ドネアをわずか264秒で沈めた井上。まさに“モンスター”と言える力を見せた。(C)CoCoKARAnext ボクシングWBAスーパー&IBF世界バンタム級統一王者・井上尚弥が6月7日、WBC同級王者ノニト・ドネア(フィリピン)とさいたまスー…
ドネアをわずか264秒で沈めた井上。まさに“モンスター”と言える力を見せた。(C)CoCoKARAnext
ボクシングWBAスーパー&IBF世界バンタム級統一王者・井上尚弥が6月7日、WBC同級王者ノニト・ドネア(フィリピン)とさいたまスーパーアリーナで3団体王座統一戦を行い、圧倒的な力を見せつけて2ラウンドTKO勝ちを収めた。
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この世紀の一戦に向けて、“モンスター”のカラダづくりをサポートしていたのがザバス(SAVAS)だ。明治の村野あずさ管理栄養士は、2014年から井上の栄養面をサポートしている。村野さんは当時を振り返って、こう語る。
「ライトフライ級、スーパーフライ級のときは、かなり減量がきつく、コンディションの部分でも課題がありました。日常の食事の実態調査や水分の摂り方も含めて、本当にイチから課題を整理して対策を考えましたね」
「当時の井上選手は、『減量の時だけ食事をガラっと変え、水を摂らなければいい』という意識があったのですが、日頃からの食事や水分補給についての考え方を根本的に変えていく必要がありました。ただ、井上家全体の食事をイチから変えるわけではなく、整え方や調整の仕方を整理する形で関わらせてもらいました」
勝ち続けていた井上が、食事や減量方法に気を付けるようになったのは理由がある。その背景について、そばで支えてきた村野さんはこう語る。
「減量方法や水分補給の摂取方法を見直しても、やはり10キロ以上の減量はコンディション面で色々な無理がありました。その後、階級を今のバンタム級に上げてからは、体重だけに捉われすぎるのではなく、もっと強いカラダを手に入れるために栄養強化が必要、という思考が変化したことが大きかったと思います。」
「今は試合の1か月前ぐらいまでは普通に食べて、普通に練習しても、うまくコンディションを整えていけるようになりました。食事だけなく練習後の栄養補給などもしっかり行っていますし、日頃から疲れをためないように栄養面からの強化も徹底しています。そういった日常のベースができているから、気持ちの面では凄く良いでしょうね。試合後は一時的に体重が増えることもありますが、それも自然に落としていけるような状況です」
さらなる高みに向けて、井上はスーパーバンタムへの階級上げも視野に入れている。その点について村野さんは、「1階級違うだけでも体格差が出てくるので心構えは変わってくるとは思います。でも、井上選手は長いスパンで考えて、階級上げを視野に入れてやっているので、急に何かを大きく変えることはないと思いますし、その階級に対応するために何が必要かを考えしっかり準備をしていくと思います」と、これから階級を上げたとしても、理想的な体調管理を続けられるところに、井上の強さがあると語った。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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