最近の優勝チームには必ずといっていいほど”勝利の方程式”の一角に外国人投手がいるなど、年々…
最近の優勝チームには必ずといっていいほど”勝利の方程式”の一角に外国人投手がいるなど、年々、彼らへの依存度は高まっている。特にパ・リーグはサファテをはじめ、優秀な外国人投手が多く存在しており、チームの浮沈を決めるといっても過言ではない。今シーズン、パ・リーグに入った新外国人投手は8人。解説者たちに彼ら全員の実力を評価してもらった。
セ・リーグ投手編はこちら>>
セ・リーグ野手編はこちら>>
2017プロ野球新外国人総チェック〜パ・リーグ投手編
左腕から150キロを超すストレートが魅力のエスコバーエドウィン・エスコバー(日本ハム)
「もともとメジャーの40人枠に入っていた選手で、年齢も若く、将来的にも大きな期待を集めていた投手です。日本で活躍する外国人の左腕は技巧派がほとんどで、広島のジョンソンは本当にまれなケースだと思います。エスコバーも150キロ近いストレートが持ち味の投手で、どこまで活躍できるのか期待していたのですが……。現時点ではケガもありますが、期待を裏切っている選手のひとりですね。日本のマウンドが合っていないのか、球速も出てないですし、キレもいまひとつの印象があります。彼本来のストレートが戻ってくれば、間違いなく活躍できる投手だと思います」(建山義紀氏)

安定したピッチングで西武のブルペンを支えているシュリッターブライアン・シュリッター(西武)
「彼が入団したことで、西武のリリーフ陣は劇的に変わりました。それぐらい大きな存在だと思います。195センチの長身から150キロ超のストレートを投げ込む豪腕タイプなのですが、しっかりとストライクゾーンに投げ込めるので、自滅することがありません。打者はボールの威力に押されて、空振りしたり、詰まったりするので、どんどん攻めていますよね。バタバタと三振を取るタイプではありませんが、安定感があるので、バックの野手はとても守りやすいと思います」(建山義紀氏)

5月3日のソフトバンク戦で来日初登板を果たしたガルセスフランク・ガルセス(西武)
「先発もできますし、リリーフもできる。ベンチにとっては心強いピッチャーなのですが、まだ本来の力を発揮できていないといいますか、安定感に欠けるところがあります。変化球を低めに集め、打たせて取るピッチングが持ち味の投手だと思うのですが、高めに浮いたところを痛打されてしまう。もう少し思ったところに投げることができれば、安定感も増してくるだろうし、ピッチングの幅も広がってくると思います」(緒方耕一氏)

これまで8カ国でプレーした経験を持つキャンデラリオアレクシス・キャンデラリオ(西武)
「これまで8カ国でプレーしてきた苦労人で、34歳という年齢も考えれば、日本が最後のチャンスと考えているのかもしれないですね。個人的には頑張ってほしい選手のひとりです。ただ、来日初登板となった5月2日のソフトバンク戦は、先発して3回7失点と散々な結果に終わってしまいました。ソフトバンク打線が好調とはいえ、ボールのキレもいまひとつでしたし、全体的にボールが高かった。ボール自体に力があれば高めの球でも十分に勝負できるのですが、今の球威だと厳しいのを痛感したのではないでしょうか。そのあたりを、次の登板でどう対策を立ててくるのか。もっと低めにボールを集めることができれば、十分に勝てる投手だと思います」(緒方耕一氏)

楽天の「8回の男」としてチームの快進撃を支えているハーマンフランク・ハーマン(楽天)
「開幕からの楽天の快進撃を支えている選手のひとりです。ハーバード大出身という経歴がクローズアップされていますが、ピッチングも力強さのなかにうまさが光っています。西武のシュリッター同様、ストライクゾーンで勝負できるピッチャーで、ツーシームだろうが、フォーシームだろうが、自分の投げたいところにコントロールできています。フォアボールも少ないですし、無駄にランナーを背負わないから、落ち着いて自分のピッチングに専念できている印象があります。開幕当初は投球モーションが静止していないとの理由で何度かボークを取られたことがあったのですが、その後はしっかりと対応しています。今のままのピッチングを続けてくれたら、楽天の快進撃はまだまだ続きそうですね」(山﨑武司氏)

メジャー通算407試合に登板した実績を持つコークフィル・コーク(オリックス)
「バリバリのメジャーリーガーだからといって、日本で活躍すると限りません。これまで多くのメジャーリーガーが日本に来ましたが、なかには実力を発揮できずに帰国した選手が何人もいました。メジャーである程度結果を残した選手は、自分のプレースタイルというものを確立しています。特に投手の場合は、この球でカウントを稼いで、勝負球はこの球というように、必殺パターンを持っています。これでうまくいけばいいのですが、このパターンが通用しなかったときに応用が利かない。メジャーで活躍した投手ほど、なかなか自分のスタイルを変えられないように思えます。コークもメジャーで400試合以上登板しているように、経験豊富な投手です。だから、日本のスタイルにどこまで対応できるのか不安でした。ただ、これまでの投球を見ていると、決め球であるスライダーもしっかりコントロールされていますし、ボールを低めに集めようとしています。今のところは十分に力を発揮できていると思いますが、打者も対戦を重ねると目が慣れてきます。そのときにどんな投球ができるのか注目ですね」(建山義紀氏)

内野手としてプロ入りし、肩の強さを買われて投手に転向したウエストマット・ウエスト(オリックス)
「もともと野手として入団し、肩の強さを買われて投手に転向したという異色の経歴を持つ選手です。さすがに肩が強いだけあって、ストレートは力があり、ホップするイメージがあります。しかもベース付近でも球に勢いがあるため、少々高めにボールがいっても差し込むことができる。実際、二軍では9試合に登板して防御率0.00と完璧なピッチングを見せています。不安があるとすれば、細かいコントロールがないこと。二軍では通用したボールも一軍になると簡単に弾き返されます。特に、スピードが落ちてきたときはちょうどいい打ちごろの球になってしまう。ある程度コントロールがついてくれば、面白い存在になる投手だと思います」(藪恵壹氏)

最速158キロのストレートとブレーキの利いたチェンジアップが持ち味のヘルメンゴンザレス・ヘルメン(オリックス)
「典型的なパワー型のピッチャーで、150キロ超のストレートとチェンジアップを武器にしています。たしかに球は速いのですが、いやらしさを感じないピッチャーだと思います。ストレート主体ということもあるのですが、やや体が開き気味のため、打者にとってはボールの出どころが見やすい。それにシュート回転の球が多く、真ん中からインコース寄りに集まってしまう。二軍でも打たれているみたいですが、コントロールをつけるとか、緩急を使うとか、ピッチングの改善が必要かもしれないですね」(藪恵壹氏)
(次回、パ・リーグ野手編につづく)
2017プロ野球新外国人総チェック