ヨーロッパリーグ(EL)準々決勝の2ndレグ、バルセロナvsフランクフルトが14日にカンプ・ノウで行われ、アウェイのフラ…

ヨーロッパリーグ(EL)準々決勝の2ndレグ、バルセロナvsフランクフルトが14日にカンプ・ノウで行われ、アウェイのフランクフルトが2-3で勝利。この結果、2戦合計3-4としたフランクフルトの準決勝進出が決まった。

なお、フランクフルトのMF鎌田大地は先発フル出場、MF長谷部誠は99分から途中出場した。

1週間前に行われた1stレグはホームの大歓声を後押しに攻守両面でハードワーク光ったフランクフルトが1-1のドローに持ち込む、予想外の善戦を見せた。

敵地から最低限のドローという結果を持ち帰ったバルセロナは、直近のラ・リーガでは降格圏のレバンテに大苦戦を強いられるも、チャビ監督の見事な采配もあり、ルーク・デ・ヨングの後半アディショナルタイムの決勝点によって3-2の勝利。リーグ7連勝達成で今回の一戦に弾みを付けた。チャビ監督は1stレグから先発2人を変更し、ピケとアダマ・トラオレに代えてミンゲサ、デンベレを起用した。

一方、3シーズンぶりのベスト4進出を目指すフランクフルトだが、先週末のリーグ戦ではフライブルクにホームで1-2の敗戦。公式戦5試合未勝利と今一つ波に乗れない状況で敵地へ乗り込んだ。1stレグからは出場停止のトゥタ、負傷のソウに代えてトゥーレ、ローデを代役に起用した以外、同じメンバーとなった。

試合は思わぬ形で早い時間帯に動く。3分、ボックス内での競り合いの際にリンドストロームを抱え込んで倒したDFエリック・ガルシアのプレーがファウルと判断され、フランクフルトがPKを獲得。これをキッカーのコスティッチが冷静に右隅へ突き刺し、4分の先制点とした。

ホームで最悪な入りとなったバルセロナはすぐさま反撃を開始。初戦に比べてボールの循環は比較的スムーズな中、9分には右サイド深くで仕掛けたデンベレが絶妙なクロスを供給。だが、ファーにフリーで飛び込んだオーバメヤンのヘディングシュートは枠を捉え切れない。

さらに、相手を押し込んでいくと、18分にはジョルディ・アルバのFKの流れからボックス中央でクリアボールに反応したアラウホがすかさず右足ボレーでゴールを狙うが、これはGKトラップの好守に阻まれる。

前半半ばを過ぎると、相手陣内でハーフコートゲームを展開するバルセロナだが、中央のスペースを消す相手に対して、デンベレ、フェラン・トーレスの両翼による個人技を生かした外回りの攻撃が目立ち、相手のコンパクトな守備に攻めあぐねる。

一方、押し込まれる状況が続くものの、1stレグ同様に鋭いカウンターから攻撃をシュートで完結する狙い通りの戦いを見せるフランクフルトはスーパーゴールで点差を広げる。36分、ハーフウェイライン付近の左サイドでボールを奪ってカウンターに持ち込むと、ドリブルで内へ切り込んだボレがボックス手前で右足を一閃。強烈なシュートがゴール左上隅の完璧なコースに決まった。

まさかの2点ビハインドに加え、攻撃も停滞する厳しい形で試合を折り返したバルセロナは、ペドリを下げてハーフタイム明けにフレンキー・デ・ヨングを投入。

チャビ監督の激しい檄を受け、勢いを持って後半に入ると、右サイドのデンベレの突破を軸に際どいシーンを続けて作り出す。さらに、56分には波状攻撃からボックス内でオーバメヤンにシュートチャンスも、GKトラップのビッグセーブに遭う。

早い時間帯にゴールを奪えなかったバルセロナは61分、オーバメヤンとミンゲサを諦めてアダマ・トラオレ、デストを同時投入。しかし、この交代から数分後に痛恨の3失点目を喫することに。

67分、フランクフルトは相手陣内右サイドでのスローインの流れからボックス手前でボールを持った鎌田がボックス左に走り込むコスティッチへラストパスを送ると、セルビア代表MFがDFデストの股間を抜く左足のグラウンダーシュートをファーポストに流し込んだ。

守備崩壊で3点を追う絶望的な状況となったホームチームは直後にエリック・ガルシアを下げて切り札のL・デ・ヨングを投入。後ろの枚数を削り、力業でゴールをこじ開けにかかる。しかし、より集中力を増すフランクフルトの堅守を前にシュートまで持ち込めず。逆に、鎌田に鋭いシュートを浴びるなど、あわや4失点目というピンチを招く。

試合終盤にかけて猛攻を仕掛けるバルセロナは、84分にゴール前の混戦からF・デ・ヨングのシュートをブスケッツがワンタッチでコースを変えてゴールネットを揺らすが、これはVARのレビューの結果オフサイドを取られる。

その後、9分が加えられた後半アディショナルタイムにはブスケッツの見事なミドルシュートで1点を返したバルセロナが勢いづくが、前線に攻め残ったアラウホの絶好機がファインセーブに阻まれる。後半ラストプレーではL・デ・ヨングが競り合いの場面でDFエンディカのファウルを誘ってPKを獲得。これをキッカーのデパイが冷静に決めたが、同点ゴールを奪う時間は残されておらず。試合はこのままタイムアップを迎えた。

この結果、敵地でバルセロナに3-2で競り勝ったフランクフルトが見事なアップセットを起こし、3シーズンぶりのベスト4進出を決定。その準決勝ではリヨンを破ったウェストハムとの対戦が決定している。

一方、カンプ・ノウでまさかの完敗となったバルセロナは公式戦16試合ぶりの敗戦によってEL初制覇の可能性が消滅した。