4月30日、東京六大学春季リーグ第4週1日目が行われ、第2試合では東大が9回1死から本塁打で追いつき、2対2で早大に引き分けた。東大先発・井澤はほぼ毎回ランナーを背負いながらも、9回を2失点155球の完投で引き分けに持ち込んだ 早大は初回、…

4月30日、東京六大学春季リーグ第4週1日目が行われ、第2試合では東大が9回1死から本塁打で追いつき、2対2で早大に引き分けた。

東大先発・井澤はほぼ毎回ランナーを背負いながらも、9回を2失点155球の完投で引き分けに持ち込んだ

 早大は初回、2死無走者から二塁打と四球でチャンスを作ると、開幕カード以来のスタメンに復帰した生沼弥真人(3年・早稲田実)がタイムリーを放って先制。
だが2回以降はチャンスを出しながらも、あと一本が出ないまま試合が進む。

 1点を追いかける東大は5回、2死二塁から別府洸太朗(3年・東筑)のタイムリー三塁打で同点とする。
その後は両先発投手が毎回走者を背負うものの、要所で踏ん張り試合は終盤へ。

早大先発・加藤は7回1失点と試合を作ったが「点を取られた回に粘れなかったのが全てです」と悔いをにじませた

 8回、早大は2死無走者から四球で2死一塁とすると、森田朝陽(3年・高岡商)が右中間へタイムリー二塁打を放って勝ち越しに成功する。

「何とかしたいという気持ちが強くて、次の打者に繋ぐ意識を持って入りました」と、一時勝ち越しとなるタイムリーを打った早大・森田

 2対1と早大リードで迎えた9回、東大は1死から阿久津怜生(4年・宇都宮)がライトへソロ本塁打を放ち同点。2年時にアメリカンフットボール部から転部した阿久津の大学初アーチが土壇場で飛び出して東大が追いつき、連盟規定により9回引き分けとなった。

同点ホームランを打ち、ホームに還ってくる東大・阿久津

 試合後、東大・井手峻監督は「打たれて追いつかれた覚えはあるけど、打って追いついたのは初めてだというぐらい。野球は何が起こるか分からない」と選手たちの粘りに柔らかな表情で振り返った。

 一方、早大は6安打、7四球に加えて5失策をもらいながら2得点と打線が繋がらず。今カードに向けて「相手を助けないという風に自分たちの中で話していて、打てるボールをしっかり打つ。打てないボールはしっかり見逃してという風に話してはいたのですが…」と森田が語ったように、選手間で共通意識を持って試合に臨んだが状態は好転せず。小宮山悟監督も「あれだけチャンスがあって点が取れなければね。打つしか方法はないので。明日も苦戦を強いられるとは思いますけど、打線が早く目を覚まさないと」と奮起を促した。

■早稲田大vs東京大1回戦
早大 100 000 010=2
東大 000 010 001=2

【早】加藤、原、伊藤大、伊藤樹-印出
【東】井澤-松岡泰

本塁打:東大・阿久津(9回ソロ)

◎東大・阿久津怜生(4年・宇都宮)
「打ったのは高めの真っすぐ。とにかく塁に出ることが最優先だったので、何とか一塁まで出ようという意識でした。リーグ戦ではチームに迷惑をかけていたのですが、練習してきた成果が何とか出たんじゃないかと思います」

◎東大・井澤駿介(4年・札幌南)
「序盤で何度かあったピンチの場面を抑えられたのでこういう結果につながったと思う」