静岡県の「静岡裾野シニア」は2度の全国制覇を果たす 全国制覇の経験もある中学硬式野球チーム「静岡裾野リトルシニア」には、…
静岡県の「静岡裾野シニア」は2度の全国制覇を果たす
全国制覇の経験もある中学硬式野球チーム「静岡裾野リトルシニア」には、走攻守で「やってはいけないルール」がある。どれも決して難しいプレーではなく、意識の変化で改善できる。基本的なルールの徹底に強さの理由がある。
怒声や罵声がないのは言うまでもない。静岡・裾野市にある「静岡裾野リトルシニア」の練習は、緊張感や厳しさを感じる一方で、選手の笑顔や活気もある。野球離れが叫ばれる中でも選手が80人を超え、毎年のように全国大会に出場しているのは、時代の変化に合わせようとするチーム方針の表れでもある。
今年1月にヘッドコーチから“昇格”した佐藤裕徳監督は「あまり選手を注意することはありません。三振もエラーも怒りませんから」と言う。厳しく伝えるのは、選手が礼儀を欠いた時と、チームのルールを逸脱した時。走攻守のそれぞれに「やってはいけないルール」がある。
走塁では「後ろの走者はアウトになってはいけない」というルールがある。例えば1死満塁から打者がライナーを放った時、一塁と二塁の走者は飛び出してアウトにならないようにする。
佐藤監督は「三塁走者が前に進みたくてアウトになってしまうのは仕方ありません。ただ、一塁と二塁の走者はどんなに頑張っても、前の走者が進まないと次の塁に進めません。相手へ楽にアウトをあげないように、状況を正確に判断する必要があります」と理由を説明する。
エラーしたボールは素手で拾う 攻撃では犠牲を惜しまない
守備のルールは「エラーしたら手でボールを拾う」こと。地面に落ちたボールを拾い上げる時、グラブと素手ではどちらがミスが少ないのか明らかだ。捕球ミスをした後にグラブでボールを拾い損ねたり、強烈な打球を体で止めた後にグラブで掴み損ねて送球できなかったりすると、相手に隙を与える。
指揮官は「傷を小さく済ませるためには、ミスをした後の動きが大切です」と狙いを話す。そして、「ミスは絶対に起きます。1つのプレーでミスを繰り返さないことと、次にプレーする選手が連鎖させないことが大切です。エラーした後に仲間が助けられるチームにしたいと思っています」と続けた。
攻撃では、チームの犠牲になることを惜しまないよう求めている。犠打、犠飛という言葉があるように、佐藤監督は「野球は犠牲のスポーツ」だと強調する。
試合展開によっては、同じ選手に続けて犠打のサインを出すケースもあるが「打ちたいのは分かっていますが、チームのために動ける選手になってほしいと思っています。レギュラーだけではなく、常に全員で戦っているわけですから」と力を込める。犠打のサインを出さない時は、基本的に2ストライクまで自由に打たせているが、追い込まれた後は進塁打を意識させるのも同じ理由だ。
どんなスポーツにも、学校や社会生活にもルールがある。佐藤監督は野球を通じて、ルールや決まりを守る大切さを伝えている。(間淳 / Jun Aida)