単独取材に応じた大物プロモーター、ロフラー氏「2人の王者による最高の戦い」 ボクシングのWBAスーパー・IBF世界ミドル級(72.5キロ以下)王座統一戦が、9日にさいたまスーパーアリーナで開催され、IBF王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフス…

単独取材に応じた大物プロモーター、ロフラー氏「2人の王者による最高の戦い」

 ボクシングのWBAスーパー・IBF世界ミドル級(72.5キロ以下)王座統一戦が、9日にさいたまスーパーアリーナで開催され、IBF王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)がWBAスーパー王者・村田諒太(帝拳)に9回TKO勝ち。王座統一を果たした(IBFは2度目の防衛)。ゴロフキンのプロモーターのトム・ロフラー氏は、会場で「THE ANSWER」の単独取材に応じ、6回までは3-3で両者互角という自己採点を披露。ゴロフキンが村田の2度目の世界王者返り咲きに太鼓判を押したと明かした。

 元世界ヘビー級王者のウクライナの英雄、ビタリ現キーウ(キエフ)市長とウラジミールのクリチコ兄弟らを顧客に抱えた大物プロモーターのロフラー氏は「ビッグ・ドラマ・イン・ジャパン」と銘を打った統一戦をリングサイドから見守った。試合後に取材に応じ、試合を振り返った。

「偉大な試合でした。2人の王者による最高の戦いです。ムラタは素晴らしい戦いぶりを見せたと思います。トリプルジー(GGG=ゴロフキンの愛称)のボディーに狙いを定め、多大なダメージを与えました。序盤は完全に拮抗していたと個人的には思います。最初の6ラウンドは私の採点では3-3でした」

 試合後に公開されたスコアシートではゴロフキンの「59-55、58-56、57-57」と割れたが、ゴロフキン陣営も前半戦は完全互角と分析。その上で「中盤からGGGが村田を圧倒したと言えるでしょう」と明かした。

「ムラタのマウスピースも飛んだぐらいですから。6ラウンドからギアを上げて、最後はしっかりと仕留めた形になりました。新型コロナウイルスの影響で、試合間隔は14か月空きました。GGGも40歳になりました。序盤は少しサビもありましたが、それでもリング上では素晴らしい。最後に彼の偉大さを示しました」

「GGGにあそこまで被弾しながら、反撃しようとするファイターは稀有だ」

 試合後のリングで、ゴロフキンは自らのガウンを村田にかけ、死闘を讃える名場面があった。「あんなシーンは見たことがなかった。私自身も村田に最大限の敬意を示しています」と言う。

 さらに「アリーナの大観衆からエネルギーを受けながら、ハートを見せてくれました。GGGのショットをあそこまで被弾しながらも、反撃しようとするファイターは稀有です」と大物プロモーターは被弾を重ねながらも前進した村田を称賛した。

「GGGも村田を称賛していました。とにかく気合いが素晴らしかった。村田との再戦については現時点で何も決まっていませんが、GGGは『彼ならもう一度、世界王者になれるはずだ』と話していましたよ」

 去就に注目が集まる村田だが、ゴロフキンは世界王者3度目の返り咲きを果たせると話していたという。(THE ANSWER編集部)