去る4月17日(日)に日本最高峰のダンスバトルイベント「マイナビ DANCE ALIVE HERO’S 2022 FINAL」が両国国技館にて開催された。RIZE、KIDS、BREAKING、HOUSE、HIPHOP、ALL STYLEの6…

去る4月17日(日)に日本最高峰のダンスバトルイベント「マイナビ DANCE ALIVE HERO’S 2022 FINAL」が両国国技館にて開催された。RIZE、KIDS、BREAKING、HOUSE、HIPHOP、ALL STYLEの6部門でバトルが行われ、その年度のチャンピオンが決定した。

今大会ではBREAKINGのカテゴリーが全日本ブレイキン選手権(主催:公益社団法人日本ダンススポーツ連盟 ブレイクダンス本部)のパートナー大会となり、ランキングポイントが付与されるシステムが取り入れられた。会場にはブレイキン本部長のKatsu Oneも登場し、パートナー大会となった経緯や、2024年パリ五輪にむけて「BREAKINGのカルチャーとスポーツ」の両方の側面について熱く語った。

GUEST、JUDGEともに日本を代表する豪華ダンサー・アーティストが集結し、シーン全体として大いに盛り上がりを見せた「マイナビDANCE ALIVE HERO’S FINAL 2022」。そして各カテゴリーでは記録づくしの結果が生まれ、新たな歴史が刻まれた。本記事では当日のレポートをお届けする。

マイナビDANCE ALIVE HERO’S FINAL とは

2005年に日本で誕生したストリートダンスバトルイベントDANCE ALIVE(ダンスアライブ)の国内決勝戦。メインコンテンツであるダンスバトルの賞金総額は『430万円』。毎年ストリートダンス界の日本最強ヒーローを生み出してきた。ダンスバトルの他、ダンススタジオや高校ダンス部、ダンス専門学校や大学・社会人によるダンスサークルのショーケース、さらに高校ダンス部の頂点を決めるダンスコンペティションなど内容は様々。毎年12,000人以上の動員を誇るイベントは年に一度のストリートダンスの祭典として定着している。

RIZE – 優勝 「Ω-Dice」


photo by マイナビ DANCE ALIVE HERO’S 2022 FINAL

RIZE部門にて優勝したのは「Ω-Dice(オメガ ダイス)- キャットミュージックカレッジ専門学校」。Ω-Diceは関西予選を1位で通過し、両国国技館に乗り込んだ。

BEST8から優勝候補のひとつである Dan!!嬢ダン弾団(拓殖大学)を下し、その勢いのまま決勝まで勝ち上がった。


photo by マイナビ DANCE ALIVE HERO’S 2022 FINAL

決勝戦は After Beat Club(埼玉大学)との戦い。埼玉大学はKAEDE(Lock)を中心にオールドスクール系のルーティンを展開し、チームとしてのまとまりを見せていく。対するΩ-Diceはメンバーそれぞれの個性豊かなキャラクターを前面に押し出していく。

会場中に強烈なインパクトを残したΩ-Diceだが、それぞれのダンススキルと洗練されたコマンドルーティーンが光り、見事優勝を果たした。大阪勢、そして専門学校がRIZE部門で優勝するのはDANCE ALIVEの歴史上で史上初の快挙であり、ダブルでRIZEの歴史を塗り替えた。


photo by マイナビ DANCE ALIVE HERO’S 2022 FINAL

KIDS – 優勝「TSUKKI」


photo by マイナビ DANCE ALIVE HERO’S 2022 FINAL

KIDS部門で優勝したのは「BBOY TSUKKI(HEROS / JDSF強化指定選手)」。今年からTSUKKIは高校1年生となりKIDS部門の挑戦はラストとなったが見事KIDS部門2連覇を飾り、有終の美を飾った。

決勝はLil REBEL(東北予選1位)との組み合わせでBREAKING vs POPの構図となった。Lil REBELは心地の良いグルーヴ感で会場を魅了。対するTSUKKIも落ち着いたトップロックからハイレベルなパワームーブで対抗していく。


photo by マイナビ DANCE ALIVE HERO’S 2022 FINAL

両者の気持ちがぶつかり合い、Lil REBELは2ターン目でボクシングのシャドーの形にヒットを入れ込み攻撃的な姿勢を見せる。しかしTSUKKIが会場の想像を超えるパワームーブを抜群のタイミングで音にマッチさせ、一気に流れを持って行った。

来年度からは一般のBREAKING部門へと進級するTSUKKI。新たなステージでも止まることのない快進撃に期待していきたい。


photo by マイナビ DANCE ALIVE HERO’S 2022 FINAL

BREAKING – 優勝「SHIGEKIX」


photo by マイナビ DANCE ALIVE HERO’S 2022 FINAL

BREAKING 決勝のカードは、SHIGEKIX ( K.A K.B / Red Bull BC One All Stars ) vs NORI ( TAKE NOTICE / THE FLOORRIORZ ) の組み合わせとなった。SHIGEKIXはBEST8で SHOSEI(GOODFOOT)、SEMI FINALで ISSIN(BODY CARNIVAL)を下して勝ち上がった。対するNORI はBEST8にて YU-KI(九州男児/KOSÉ 8ROCKS)、SEMI FINALにて TOA(BODY CARNIVAL)に勝利し決勝へと進んだ。

先攻はNORIが殺気を放ちながら飛びだし、ミュージカリティを感じさせるセットムーブで先陣を切る。SHIGEKIXも負けじとNORIのムーブ後に飛び出し、クレバーなムーブと会場を圧倒する構成力で返していく。


photo by マイナビ DANCE ALIVE HERO’S 2022 FINAL

両者ともにそれぞれのスタイルをレペゼンし、まさに「バトル」独特の緊張感が張り詰めた雰囲気となったが、圧倒的なまでの完成度を誇ったSHIGEKIXが見事優勝。

SHIGEKIXは過去のDANCE ALIVEでもKIDS部門で優勝しており、今回はBREKAING部門での優勝。DANCE ALIVEの歴史上、2つのカテゴリーで優勝を達成するのは初の快挙となった。


photo by マイナビ DANCE ALIVE HERO’S 2022 FINAL

HOUSE – 優勝「RYOakaDJ226」


photo by マイナビ DANCE ALIVE HERO’S 2022 FINAL

HOUSE部門では若手からベテランまで、名だたるハウサーたちがFINALに名を連ねた。激戦のトーナメントを制し優勝したのは、昨年度のディフェンディングチャンピオンでもある「RYOakaDJ226」。見事2連覇を達成し、存在感を見せつけた。

決勝の相手は、独自の感性を武器に若手として勢いのあるKEIN。多彩なスキルでムーブを作り上げていくKEINに対して、RYOakaDJ226は心地の良いフローとリズム感で自身の世界観を表現していく。


photo by マイナビ DANCE ALIVE HERO’S 2022 FINAL

本人も優勝後のインタビューで「気持ちよさを求めた結果優勝できた」と語ったように決勝2ターン目のジャズ調の曲では、RYOakaDJ226の醸し出す雰囲気から音楽とマッチした心地良さと「大人の色気」を感じさせた。


photo by マイナビ DANCE ALIVE HERO’S 2022 FINAL

HIPHOP – 優勝「oSaam」


photo by マイナビ DANCE ALIVE HERO’S 2022 FINAL

HIPHOP部門で優勝に輝いたのは「oSaam(sucreamgoodman)」。oSaamは2016年にHIPHOP部門にて優勝してから5年ぶりのカムバック。さらに決勝の相手は CanDoo(SEGA SAMMY LUX / New SchoolOrder)というレジェンド同士の対決となった。

両者は過去に4度ずつ(計8回)HIPHOP部門で優勝しており、過去にDANCE ALIVEが17回開催されたことを考えると、正に「ALIVEで優勝しまくっている2人」である。


photo by マイナビ DANCE ALIVE HERO’S 2022 FINAL

互いに対照的なスタイルながら独自の世界観とスタイルで、自身のHIPHOPを提示していく。なかでも oSaam は落ち着いたグルーヴ感の中に、長身を活かしたしなやかな動きで会場全体をロックしていく。

ラストターンではCanDooの爆発的なムーブに対してoSaamも熱を帯びる。フロアムーブからドンピシャのミュージカリティで会場をロックし、ラストムーブを締めた。「優勝した回数にこだわりは無い」と語った oSaam だが、来年も国技館のステージでoSaamを見たいというのがオーディエンスの本音であろう。


photo by マイナビ DANCE ALIVE HERO’S 2022 FINAL

ALL STYLE – 優勝「YOSHIE」


photo by マイナビ DANCE ALIVE HERO’S 2022 FINAL

ALL STYLE部門では「YOSHIE(BE BOP CREW)」が12年ぶり3度目の優勝に輝いた。ALL STYLE部門においてもカムバックしたレジェンドが圧巻の貫録を見せた。

決勝の相手は大阪レペゼンの DAI(O.G.S / BIO )。高いPOPの質感と見飽きることないステップワークで、1ターン目から攻めていく。しかしここからYOSHIEの真骨頂であった。一つ一つの細かいスキル、そして全身からにじみ出るソウルフルなYOSHIEのダンスは、まるで音楽と同化しているかのようであった。


photo by マイナビ DANCE ALIVE HERO’S 2022 FINAL

国内に留まらず海外への影響力も絶大なYOSHIEであるが、ALL STYLEカテゴリーではPoper勢や THE D SoraKi・Yoshiki などの実績のある若手が名を連ね、予想が難しいトーナメントであった。

しかしYOSHIE は有無を言わせない圧倒的なダンスの「説得力」で日本の頂点に再び立った。


photo by マイナビ DANCE ALIVE HERO’S 2022 FINAL

今年度も大いに盛り上がりを見せた「マイナビ DANCE ALIVE HERO’S 2022 FINAL」。コロナ渦での開催となったがレジェンドたちがカムバックし、各カテゴリーでは史上初の快挙が生まれるなど、記録づくしとなった。歴史が塗り替えられていく中で、現役として圧倒的な貫録を誇るベテラン、勢いに乗る若手など多くのダンサーが躍動していた。引き続き来年度も多くのダンサーに注目していきたい。

大会結果


photo by マイナビ DANCE ALIVE HERO’S 2022 FINAL

■RIZE FINAL
WINNER:キャットミュージックカレッジ専門学校 (Ω-Dice)

■KIDS FINAL
WINNER:TSUKKI (MB CREW / JUICE CREW / HEROES)

■BREAKING FINAL
WINNER:SHIGEKIX (K.A.K.B. / Red Bull BC One All Stars)

■HOUSE FINAL
WINNER:RYOakaDJ226 (SYMBOL-ISM)

■HIPHOP FINAL
WINNER:oSaam (sucredmgoodman)

■ALL STYLES FINAL
WINNER:YOSHIE (BE BOP CREW / ebony)

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