8日(日本時間9日)に敵地レッズ戦で7回10安打4失点(自責3)で今季5勝目(1敗)を飾ったヤンキース田中将大投手。再三にわたり得点圏に走者を置きながらも、打線の大量援護を受けながら、今季最多112球の熱投でブルペン陣の温存に成功した。■前…

8日(日本時間9日)に敵地レッズ戦で7回10安打4失点(自責3)で今季5勝目(1敗)を飾ったヤンキース田中将大投手。再三にわたり得点圏に走者を置きながらも、打線の大量援護を受けながら、今季最多112球の熱投でブルペン陣の温存に成功した。

■前日延長18回の死闘は…「18回の裏で寝てしまいました…(笑)」

 8日(日本時間9日)に敵地レッズ戦で7回10安打4失点(自責3)で今季5勝目(1敗)を飾ったヤンキース田中将大投手。再三にわたり得点圏に走者を置きながらも、打線の大量援護を受けながら、今季最多112球の熱投でブルペン陣の温存に成功した。

 初回に1点、5回に味方失策がらみで1点、7回にはボットに2ランを浴び、合計4点を失った田中だが、この日最大のピンチは3点リードの4回に訪れた。先頭デュバルを一塁ホリデーの失策で出塁させると、左前打と二塁内野安打で無死満塁を迎える。同点、あるいは勝ち越しを許すやもしれない大ピンチ。試合後、地元記者の囲み取材に応じた田中は、「我慢強く、しっかり抑えるという、気持ちですね」と、この時の心境を明かした。

 マウンド上の右腕は、迎えた打者ペラザを初球スライダーで二飛に打って、まず1アウト。すると、続くバーンハートをフルカウントから6球目シンカーで遊ゴロ併殺。「ダブルプレーって考えは正直なかったです。三振取れればなって形だったんですけど、思ってもなかった最高の形だったんでよかったです」と、無失点で切り抜けた場面を振り返った。

 失点を許さずにピンチを切り抜けた田中は、マウンドから三塁側の自軍ダグアウトに向かう途中、2度雄叫びを上げた。普段はあまり感情を表に出さない右腕の珍しい雄叫びに質問が及ぶと「自分に対する“喝”というか、しっかりしろよという意味で(声を出した)。そのイニングまでフラフラしていたので」と、自身に対する鼓舞だったと話している。

■試合前から気合十分「僕がしっかりと長いイニングを投げて…」

 チームは前日7日(同8日)にカブスと延長18回の死闘をの末に勝利を飾ったが、先発を翌日に控えた田中は一足先にシンシナティへ移動。ホテルの自室で試合の様子を見守っていたという。6時間5分の戦いを全て見届けたかというと…「18回の表に勝ち越して、18回の裏に勝利の瞬間を見届ける前に、18回の裏で寝てしまいました(笑)。…見たかったけど寝ちゃった(笑)」と、申し訳なさそうに笑った。

 それでも、稼働率が高いブルペン陣を助けたいという思いは強かったようだ。「昨日あれだけのゲームをしているし、僕がしっかりと長いイニングを投げてっていう気持ちは、マウンドに上がる前からありました」と、この日は試合開始前から“気合”が籠もった登板だったと力強く話した。

 好調続くヤンキースは、この日は大型新人のジャッジは出場しなかったが、13安打10得点で6連勝。今季最多112球で気合の投球を見せたエースに打線が呼応した勝利となった。