宇都宮が千葉に2連勝でCS準決勝進出、荒谷裕秀とテーブス海がラッキーボーイに 宇都宮ブレックスが千葉ジェッツに2連勝して…
宇都宮が千葉に2連勝でCS準決勝進出、荒谷裕秀とテーブス海がラッキーボーイに
宇都宮ブレックスが千葉ジェッツに2連勝して、バスケットボールB1リーグ・チャンピオンシップ(CS)の準決勝に進んだ。千葉は昨シーズンのB1王者で、今季のレギュラーシーズンも東地区1位で終えている。昨シーズンのCS決勝も2勝1敗で宇都宮を退けていた。しかし東地区4位の宇都宮が、アウェーで難敵を退けた。
今季の宇都宮はチームを長く支えたライアン・ロシター(→アルバルク東京)、ジェフ・ギブス(→長崎ヴェルカ)が他クラブに移籍していた。特にロシターは9シーズンにわたってチームを支えた攻守の核で、外国籍選手枠を割かずに起用できる帰化選手。そんなエースが抜けたなかで残した40勝16敗というレギュラーシーズンの戦績は、よく踏ん張った結果とも言える。ただし、勝率は昨季から1割以上下がっていた。
準決勝の宇都宮は“変わらないブレックスらしさ”を発揮した。千葉はレギュラーシーズンに1試合平均88.1得点を記録していて、これはB1全体の2位。対する宇都宮は1試合平均69.1失点というB1最強のディフェンシブチームだ。つまり守備のインテンシティ、リバウンドといったベースは今季も保たれていた。
CS準々決勝のスコアは14日の第1戦が81-70で、15日の第2戦は77-70。“ホコタテ対決”は「盾」の勝利となった。宇都宮は千葉のトランジション、イージーショットを封じてロースコアにとどめる“自分たちのゲーム”で結果を出した。
加えて大きかったのが若手の覚醒だ。14日の試合後、安齋竜三ヘッドコーチ(HC)は勝因を問われてこう口にしていた。
「荒谷が決めきってくれたところじゃないですか。チームとして(荒谷のシュートチャンスを)作ったというよりは、タフショットも決めていた。あれがなければ展開は全く違ったと思う」
荒谷裕秀は白鴎大を経て2020-21シーズンの途中に加入した23歳で、189センチ・86キロ。左利きのスモールフォワードだ。大学4年のインカレでは白鴎大の3位入賞に貢献し、優秀選手にも輝いていた。大学時代に比べると3ポイントシュートの質が高まり、守備の強度や遂行力も上がっている。
14日の千葉戦は15分41秒のプレータイムを得て、14得点を記録した。3ポイントは4本すべてを成功させて、チームを勢いづかせた。
若手がチームの特長である守備の強さを継承
ただし、加入直後から今のような活躍を見せていたわけではない。 昨シーズンの出場は全8試合の合計でも、わずか25分49秒。今季は50試合に出場したものの、平均出場時間は9分49秒にとどまっている。
安齋HCはこう説明する。
「僕が(試合に)出す基準はオフェンスよりディフェンスです。そのレベルに達して、こういう状況でも本人のプレーがしっかり出せるようになれば、プレータイムは与えられます」
荒谷はシーズンを通して宇都宮の強度に追いつき、アシスタントコーチとのワークアウトも積み、実力を少しずつ蓄えていた。
15日の第2戦は、23歳のテーブス海がラッキーボーイになった。彼は将来を嘱望されるポイントガードだが、現状は鵤誠司や比江島慎、遠藤祐亮に次ぐ控えのガードだ。しかし準決勝進出を決める大一番では、25分25秒の出場で14得点4アシスト6リバウンドを記録している。
CSのような大舞台では、お互いが強みを消し合う展開になる。どうしても伏兵の活躍が決め手になりやすいのだが、宇都宮はそこで千葉を上回った。
どんなチームにも人の入れ替わり、世代交代はある。宇都宮はロシターとギブスがチームを去り、大ベテランの田臥勇太も準々決勝の2試合はプレータイムがなかった。そんななかで若手がスタンダードに追いつき、セカンドユニットからチームの決め手となる働きを見せた。彼らの強さは、新戦力を一段上に引き上げるチームカルチャーなのだろう。(大島 和人 / Kazuto Oshima)