5月22日、東京六大学野球春季リーグの第7週2日目が行われ、第1試合では法大が9対2で東大を下し連勝。3つ目の勝ち点を獲得して春季リーグを終えた。苦しいシーズンだったが、手応えを個人にもチームにも感じている齊藤 試合は初回から動いた。法大…

 5月22日、東京六大学野球春季リーグの第7週2日目が行われ、第1試合では法大が9対2で東大を下し連勝。3つ目の勝ち点を獲得して春季リーグを終えた。

苦しいシーズンだったが、手応えを個人にもチームにも感じている齊藤

 試合は初回から動いた。法大は東大先発の小髙峯頌大(4年・筑波大附)から3個の四死球でチャンスを作ると、野尻幸輝(4年・木更津総合)がタイムリーを放って先制に成功。5回には齊藤大輝(4年・横浜)の左中間を破る二塁打からチャンスを作ると、相手失策で追加点を挙げた。
 法大先発の尾﨑完太(3年・滋賀学園)は序盤こそ球数を要すが「捕手の(村上)喬一朗さんと話し合ったおかげです」と中盤以降は徐々にテンポを上げていき7回を投げて無失点に抑えた。
 打線も7回に相手失策、齊藤と海崎雄太(4年・埼玉栄)のタイムリーで5点を挙げると、8回表に2点を返された後の攻撃では代打・内海貴斗(3年・横浜)が2ラン本塁打を放ってダメ押し。9回は武冨陸(3年・日大藤沢)が3人できっちり試合を締めた。

 これで法大は7勝5敗1分、勝ち点3の成績で3位に浮上してシーズンを終えた(順位確定は早慶戦次第)。主将の齊藤はシーズンを振り返り「もっと精神的にも技術的にも成長したいです」と語った。優勝こそ逃したが、2週目の立大戦で連敗を喫した後にメンバーの4年生でミーティングをし「このままじゃ、これまでの法政に戻ってしまうぞ」と声を掛け合い奮起。明るい雰囲気で試合を戦うようになり、齊藤は「変化の狼煙を上げることができました」と胸を張った。

 一方で東大は今季、早大戦で2分けまで持ち込んだが勝利を挙げることはできなかった。井手峻監督は「投手陣としては力がついているが、チームとしての力がまだ及ばない」と手応えと課題を明かした。この日も四死球と失策が失点に結びついてしまったので、その部分を秋に向けて改善していきたいところだ。

「1学年下の篠木に頼りすぎず引っ張っていきたいという気持ちです」と秋に向けて抱負を語った尾﨑

■東京大vs法政大2回戦
東大 000 000 020=2
法大 100 010 52X=9
【東】●小髙峯、松岡由、鈴木健、齊藤、井澤-松岡泰
【法】◯尾﨑、石田、武冨-村上、吉安
本塁打:法大・内海(8回2ラン)

◎法大・加藤重雄監督
「(秋に向けて)もう少し得点能力を上げることと、柱になる投手の完投能力を上げていきたいです。古い考えかもしれませんが、完投する力があって初めて中継ぎでも抑えられると思います。プロの140試合では分業なのかもしれませんが、トーナメントのような2戦先勝方式ではそれを求めていきたいです」

◎法大・齊藤大輝(4年・横浜)
「(打率.208に終わり)開幕週の早稲田戦で打てなくて、焦りが出てしまったのが弱さです。心の余裕を持つことを大事にしていきたいですし、1球で仕留められるようなバッティングをしていきたいです」

◎東大・松岡泰希(4年・東京都市大附)
「勝てなかったことは悔しかったですし、応援していただいた方に申し訳ないです。自分たちから負けを招いてしまうことや勝負どころでの弱さを改善していきたいです。日頃から“これが神宮で通用するのか?”と考えながら練習していかないといけません」

主将として悔しいシーズンとなった松岡。打率も.088で今季を終えた

文・写真=高木遊