バッテリー叱咤のワケ「逃げ癖がつくと、次の打者にも体が逃げてしまう」 東大は8日、明治神宮球場で行われた東京六大学の春季…
バッテリー叱咤のワケ「逃げ癖がつくと、次の打者にも体が逃げてしまう」
東大は8日、明治神宮球場で行われた東京六大学の春季リーグ、立大2回戦に2-3で競り負け、連敗で勝ち点を逃した。今季は早大と2試合引き分けるなど健闘しているが、勝ちきるにはまだ、足りないものがある。この日は東大OBで、中日の選手でもあった井手峻監督が、激しい口調でバッテリーを叱咤するシーンがあった。
1回の守りでは、大敗ムードさえ漂った。先発の綱嶋大峰投手(4年)は、2死二塁から相手の4番、5番に対し1球もストライクが入らず、連続四球で満塁。続く6番打者にもカウント3-2から押し出し四球を与え、みすみす先取点を献上した。次打者を遊ゴロに打ち取り、この回1失点で済んだのが不思議なほどだった。
井手監督はベンチに戻ってきた綱嶋と松岡泰希捕手(4年)を呼び、かなり激しい口調で注意を与えた。「四球を出すなら全部インサイドで出せ、と言いました。逃げ癖がつくと、次の打者にも体が逃げてしまいますから」と明かす。「綱嶋は本来、跳ねるような投げ方をするのに、ボールが続くとおとなしい投げ方になってしまう」とも指摘した。
さらに「キャッチャーは例えばカウント0-2となれば、大事を取って外角に外そうとしますが、ピッチャーまで大事にいっていたら勝負にならない。キャッチャーがボール球を要求しても、ピッチャーは勝負にいくくらいでなければダメでしょう」と、投手たる者の心得を熱弁した。
初回の押し出し悔やまれる結果に 東大率いるレジェンド「次の手」は?
東大は2回にも綱嶋が1点を失ったが、3回以降は5投手の継投で1失点に抑え、終わってみれば最少得点差の惜敗。初回の押し出しが改めて悔やまれる結果になった。
今季の東大は5位になった1997年秋以来、49季ぶりの最下位脱出を目標に掲げているが、技術以外のところで他大学に引けを取っていては、勝機は見いだせないだろう。
井手監督は東大在学中、右腕投手としてリーグ戦通算4勝(21敗)をマーク。1966年の第2次ドラフト3位(同年は9月と11月に2度ドラフト会議が行われた)で中日入りし、史上2人目の東大出身プロ(ドラフト制発足後では初)となった。
投手として17試合に投げ1勝4敗。肩を痛めて外野手に転向した後も、俊足・好守を活かして342試合に出場した。引退後も中日のコーチ、フロント要職を歴任している。78歳となったレジェンドには、まだまだ選手に伝えたいことがたくさんありそうだ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)