プロ野球「世代別」ベストオーダー〜KK世代編 KK世代(1967年4月2日〜68年4月1日)は、桑田真澄、清原和博の「K…

プロ野球「世代別」ベストオーダー〜KK世代編

 KK世代(1967年4月2日〜68年4月1日)は、桑田真澄、清原和博の「KKコンビ」が1983年にPL学園(大阪)で1年夏から「エース」と「4番」として大活躍して以来、四半世紀という長きにわたって野球界で圧倒的な存在感を示してきた"稀有な世代"である。「KKコンビ」のほかにも、大学や社会人を経由してプロ入りし大活躍した選手が多いという特徴がある。そこでスポルティーバが独断と偏見で「KK世代」のベストオーダーを組んでみた!



プロ通算173勝を挙げた桑田真澄

巨人の大エースに無双の大魔神

【先発】桑田真澄(巨人、パイレーツ)

 先発陣は桑田をはじめ、佐々岡真司、野田浩司、渡辺智男の名前が挙がる。そのなかでもPL学園時代に前人未到の甲子園通算20勝を達成し、プロ入り後も世代ナンバーワンの勝利数173を誇る桑田をエースに推したい。ピッチングだけでなく、ゴールデングラブ賞8回が示すようにフィールディングも屈指。また、1994年の巨人と中日の「10・8決戦」での気迫あふれるピッチングは、ジャイアンツファンの心を熱くした。

NPB通算成績:442登板/173勝141敗14セーブ/防御率3.55
MLB通算成績:19登板/0勝1敗/防御率9.43

【中継ぎ】河本育之(ロッテ、巨人、日本ハム、楽天)

 田布施工高(山口)時代は軟式野球部に所属し、3試合連続ノーヒット・ノーラン、1試合24奪三振など、数々の記録を打ち立てた快速左腕。社会人野球の新日本製鐵光に入社後から硬式野球を始め、都市対抗出場に貢献した。

 1991年にドラフト2位でロッテに入団し、1年目から19セーブを挙げるなど活躍。その後も成本年秀とのダブルストッパーなど、長きにわたりロッテブルペンを支えた。その後、巨人、日本ハム、楽天でもプレー。通算95セーブをマークした。

通算成績:500登板/36勝43敗95セーブ/防御率3.57

【抑え】佐々木主浩(大洋、横浜、マリナーズ)

 抑えは佐々木主浩で決まり。東北高校(宮城)時代から大型右腕として注目され、甲子園でも活躍。高校卒業後は東北福祉大に進み、1989年のドラフトで大洋(現・DeNA)に入団。当初は先発での登板もあったが、抑えに転向してからは150キロを超すストレートとフォークを武器に "ハマの大魔神"として無双を誇った。

NPB通算成績:439登板/43勝38敗252セーブ/防御率2.41
MLB通算成績:228登板/7勝16敗129セーブ/防御率3.14


22年の現役生活を日本ハム一筋で過ごした

「ミスター・ファイターズ」田中幸雄

破壊力抜群のクリーンアップ

1番・センター/内匠政博(近鉄)

 桑田真澄、清原和博の"KK"を含めて5人がプロ入りしたPL学園にあって、内匠は晩成型の選手だった。2年夏までベンチ入りすることはなかったが、2年秋の新チーム結成と同時に「1番・センター」に抜擢されると、攻守にセンス溢れるプレーを見せ、3年夏の日本一に貢献。その後、近畿大、日本生命でも日本一を経験した。

 1992年にドラフト3位で近鉄入り。俊足・巧打のプレーヤーとして4年目までは準レギュラーとして活躍したが、最後まで定位置獲得とはならなかった。現在はオリックスのスカウトとして多忙な日々を送っている。

通算成績:433試合/259安打/10本塁打/70打点/49盗塁/打率.253

2番・セカンド/大島公一(近鉄、オリックス、楽天)

 大島公一と小森哲也というどちらも小技のきくスイッチヒッターが候補だが、ここは大島を選出。法政大では2年からリーグ戦を経験。もともと右打ちの大島だったが、大学2年になって左打ちに挑戦した苦労人。

 その後、日本生命を経て1992年にドラフト5位で近鉄(現・オリックス)に入団。1年目からユーティリティプレーヤーとして活躍した大島だったが、真価を発揮したのはオリックスに移籍してから。移籍1年目の1996年にイチローの前後を打つ「不動の2番」として日本一に貢献。ベストナインとゴールデングラブ賞を獲得した。現在は母校・法政大の助監督を務めている。

通算成績:1375試合/1088安打/24本塁打/334打点/71盗塁/打率.261

3番・ショート/田中幸雄

 1995年に打点王のタイトルを獲得し、プロ通算2000本安打も達成している田中幸雄。都城高校(宮崎)では2年時に春夏連続して甲子園に出場するも、いずれも"KK"擁するPL学年に敗れた。強肩・強打の遊撃手として1985年のドラフトで日本ハムから3位指名を受けた。

 プロ3年目には全試合出場を果たすなど、早くから頭角を現し、長きにわたり日本ハムの不動の遊撃手として活躍した。ベストナイン4回、ゴールデングラブ賞5回と名実ともに「ファイターズの顔」としてプロ野球人生をまっとうした。

通算成績:2238試合/2012安打/287本塁打/1026打点/40盗塁/打率.262



NPB歴代5位の525本塁打を放った清原和博

4番・ファースト/清原和博(西武、巨人、オリックス)

「4番・ファースト、清原」というアナウンスに胸を熱くしたファンは多いはず。PL学園時代に甲子園で13本のホームランを放ち、西武入団1年目から打率.304、31本塁打と異次元のバッティングを披露。

 また清原は"記録"だけなく、"記憶"に残る名選手だった。入団2年目の巨人との日本シリーズで、日本一を目前に流した涙。死球に激昂し繰り広げた数々の乱闘劇......。その純粋さと人間味、野球愛の深さは、野球ファンという枠を越えて多くの人を惹きつけた。

通算成績:2338試合/2122安打/525本塁打/1530打点/59盗塁/打率.272

5番・DH/広永益隆(ダイエー、ヤクルト、オリックス)

 徳島商時代は4季連続して甲子園出場。「四国一のロングヒッター」として注目を集め、ドラフト3位で南海に入団した。チームが福岡ダイエーホークスになった4年目の1989年に開幕一軍を果たすと、プロ初打席初本塁打を放って福岡のファンを驚かせた。この一発が、ダイエー球団としての第1号でもあった。

 勝負強さとともに「メモリアルアーチ」が印象深い広永は、プロ野球通算6万号や、パ・リーグ通算3万号本塁打を放っている。ヤクルト移籍後は代打の切り札として活躍。両リーグで代打サヨナラ本塁打を記録するなど、勝負どころで期待以上の仕事をやってのけた。

通算成績:463試合/183安打/34本塁打/116打点/1盗塁/打率.247

6番・レフト/大塚光二

 育英高校(兵庫)から東北福祉大に進み、佐々木主浩らとともに中心選手として活躍。4年時には主将を務めるなど、強烈なキャプテンシーで個性派集団を見事にまとめ上げた。

 ドラフト3位で入団した西武では1年目から出場機会を得たが、特筆すべきは日本シリーズでの活躍である。1998年、横浜との戦いでは当時のシリーズ記録となる6打数連続安打をマークするなど、シリーズ通算.643の活躍で敢闘賞を受賞。日本シリーズの通算打率は驚異の.397。スター選手が揃う西武にあって「シリーズ男・大塚」の活躍は異彩を放っていた。

通算成績:466試合/193安打/7本塁打/70打点/15盗塁/打率.258



長きにわたりカープ投手陣をリードした西山秀二(写真右)

7番・サード/前原博之(中日)

 前原のほかにも、高信二、川端一彰といずれもユーティリティプレーヤーとしてチームに欠かせない存在となった選手が候補に挙がったが、打力を買って前原を選出した。

 県立岐阜商から1986年に中日入り。入団後は期待の若手としてドジャースへの野球留学も経験した。4年目に一軍初出場を果たすと、高木守道監督が就任した1992年にレギュラーを獲得。この年はオールスターにも出場するなど存在を示したが、翌年以降はレギュラーに定着できず、1995年オフにトレードで西武へ。2000年を最後に現役を引退した。

通算成績:438試合/222安打/21本塁打/90打点/5盗塁/打率.237

8番・キャッチャー/西山秀二(南海、広島、巨人)

 大阪府八尾市立大正中学時代は、桑田とバッテリーを組んでいた。上宮高校(大阪)では"KKコンビ"の壁に阻まれ甲子園には届かなかったが、強肩・強打に俊足も評価されてドラフト4位で南海(現・ソフトバンク)入り。

 早々に広島にトレードされたが、移籍後に大活躍。体を張ったガッツ溢れるプレーと、クレバーなリードでカープ投手陣からの信頼も厚かった。ベストナイン、ゴールデングラブ賞をそれぞれ2度ずつ受賞するなど、名プレーヤーが多かったセ・リーグ捕手のなかで存在感を示した。

通算成績:1216試合/716安打/50本塁打/282打点/36盗塁/打率.242

9番・ライト/河田雄祐(広島、西武)

 帝京高校(東京)で主将を務め、3年春のセンバツで準優勝。夏は東東京大会の決勝で関東一高の強打の前に屈したが、ドラフト3位で広島に入団。持ち前の俊足を生かし、ファームで2回、盗塁王を獲得した。5年目に一軍デビューを果たすと、強肩を武器とした外野守備にも定評があり、守備固めとして出場機会を得た。

 その後、移籍した西武では「スーパーサブ」として存在感を発揮し、1997、98年のリーグ連覇に貢献した。97年の日本シリーズでは本塁打も放っている。引退後は西武、広島、ヤクルトでコーチを務め、2021年に広島のヘッドコーチとなった。

通算成績:574試合/137安打/6本塁打/50打点/53盗塁/打率.223