高卒3年目の佐々木朗希(ロッテ)が、今シーズン3試合目の登板となった4月10日のオリックス戦(ZOZOマリンスタジアム…
高卒3年目の佐々木朗希(ロッテ)が、今シーズン3試合目の登板となった4月10日のオリックス戦(ZOZOマリンスタジアム)で、28年ぶり、史上16人目の完全試合を達成した。
そればかりか、従来の9連続奪三振を大幅に更新する「13連続奪三振」、1995年の野田浩司(オリックス)に並ぶ日本タイ記録の「1試合19奪三振」もマークするなど、記録づくめの快挙達成だった。

4月10日のオリックス戦で完全試合を達成したロッテ・佐々木朗希
17奪三振以上は過去に5人
ストレートの平均球速は159.8キロ、最速は自己最速タイの164キロ。フォークでも145キロをマークするなど、異次元のピッチングを見せた。
奪三振の多い投手は「ドクターK」と呼ばれるが、1試合17奪三振以上を記録した投手は、佐々木を含め5人いる。
■19奪三振
野田浩司(オリックス)/1995年/ロッテ戦(千葉マリンスタジアム)
佐々木朗希(ロッテ)/2022年/オリックス戦(ZOZOマリンスタジアム)
■18奪三振
田中将大(楽天)/2011年/ソフトバンク戦(Kスタ宮城)
■17奪三振
足立光宏(阪急)/1962年/南海戦(西宮球場)
野茂英雄(近鉄)/1990年/オリックス戦(西宮球場)
野田浩司(オリックス)/1994年/近鉄戦(グリーンスタジアム神戸)
ちなみにセ・リーグは「1試合16奪三振」が最多で、これまで金田正一(巨人/1967年)、江夏豊(阪神/1968年)、外木場義郎(広島/1968年)、伊藤智仁(ヤクルト/1993年)、今中慎二(中日/1993年)、山田勉(ヤクルト/1993年)、桑田真澄(巨人/1994年)、野口茂樹(中日/2001年)の8人がマークしている。
ZOZOマリンは投手に不利⁉︎
今回、1試合19奪三振の記録保持者である野田浩司氏に、佐々木朗希の完全試合、1試合19奪三振について聞くことができた。
── 4月10日のオリックス戦でロッテの佐々木朗希投手が28年ぶりの完全試合を達成しましたが、あの日のピッチングは野田さんの目にどう映りましたか。
「最初から最後まで見ていましたが、とにかく圧巻の投球だった。どこがすごいという話ではなく、圧巻でした。これまで16回の完全試合のなかでも、史上最高と言ってもいいと思います。昨年の秋以降、イニング数も奪三振数も増え、かなりのレベルに成長しているのを目の当たりにしてきました。(完全試合を達成した)あの試合はかなり調子がよくて、立ち上がりからいわゆる"ゾーン"に入った状態だったと思います」
── どういうところでゾーンに入っていると感じましたか。
「コントロールはいいし、真っすぐは打ってもファウルにしかならないのでカウントを稼げる。そして追い込んだらフォーク。そのフォークも揺れていて、打者が飛びついて打ちにいくシーンが見られた。とにかく外野に打球が飛んだのは2つだけで、まともな当たりはなかった。打者がまったく対応できていませんでした。三振をとれるべくしてとっている印象
でした」
── 「三振をとって勝つ」というのは、ある意味、難しいのではないですか?
「私が19奪三振をした時は、8回、9回に1個ずつ。佐々木投手は6、7回に1個ずつだったが、完投を目指す投手がもっとも疲れる8回に完璧な内容で3個とった。三振をとるにはそれなりに球数を要する。私が記録をつくった時は、9回で162球を投げました。同点で降板となり、勝ち投手になれませんでした(笑)」
── 野田さんが「1試合19奪三振」を記録したのも、千葉マリンスタジアム(現・ZOZOマリンスタジアム)でした。
「あそこは投手にとって投げやすい球場ではありません。とにかく風が強い。私の時は風速8メートルでした。しかもセンターからバックネット方向に当たった風がマウンドに向かってくる。投手にとっては、完全にアゲインストになるんです。空気抵抗を受けてフォークは落ちるのですが、真っすぐは伸びない。ただ、フォークは揺れるように落ちるから、バッターにとっては難しい球になる。投手も投げづらいですが、バッターにとってもやりづらい球場だと思います」
── 佐々木投手はあの試合、最速164キロをマークするなど、ストレートは常時150キロ台後半でした。
「あれだけのストレートを投げていれば、風とか関係ないのかもしれないですね。それほど影響を受けている感じはしませんでした。とにかく、ストレートで押せたのが一番。お手本のようなピッチングでしたね」
── 今後、佐々木投手がさらに成長するために、あえてアドバイスをするとしたら?
「今回、完全試合を達成した要因は彼の能力。ストレート、フォークの勢いがすばらしい。先発ローテーション投手は、年間約25試合の登板のなかで、絶好調なのは5試合あるかないか。それをあの試合、最高の形にした。今後は経験値によるピッチングの"引き出し"も増えるでしょうし、スライダーやカーブといった緩い球も投げるようになるでしょう。まだ3年目、どれだけ伸びるのか楽しみでなりません」
衝撃の完全試合から1週間、まだあの興奮は冷めていない。今の佐々木朗希なら、また大記録を達成するのではないか......。そんな期待さえ抱かせる、まさに圧巻のピッチングだった。