今年上半期の「スプリント王決定戦」GI高松宮記念(中京・芝1200m)が3月27日に行なわれる。注目は、昨年引退した絶…
今年上半期の「スプリント王決定戦」GI高松宮記念(中京・芝1200m)が3月27日に行なわれる。注目は、昨年引退した絶対女王グランアレグリアの"跡目争い"がどうなるか、だ。
候補は2頭。
1頭は、新たなスプリント女王として最有力視されているレシステンシア(牝5歳)。マイルとスプリントGIでは1勝、2着5回という断然の実績を誇る。
もう1頭は、GI未勝利ながら前走のGIIIシルクロードS(1月30日/中京・芝1200m)を快勝したメイケイエール(牝4歳)。同レースの勝ちっぷりのよさから、その評価は急上昇中だ。
この2頭、1歳違いの牝馬同士だが、それぞれのキャラクターはかなり異なる。

昨年の高松宮記念でも2着に入るなど、スプリントGIでの実績も豊富なレシステンシア
レシステンシアは、デビュー3連勝でGI阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)を制覇。すかさずクラシック候補に浮上し、その期待に応えてGI桜花賞(阪神・芝1600m)で2着と好走し、GINHKマイルC(東京・芝1600m)でも2着と奮闘した。以降も、重賞戦線で好成績を挙げてきた、いわゆる"才媛タイプ"と言える。
一方のメイケイエールも、デビュー3連勝を飾った逸材。その才能については、デビュー当時のレシステンシアよりも早くから評価されていた。だが、気性難が災いして、大舞台ではなかなか結果を出せなかった。強い時は強いが、そうでない時は別馬のように脆い、いわば"じゃじゃ馬タイプ"である。
才媛とじゃじゃ馬――。その互いのキャラクターの違いも「どちらが強いのか?」という興味に拍車をかける。
実はこの2頭、これまでに一度だけ対戦したことがある。昨秋のGIスプリンターズS(中山・芝1200m)だ。
結果は、レシステンシアが勝ったピクシーナイトからコンマ3秒差の2着。メイケイエールはそこからコンマ4秒遅れの4着だった。
数字のうえでは、レシステンシアの完勝と見ることができる。だが、当時すでにスプリント路線ではトップクラスの1頭だったレシステンシアに対して、メイケイエールはまだまだ発展途上で、その分、成長の余地を残す3歳馬だった。それゆえ、「勝負づけはまだ済んでいない」とする見方も強い。
そしてその後、レシステンシアは海外GIの香港スプリント(12月12日/香港・芝1200m)で、日本馬最先着となる2着。メイケイエールは先にも触れたとおり、シルクロードSを快勝。いずれも牡馬相手に好結果を残して、さらに調子を上げている。
そうした状況にあって、"跡目争い"の行方は一段と興味深く、かつ難解を極めている。高松宮記念は、まさにそんな両者の争いに決着をつける舞台となるが、本当に強いのは、すなわちレースを制するのは、どちらなのか。
「グランアレグリアが引退し、(香港スプリントの落馬事故に巻き込まれて負傷した)ピクシーナイトもいないなか、最右翼はレシステンシアでしょう。今回のメンバーのなかでは、頭ひとつ抜けた存在だと思います」
そう語るのは、関西の競馬専門紙記者。理由は「覚醒した」と言われるメイケイエールの前走、シルクロードSの内容について、同記者は「目を見張るようなものではなかった」と見ているからだ。
「シルクロードSはメイケイエールにとって、すべてがうまくいったレースでした。特にスタート直後、いつものように行きたがったところに、前に行きたい馬が外からスッと(メイケイエールの)進路をふさぐように出てきた。
おかげで、メイケイエールは出るに出られず、そのまま馬群の最内で落ちつくことができました。とにもかくにも、あそこで折り合えたことが最大の勝因でしょう。
つまり、あの一戦だけではまだ、行きたがる気性が改善された、とは言えないんです。現実に、その素振りは(同レース中にも)見せていましたから。
とすれば、メイケイエールにはまだ"暴走"の危険があるということ。その点、レースぶりが安定しているレシステンシアに分がある、と見るべきでしょう」
翻(ひるがえ)って、これとは正反対の意見もある。ある競馬関係者は「メイケイエール有利」と断言する。根拠となるのは、レシステンシアの香港でのレースぶりと、メイケイエールにある伸びしろだ。競馬関係者が言う。
「レシステンシアは確かに香港スプリントで2着になりましたけど、ピクシーナイトなど有力各馬が落馬事故に巻き込まれての結果。しかも、人気薄の香港馬を最後に捕まえきれませんでした。となると、あのレースは評価できません。
そして何より、レシステンシアは競走馬としてのピークがすぎているかもしれません。というのも、レシステンシアが落馬事故に巻き込まれなかったのは、後ろのほうにいたから。要するに、以前のようには前に行けなくなっているのです。
片や、メイケイエールはこれからが伸び盛り。馬具や調教を工夫して、その結果、前走ではひと皮むけた姿を見せました。
それに今度は、さらなる上積みが見込めます。その上昇度を加味すれば、レシステンシアに肉薄、いや逆転もあると踏んでいます」
"才媛"レシステンシアと"じゃじゃ馬"メイケイエール。異なるキャラクターによる新女王を巡る争い。はたして、その行方はいかに......。