資生堂レディス初日 国内女子ゴルフツアーの資生堂レディスが30日、神奈川・戸塚CC(6570ヤード、パー72)で開幕した。プロ7年目で早大卒の24歳小野祐夢(ニチコン)が、7バーディー、2ボギーの67で5アンダー。首位に2打差の4位につけた…

資生堂レディス初日

 国内女子ゴルフツアーの資生堂レディスが30日、神奈川・戸塚CC(6570ヤード、パー72)で開幕した。プロ7年目で早大卒の24歳小野祐夢(ニチコン)が、7バーディー、2ボギーの67で5アンダー。首位に2打差の4位につけた。小野は高校卒業後、プロテストに合格。その後、早大人間科学部健康福祉科学科のeスクール(通信制)に入学し、今年3月に卒業した。プロ生活との二刀流を続けながら、昨季はステップ・アップ・ツアー賞金ランク2位で今季ツアー前半戦の出場権を獲得。今大会を含めて残り2試合で決まる第1回リランキングで、中盤戦以降の出場権獲得も目指す。首位には、65の7アンダーで大会レコードタイをマークした43歳の李知姫(アイザック)が立った。

 15番パー4。小野はグリーン奥のラフからのアプローチをチップインし、7つ目のバーディーを奪った。

「残り8ヤードで強めに入った感じでしたが、ピンに当たって『ガシャン』という感じで入りました。ラッキーでしたが、今日は1ホール、1ホールを切ってラウンドできて良かったです」

 好スコアの要因は、パットにもあった。昨季まではショットは良くても、パットに苦労する連続。しかし、ツアー参戦の今季はパットコーチの橋本真和コーチに師事するようになり、最近になって状態が上向いたという。

「リズムを覚えました。コーチから光の動きと音を組み合わせた動画をもらい、そのリズムを頭に叩き込みました。『ヒューン、ヒューン』という音と光の動きに合わせて、ヘッドを引いて出す感じです。今日もスタート前に見て、ラウンド中もそのリズムを繰り返していました」

今春に早大を卒業、卒論のテーマは「ゴルフのパフォーマンスと心理的柔軟性の関連」

 頭を使うことは得意としている。小野は9歳からゴルフに打ち込み、高校卒業後にプロテスト合格。憧れていた大学進学をいったんは断念するも、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)を通じて、早大の受験が可能なことを知って面接、小論文の受験を突破。プロゴルファーと女子大生の二刀流を続けてきた。専門は行動分析学で、卒論のテーマは「ゴルフのパフォーマンスと心理的柔軟性の関連」。自身のプレーにも役立つ研究を進め、5年間かけて今春に卒業証書を手にした。

 だが、そのタイミングで始まったレギュラーツアーの生活は甘くなかった。出場17試合で予選落ち11試合。トップ20入りも果たしておらず、暫定リランキングは50位だ。次週の今季19戦目ニッポンハムレディスクラシック終了時で第1回リランキングがあり、その順位で20戦目の大東建託・いい部屋ネットレディスから新順位が適用される。

 40位以内に入っていれば、中盤戦のツアー出場を確保できる見込みだが、小野は今大会を含めて残り2試合でひと踏ん張りが必要な状況。その立場を踏まえて言った。

「残り2試合はどちらも4日間でポイントが高いので、上位を目指したいです。夏は冬より好きですし、体も慣れてきました」

 頑張り屋の24歳。大学時代の研究も生かし、この勝負時を乗り切る決意だ。(THE ANSWER編集部)