千葉ロッテマリーンズは、開幕から34試合が経過した時点でチーム打率.187と低迷。このまま1割台でシーズンを終了すれば、1944年の産業軍(現中日ドラゴンズ)以来73年ぶりという歴史的な低打率にあえいでいる。それに比べて、投手陣はまだ踏ん張…

千葉ロッテマリーンズは、開幕から34試合が経過した時点でチーム打率.187と低迷。このまま1割台でシーズンを終了すれば、1944年の産業軍(現中日ドラゴンズ)以来73年ぶりという歴史的な低打率にあえいでいる。それに比べて、投手陣はまだ踏ん張っていたのだが、12日の日本ハム戦では7本塁打15失点を喫するなど、少しずつ崩壊しつつある。ここでは今季開幕から週を追いながら、千葉ロッテの投打チーム成績を見ていこう。

■12日日本ハム戦では7被弾15失点の記録的大敗喫す

 千葉ロッテマリーンズは、開幕から34試合が経過した時点でチーム打率.187と低迷。このまま1割台でシーズンを終了すれば、1944年の産業軍(現中日ドラゴンズ)以来73年ぶりという歴史的な低打率にあえいでいる。それに比べて、投手陣はまだ踏ん張っていたのだが、12日の日本ハム戦では7本塁打15失点を喫するなど、少しずつ崩壊しつつある。

 ここでは今季開幕から週を追いながら、千葉ロッテの投打チーム成績を見ていこう。

第1週(4/2まで)防御率3.75 打率.172
第2週(4/9まで)防御率4.17 打率.198
第3週(4/16まで)防御率4.43 打率.188
第4週(4/23まで)防御率4.26 打率.187
第5週(4/30まで)防御率4.20 打率.186
第6週(5/7まで)防御率4.38 打率.185
第7週(5/12まで)防御率4.59 打率.187

 開幕戦を32打数6安打、打率.188でスタートして以来、チーム打率は一度も2割に浮上することなく、ここまできている。1試合当たりの安打数は5.85本。安打数で5位の日本ハムが7.56本だから、2本近く少ない計算になる。

 現時点で成績は、9勝24敗1分、勝率.273。まだ勝ち星が1桁のチームは12球団で千葉ロッテだけだ。

 深刻なのは、チーム不振の中でも頑張っていた選手の成績が、ここへきて急落していることだ。

 打者ではキャプテンの鈴木大地。第4週の時点では64打数21安打、打率.328でリーグ8位と踏ん張っていたが、そこから54打数10安打と調子を落とし、今ではリーグ19位の打率.263まで落ちている。しかも、鈴木以外に規定打席に達している選手はいない。

 投手陣ではエースの涌井秀章が、1勝3敗ながら防御率2.66と孤軍奮闘していたが、12日の日本ハム戦では、4回1/3を投げて自責点10と炎上し、一気に防御率が4.40まで跳ね上がった。

 打撃不振の負の連鎖が、ついに投手陣にまで及び、チームは崩壊状態とも言える。

■チーム状況を打開のカギは「人心の一新」

 こうした状況を打開するのは容易ではないが、立て直しに必要なのは「人心の一新」ではないだろうか。

 千葉ロッテは、2軍も16勝21敗1分でイースタン・リーグ7球団中6位と調子が良いわけではないが、チーム打率は.246、防御率は3.41で、共に5位の成績だ(5月12日終了現在)。

 打者では、6年目の三家和真が打率.320でリーグ3位、3年目の香月一也が.298で6位、2年目の大木貴将が.289で7位と元気がいい。規定打席に達していないが、昨年阪神を戦力外になり、トライアウトを経てロッテに入団した柴田講平も、打率.333と当たっている。柴田は7日から1軍戦に出場しているが、柴田だけでなく2軍の元気どころにチャンスを与えることも必要だろう。

 投手陣では、2年目中継ぎの東條大樹が3勝1敗、防御率1.86、同じく中継ぎの10年目右腕・阿部和成が14試合に登板して1勝0敗、防御率2.37と好成績を残している。先発で好成績を残していたチェン・グァンユウ(2勝0敗、防御率0.75)は1軍に昇格を果たし、9日楽天戦で6回無失点の好投で今季初勝利を収めた。

 かつて1軍で活躍した選手も含め、2軍でプレーしている選手にとって、1軍の「チーム崩壊」はチャンス以外の何物でもない。彼らの「野心」をチーム浮上に活かすべきだろう。

 今のロッテは歴史的な「チーム打率1割台」が大きなプレッシャーになっているように思われる。しかし、「2割台復帰」はそれほど高いハードルではない。現在、チーム全体では1066打数199安打で打率.187だが、今後の10試合で320打数78安打(打率.244)とすれば、打率は2割台に到達する計算になる(1385打数277安打)。まずは、この10試合で打率2割台復帰を目指したいところだ。

広尾晃●文 text by Koh Hiroo