若きチームリーダーが試合を決めた。10日のオリックス戦。サヨナラ劇を締めくくったのはソフトバンクの今宮健太内野手だった。■「あそこしかない」―狙い定めて延長10回に試合を決める一打 若きチームリーダーが試合を決めた。10日のオリックス戦。サ…

若きチームリーダーが試合を決めた。10日のオリックス戦。サヨナラ劇を締めくくったのはソフトバンクの今宮健太内野手だった。

■「あそこしかない」―狙い定めて延長10回に試合を決める一打

 若きチームリーダーが試合を決めた。10日のオリックス戦。サヨナラ劇を締めくくったのはソフトバンクの今宮健太内野手だった。「(ああいう場面は)嫌いじゃないです。割り切っていけますし、ドキドキ緊張はしていましたけど、嫌いじゃない」。延長10回1死二、三塁。絶好のチャンスで打席は回ってきた。

 オリックスのマウンドには、代わったばかりの5番手・吉田一。狙いは定まっていた。「低めを打ったほうが、僕は確率が上がる。フォークを前に飛ばそうと思っていた。あそこしかないですよね。結局、最後はフォークだと思っていた」。1、2球目と外角のスライダーでファール。3球目は外角の真っすぐでボール。4球目は再び外角へのスライダーをファール。そして、5球目。思惑通りの外角低めへのフォークに食らいつき、中前へと運んだ。

「右に打とうとは思っていなかった。理想的なところに飛びました。ヒットになってよかった」。自身5度目のサヨナラ打。打球が中前で弾むのを見ると、右拳を掲げてガッツポーズ。そして、仲間にもみくちゃにされ、歓喜の瞬間を味わった。

■バントの名手が2日連続で失敗「取り返したいと思っていました」

 1点ビハインドの5回2死二塁でも、オリックス先発の松葉から中前適時打を放ち「あそこもガムシャラでした。バントを失敗していたから、取り返してやろうと。チャンスがある限り、取り返したいと思っていました」。

 昨季、史上最年少で200犠打を達成したバントの名手だが、この日の初回無死一塁でバントに失敗。結果的に空振り三振に終わった。前日9日の同戦の8回にもバントに失敗した。名誉挽回の2打点となったが、「バントだけは自信を持ってやっているけど、ミスも多い。もう1度、イチから練習します」と反省も忘れなかった。

福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani