U−19日本代表「ダイヤの原石」@国内組編 南フランス開催のモーリスレベロトーナメント(旧トゥーロン国際大会)に参加した…

U−19日本代表「ダイヤの原石」@国内組編

 南フランス開催のモーリスレベロトーナメント(旧トゥーロン国際大会)に参加したU−19日本代表は、2003年1月1日以降生まれを対象とする世代だ。

 本来であれば、U−18時代の昨年に立ち上げを行ない、2年間の活動を通してU−20ワールドカップを目指す。だが、新型コロナウイルスのあおりをモロに受けて、2021年の活動はなし。今年2月にようやく活動をスタートさせ、3回の国内合宿を行なったのち、5月末からの同大会に参戦した。

 今大会のU−19日本代表は、U−21アルジェリア代表に1−0、U−21コモロ代表に0−0、U−19コロンビア代表に1−2の成績でグループリーグ2位となり、順位決定戦でU−20アルゼンチン代表に2--3で敗れ、6位という結果に終わった。

 今回、このモーリスレベロトーナメントに出場したメンバーのなかから、気になる選手を「国内組編」「海外組編」に分けてピックアップする。まだまだ成長段階にあるチームだけに、いつ、誰がブレイクしてもおかしくない。



U−19日本代表のエースになり得る逸材のFW北野颯太

★北野颯太(きたの・そうた/MF/17歳/セレッソ大阪)

 2004年8月13日生まれ、和歌山県出身。今年2月にC大阪のトップチーム所属となり、3月2日のルヴァンカップ・鹿島アントラーズ戦でプロ初ゴールを挙げた。17歳6カ月17日での得点は、ルヴァンカップ史上4番目の若さ。172cmと上背はないが、スピードとテクニックが光るストライカーである。

 モーリスレベロトーナメントの初戦アルジェリア戦では、後半の57分に殊勲の1ゴールを記録。後方から山なりで来たボールの対応を相手DFが目測を誤り、その隙を見逃さずに裏へ抜け出してGKと1対1。最後は左足を振り抜き、ネットを豪快に揺らした。

「こぼれてくるなとわかっていた。うれしかったっす」とシンプルに喜びつつも、「もっと点を獲るチャンスもあったし、細かいちょっとしたパスのズレだったり、質だったり、改善する余地がある。そこは改善しながら、引き続き点には絡んでいきたい」と課題も口にした。

 海外遠征に参加するのは2020年1月のトルコ遠征以来。

「久しぶりに世界の相手と戦えて、日本でやっている時との差が一番大きかったかな。相手のリーチの長さだったり、足の速さというところも感じたなかで、やっぱり相手のフィジカルのところで『世界やなあ』と感じられた」

 代表経験の豊富なエースは試合後、充実感たっぷりに話した。

 一方、守備面も「点を決めたからってさぼってはいけない。絶対やらないといけない」という意識でプレスをかけて戦い続けた。チームの一員として残っていくため、全力を出し切った大会だった。

★田中隼人(たなか・はやと/DF/18歳/柏レイソル)

 2003年11月1日生まれ、千葉県出身。身長188cm、体重80kgの体格は、まだ線の細い選手の多い世代別代表のなかでは、ひときわ目を引く。2020年10月に柏のトップチームに登録され、昨季はルヴァンカップに3試合出場するも、今季まだリーグ戦での出場はない。

 今大会ではアルジェリア戦とコロンビア戦にフル出場し、アフリカと南米をその肌で感じた。初戦のアルジェリア戦後には、その驚きをこう話している。

「Jリーグにも大きくてデカい選手はいるけど、あそこまでリーチは長くない。自分の間合いというか、一発で行くと入れ替わられてしまうのはわかったので、そこから修正がどんどんできたと思う。

 最初のほうはチームも戸惑いがあったけど、いっぱいしゃべって後半になって修正できた。それを次の試合につなげられてよかったなと思います」

 自身が掲げる課題は、試合終盤でのプレー。トップチームや強い対戦相手となると、ゲーム体力がまだ追いつかない。昨季出場したルヴァンカップでも後半に失点するなど、今大会でも意識したところだと言う。

「自分の甘さが後半の最後に出るというのはわかっている。よくなってきてはいるけど、ルヴァンカップの時も周りとのコミュニケーションが取れていないことが課題だと思いました。

(試合終盤になると)みんなも体が動かないので、しゃべっていかに守れるかというのを学んだ。そういうところが(アルジェリア戦では)最後のブロックにつながった。プロの試合に出た経験がこの一戦で出せたのかなと思います」

 代表での経験はクラブに持ち帰り、クラブでの経験も代表に持ち込む。そんな"好循環"は今後も続けていきたい。

★菊地脩太(きくち・しゅうた/DF/18歳/清水エスパルス)

 2003年8月16日生まれ、静岡県出身。清水のジュニアユースから育って昨年8月に2種登録でトップチームに登録された。天皇杯4回戦・川崎フロンターレ戦でJリーグデビューを果たす。今季もすでにルヴァンカップ3試合でフル出場して1勝2分とチームに貢献している。

 アルジェリア戦とコモロ戦では、田中とともに最終ラインで身体を張った。

「ふだんの自分は、ちょんと足を出して相手からボールが離れたら取る感じの選手。日本ではあんまりゴール前で身体を張るプレーとかないんですけど、アルジェリア戦は特にできたかな」

 戦うスタイルへの"キャラ変"には自分でも驚いていると言う。

「所属チームでももちろんそういう(熱い)気持ちはありますけど、やっぱり(フランスでの)試合に日本の方が応援に来てくださっているので、日本のためというか、ここで身体を張らなきゃという気持ちにはなります」

 海外遠征は中学3年生のU−15イタリア遠征以来で、実に3年ぶりだ。海外勢との試合は、やはり刺激に満ちている。

「単純に強さ、速さは違います。日本でも海外の選手はいるんですけど、全員が外国人というのが日本で対戦する時と違うことですね。

 海外の選手は、体格も顔つきも全然違うし、大人に見えます。僕らも大人ですけど、子どものような感じにさせられるというか。でも、ピッチに入ったら一緒なので、互角に戦えればと思います」

 将来的には、どうなりたいのか。

「今は守備を課題にしていて、もちろんアルジェリア戦(の完封)は自信になりましたけど、まだまだ足りない部分も多い。自分の武器であるビルドアップや足もともまだ全然足りてないですけど、特に守備に関して足りていないなと思いました。1対1でも、1対2でも止められるような選手になりたい」

 久しぶりの海外で同世代とのプレーだからこそ得た感覚は、今後のひとつの指標になるだろう。

 今後のU−19日本代表チームは、9月にラオスで行なわれるU−20アジアカップ予選を戦う。まずはその予選を突破し、来年にウズベキスタンで開催されるU−20アジアカップ本大会への出場が大きな目標となる。

(海外編はこちら>>新生U−19日本代表「スペインの16歳、イングランドの18歳、オーストリアの19歳」)