今季初スタメンマスクで大関の2度目の完封をリードした海野■ソフトバンク 3ー0 日本ハム(25日・PayPayドーム) …
今季初スタメンマスクで大関の2度目の完封をリードした海野
■ソフトバンク 3ー0 日本ハム(25日・PayPayドーム)
ソフトバンクは25日、本拠地PayPayドームで行われた日本ハム戦に3-0で勝利した。先発の大関友久投手が4安打無四球無失点の好投で今季2度目の完封勝利。今季初めてスタメンマスクを被った海野隆司捕手は大関を引っ張っただけでなく4回には先制点も叩き出した。藤本博史監督も3年目、24歳の同級生バッテリーの働きを称えた。
貴重な先制点が生まれたのは4回だった。先頭の今宮が四球で出塁し、続く柳町が左前安打で続いた。中村晃の犠打で1死二、三塁となると、打席に入ったのが今季初スタメンの海野だった。2ボール2ストライクと追い込まれてから、2球ファウルで粘っての7球目。外角低めに外れるボールに食らいついた打球は三塁線に飛んだ。
三塁手の野村がキャッチし、本塁へ送球したが、ヘッドスライディングで飛び込んだ今宮の手が本塁に触れた。海野の必死さが詰まった一打が先制点につながった(記録は三塁野選)。さらに三森の犠飛で2点目。この2点が大関にとって大きな援護点になった。左腕は序盤こそ走者を背負ったが、中盤以降は危なげないピッチング。9回まで1人で投げ抜き、今季2度目の完封勝利を飾った。
「まずは勝つこと。勝つためにどういうリードをというか、状況、場面に応じたものをミーティングであったり、試合中のコミュニケーションをしっかりとやろうとしました」と試合後に振り返った海野。大関と試合中もコミュニケーションを取りながら、日本ハム打線をどう攻めるべきか考え、わずか4安打に抑え込んだ。
昨季途中に育成から支配下に昇格し、今季はこれで5勝目となった大関。海野は同期入団で同じ大卒ということもあり、ルーキーイヤーからファームでバッテリーを組んできた。その中で、大関が急成長した“瞬間”を、鮮明に覚えているという。
「真っ直ぐの強さがまず全然変わりましたし、自分が衝撃を受けました」
「1年目から何回か組んではいたんですけど、その中でやっぱり2年目ぐらいから凄い、全然違うなと思いましたね。1年目と比べたら、2年目の印象が凄く強いですね。真っ直ぐの強さがまず全然変わりましたし、自分が衝撃を受けましたね」
海野は東海大時代、侍ジャパンの大学代表にも選ばれており、世代を代表する捕手。一方の大関は仙台大でプレーしていたが、代表でもなければ、チームのエースでもなかった。海野はドラフト2位、大関は育成ドラフト2位でソフトバンクに入団。ルーキーイヤーの印象は強くなかったが、迎えた2年目にボールを受け、その変化に衝撃を覚えた。
海野が感じた通り、大関は大きなステップアップを遂げる。2年目の春季キャンプでA組に昇格すると、ウエスタン・リーグでも結果を残し、5月下旬に支配下登録を勝ち取った。1軍で12試合に登板すると、今季は開幕ローテ入り。この日の完封を含めて、シーズン2度の完封勝利は、ソフトバンクでは2019年の千賀滉大投手以来と、もはやチームの柱と呼ぶにふさわしいだけの活躍を見せている。
海野にとってもこの1試合は大きな意味を持つ。チームには正捕手の甲斐拓也捕手が在籍し、今季は若い渡邉陸捕手が2打席連続本塁打を放つなど、強烈なインパクトを残した。甲斐から正捕手の座を奪うことを目指す海野と渡邉陸は仲間であり、ライバル。そんな後輩の活躍を素直には喜べなかった。
後輩の渡邉陸の活躍に「自分の中でも悔しいなっていうのがあった」
「正直、陸がああやって打って活躍したっていうところで、自分の中でも悔しいなっていうのがありました。でも、そこを意識してしまうと、逆にいいところを見せなきゃいけないなっていうのがあったんで、とにかく自分の今やるべきことは何なのかっていうのをしっかり考えながら、という気持ちですね」
現在の立ち位置は2番手捕手。現在ファームで経験を積んでいる渡邉陸が3試合でスタメン起用されているのに対し、海野は今日が初スタメン。ただ、いつやってくるか分からないチャンスに備えて、準備は怠らなかった。
「試合間隔が空くと、ピッチャーの球を見られないということがあるので、なるべくブルペンに捕りに行ったりしていた。しっかり準備しておかないと、いざ後半に出るとなった時に凡ミスとかしていたら話にならないですし、ピッチャーの球を受ける、コミュニケーションをとるという準備は1番大事にしています」
その準備が実を結んだのか、今季初スタメンは完封勝利という最高の形になった。しかも自らの一打で決勝点も生んだ。「大関はすごくいいピッチング、今年イチのピッチングしてくれたんじゃないかなと思います。(海野は)何とか1点欲しいところ、三振だけはしないで欲しいっていうところで食らいついて泥臭い1点を取れた」。藤本監督からも称賛の言葉を送られた。
試合後にはプロ入り初のお立ち台にも上がった。なぜかプロテクターとレガースを着けたままで……。壇上では「初めてのお立ち台なので、これが普通なのかなと着けてきました」とボケたものの、「松田さんにやれ、と……」と大ベテラン松田宣浩内野手の仕業。しっかりとヒーローインタビューでも爪痕を残していた。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)