男子テニスのセルビア・オープン(セルビア/ベオグラード、クレー、ATP250)は21日、シングルス準々決勝が行われ、第1シードのN・ジョコビッチ(セルビア)が第7シードのM・キツマノビッチ(セルビア)を4-6, 6-3, 6-3の逆転で破…

男子テニスのセルビア・オープン(セルビア/ベオグラード、クレー、ATP250)は21日、シングルス準々決勝が行われ、第1シードのN・ジョコビッチ(セルビア)が第7シードのM・キツマノビッチ(セルビア)を4-6, 6-3, 6-3の逆転で破り、2年連続のベスト4進出を果たした。試合後には「僕にとって、年齢は単なる数字に過ぎない。35歳より若いと心から思っている」と述べた。
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35歳のジョコビッチは前日に行われた2回戦で、世界ランク50位のL・ジェレ(セルビア)を2-6, 7-6 (8-6), 7-6 (7-4)の逆転で破り、2ヶ月ぶりの白星をあげて準々決勝に進出した。ジョコビッチとキツマノビッチは2度目の顔合わせで、昨年の同大会でも準々決勝で対戦し、ジョコビッチがストレートで勝利している。
第1セット、今年3大会目の王者ジョコビッチは第1ゲームこそ危なげなくキープするも、第3ゲームでは2本連続ダブルフォルトを犯すなどミスが目立ち、先にブレークを許す。キツマノビッチがこのリードを守り、第1セットを先取する。
第2セットに入ってもリズムを掴みきれないジョコビッチは、第2ゲームでブレークポイントを掴むも決めきれず、再び第3ゲームでブレークを許す。キツマノビッチが一気に攻勢をかけるかと思われたが、直後の第4ゲームでジョコビッチがブレークバックに成功する。観客の声援を後押しを受けるジョコビッチはさらに第8ゲームでブレークを奪うと、第9ゲームをキープして1セットオールとする。
ファイナルセット、互いにサービスキープが続くと徐々にプレーの安定感が増すジョコビッチが第6ゲームをラブゲームでキープすると、第7ゲームをラブゲームでブレークし、先行。勢いに乗るジョコビッチは第9ゲームをブレークし、2時間18分で勝利した。
男子プロテニス協会のATPは公式サイトにジョコビッチのコメントを掲載。次のように語った。
「キャリアのどの段階でも、特に20年間ツアーでプレーしていると、精神的なアプローチの仕方に違いが出てくるものなんだ。この10年で僕の人生は大きく変わり、体も変化した。だから、その変化に適応し理解し、そして、これまでの経験を活かして物事を把握しなければならない。僕は常にチームと戦略を練り、組織化し、計画を立てることで、適切な時期にピークを迎え、若い選手たちと競い合うことができるんだ」
「人々は10年、15年とそのレベルにある僕を見慣れている。だから、彼らは常に僕が試合の99パーセントに勝つことを期待しているんだ。しかし、明らかにそれは不可能だ。負けることも調子が悪いことも、調子を取り戻すのに時間がかかることも、受け入れなくてはならない」
「目に見える結果やコート上のパフォーマンスに影響を与える要因は、実にさまざまだ。しかし、規律は常に存在する必要がある。でも、僕は規律の前に献身性が必要だと思う。もし、献身的でないなら、必要な規律を身につけることはできないだろうね」
ジョコビッチは2月のドバイ・デューティ・フリー・テニス選手権(アラブ首長国連邦/ドバイ、ハード、ATP500)でベスト8、先週まで開催されていたロレックス・モンテカルロ・マスターズ(モナコ/モンテカルロ、レッドクレー、ATP1000)では2回戦敗退に終わっており、今季初めて4強入りを果たした。
「僕はプレーすることを選択する。誰も強要はしていない。今までのキャリアの中で、今日やめてもいいくらいのことをやってきた。でも、まだやる気もあるし、刺激も受けている。もちろん、ここセルビアは僕にとって特別だし、それが僕のエネルギーになるんだ。ここにいるのも、試合をするのも大好きだよ」
「変な言い方だけど、ビッグマッチで負けて打ちひしがれるのも好きなんだ。なぜなら、それは僕が勝つこと、そして世界のベストプレーヤーと競い合うことにこだわるということだと自覚できるからね」
同大会で11年ぶりの優勝を狙うジョコビッチは、準決勝で第3シードのK・ハチャノフと対戦する。ハチャノフは3回戦で予選通過者で世界ランク110位のT・モンテイロ(ブラジル)を7-5, 6-4のストレートで破っての勝ち上がり。
同日には第2シードのA・ルブレフ、第6シードのF・フォニーニ(イタリア)と世界ランク67位のO・オッテ(ドイツ)、世界ランク104位のダニエル太郎が8強に駒を進めている。