどで毎日見ています。もちろん舞台が違うんですけど、学生野球でプロの活躍に負けないように頑張ろうと思っています」と刺激を受ける。今も4人とはインスタグラムのストーリー機能を通し「ツーラリー、スリーラリーくらいなんですけど、反応してくれることがあって、ちょくちょく連絡を取っています」という。

 青地自身、2019年の大学進学後は怪我に苦しみ、成績不振にも陥った。特に昨春のリーグ戦では5試合に出場するも持ち前のバットコントロールは鳴りを潜めて無安打に終わった。しかし、昨秋には25打数13安打と実力を発揮し、2011年秋の勝田直樹氏(立命館大)の記録を塗り替えるリーグ新記録の打率.520をマーク。首位打者を獲得した。

「叶うならば同じ舞台に」同級生から感じるレベルの高さ

 しかし、元チームメートからプロの壁の高さも感じていた。「藤原は早いうちから(1軍の試合に)出てくると思っていました。でも、あれだけ苦しんでいる姿を見ると、やっぱりプロはそう簡単じゃないと思います。もちろん叶うならば(元チームメートの4人と)同じ舞台に立ちたいんですけど、なかなか僕の実力不足もあって、難しいかなと思っています」と現在の心境を吐露した。

 まずは次の戦いへ集中する。同大は2010年春からの4季連続優勝以降、昨年までの19季中15回がBクラス。しかし、青地が主将に就任し、今春は12季ぶりの2位へ躍進した。「春は優勝決定戦まで行って勝ちきれませんでした。『決勝まで行く、そして神宮へ行く』、これを常々チームに言い続けていますので、そこはなんとか達成したいと思います」と秋のリーグ戦優勝を誓った。

 自身の役割についても「劣勢の場面で力を出せる選手であるよう、常々自分に言い聞かせています」という青地。持ち前のスマイルとプレーで、プロ入りした4人も驚く活躍を期待したい。(喜岡桜 / Sakura Kioka)