早大1回戦に先発した法大・篠木健太郎【写真:中戸川知世】 こぼれる白い歯が、神宮のグラウンドによく映えた。快晴のもとで9…

早大1回戦に先発した法大・篠木健太郎【写真:中戸川知世】

 こぼれる白い歯が、神宮のグラウンドによく映えた。快晴のもとで9日に開幕した東京六大学野球の春季リーグ戦。第2試合は法大が4-1で早大を下した。この日の主役は2年生ながら開幕戦を任された最速155キロ右腕の篠木健太郎投手。全身を目いっぱい使ったフォームで、1球1球、声をボールに乗せるように、早大打線に向かっていった。

 伸びのある直球を中心に、カットボール、チェンジアップを交えながら14三振を奪う快投。145球を投げ、1失点完投でリーグ戦初勝利を挙げた。開幕投手を務めあげた2年生は「初戦ということで、自分が気持ちを出して、流れを持ってくることができるようにと思っていた」との言葉通り、気迫を前面に出しながら腕を振った。

 昨年の法大のエース・三浦銀二投手(現DeNA)と同じワインドアップから、全身をバネのように使って投げ込むボールは最速155キロに達する。対戦した早大の主将・中川卓也内野手(4年)は、「簡単に打つことはできないと思ってはいた。真っすぐに思った以上に刺されて、それを意識して変化球にクルクル(バットが)回ってしまった」とお手上げだった。

 加藤重雄監督も「今日は(篠木)1人で投げて、明日は(投手)全員態勢で行きたいと思っていた。予想通りのピッチングをしてくれた。頼れる18番ができたなと思います」と、2年生右腕に対する信頼は既に厚い。

3回にはセンターの頭上を越える適時3塁打を放った【写真:中戸川知世】

 野球センス溢れる選手だ。この日はバッティングでも、3回に中堅の頭を越える打球を放ち、快足を飛ばして三塁打に。マウンドでは4年生捕手のサインにも物怖じせず首を振った。「村上(喬一朗)さんのフィーリングと、打者と正面から対した自分のフィーリングが合わないと思った時は首を振りました」と、勘も鋭い。「早稲田で一番いいバッターだと思っている」という蛭間拓哉外野手(4年)に対しては「首を振ることでバッターも考えてくれると思う」と、3三振を奪い封じ込めた。

9回1失点でリーグ戦初勝利を手にした【写真:中戸川知世】

 1週間前に告げられた今季初戦の先発マウンド。ウキウキした気持ちでこの日を待っていた。「すごく楽しみに、早く土曜日にならないかなと思って待っていました」。アウトを取るたび覗いた白い歯に、その期待感は滲み出ていた。

 初回から150キロ台をマークし、最終回になっても球速が衰えることはなかった。リーグ戦で自己最長となる9イニング、145球を投げ終えても「1試合通じて楽しめたので良かったかなと思います」と淡々としたものだ。

 昨秋、篠木がリーグ戦で初先発した際に加藤監督は「篠木にエースになってほしい。私は先発完投が投手の醍醐味だと考えていますので、最後を誰かに任せるような、小さな投手にはなってほしくない」と語っていた。その期待通り、右腕はスケールの大きい投手になって神宮のマウンドで躍動した。

 今季からは法大投手陣の柱として主戦を担っていくことになる。「自分が腕を振ることでチームに貢献できるように。与えてもらった役割は全うしていきたいと思います」。法大の新たなエース・篠木健太郎はまだ2年生。成長していく姿を、誰もが楽しみにしている。

(Full-Count 上野明洸)