櫻坂46田村保乃「バレーボールな青春」インタビュー@後編アイドルグループ櫻坂46の中心メンバーとして活躍する田村保乃さん。昨年、自身初の写真集を発売し、シングル曲のセンターを務めるなど人気急上昇中だ。そんな田村さんはアイドルデビューする前の…

櫻坂46田村保乃「バレーボールな青春」
インタビュー@後編

アイドルグループ櫻坂46の中心メンバーとして活躍する田村保乃さん。昨年、自身初の写真集を発売し、シングル曲のセンターを務めるなど人気急上昇中だ。そんな田村さんはアイドルデビューする前の学生時代、バレーボール一筋のスポーツ少女だったという。そこで今回のインタビューのテーマは、田村さんの「バレーボールな青春」。後編では、好きなバレーボール選手や、バレー推薦で入った大学時代の話を聞いた。(前編から読む)


元バレーボール選手の木村沙織さんに憧れているという櫻坂46田村保乃さん

●木村沙織が

「大好き」

ーー尊敬する人に、ロンドン五輪銅メダリストの木村沙織さんを挙げていますね。

田村 人柄はもちろん、木村さんのプレースタイルが大好きで。彼女はスパイカーがベースなんですけどレシーブがすごく上手っていうところと、スパイクのフォームも好きでした。すごくパワーがあるというわけではないんですけど、スパイクの打ち方がとても柔軟性があって好きでした。

ーー他に好きなバレーボール選手はいますか?

田村 新鍋理沙さんも好きでした。決して身長が高いほうではないのに、うまさで世界と渡り合っていくのがすごいと思って見ていました。レシーブもスパイクも本当に上手で......。スパイクの打ち分けも相手が嫌だなと思うコースに打つ。私は身長が大きくなかったので、新鍋さんのようになりたいなと思ったこともあります。あとは、江畑幸子さんも好きでした。

ーーロンドン五輪組ですね。

田村 ロンドン五輪は一生懸命見ていました。日本が銅メダルを獲った試合は、ちょうどケガをして病院に通っている時だったのですが携帯で見てました。私はバレーの試合を静かに見ることができないので、ハラハラしながら「キャー、キャー」って思わず声が漏れてしまって。あとちょっとでメダル獲得が決まるという時に診察で呼ばれたので、少し待ってもらって、無事にメダルを獲ったのを見届けてもうウッキウキで診察を受けたり。あれは感動しました。

ーー昨夏の東京五輪のバレーボールはご覧になりました?

田村 見てました。女子は少し悔しい結果でしたけど、男子はすごく頑張って29年ぶりのベスト8進出でしたよね。私がバレー部だった頃は、女子バレーのほうが、人気があった印象でした。だから、今回の男子の活躍でさらに人気が出るといいなと思います。

ーー男子で好きな選手はいますか?

田村 元代表キャプテンの柳田将洋選手です。サーブがすごくて、スパイクフォームも本当にきれいです。コロナ禍で五輪が1年延期されたことで出場が叶わなくなってしまったのが残念ですけど、今も柳田選手を応援しています。

●迷ったら難しいほうを選ぶ

ーーところで、大学にはバレー部の特待生で入られたとか?

田村 はい、思いもかけずお声がけいただいて。先ほど(前編で)もお話ししたように、「バレーは高校で燃え尽きよう」と決めていたので、正直かなり迷ったんです。もうバレーからは離れて、勉強したり遊んだりしたいなって。だけど、ちょうどその頃、憧れの木村さんがバレー人生で初めてキャプテンをやるということがあって。ずっと断っていたらしいんですが、眞鍋政義監督が本当に何度もお願いして、木村さんがキャプテンを受けると決めた理由について「何か選択肢があったら、難しいほう、苦しいほうを選ぶ」と、おっしゃっていたんです。私はその言葉にすごく感動して、バレーボールじゃない道を選んだほうが大学は楽しめるのかなとかいろいろ思ったんですけど、もうちょっとやってみようと決めたんです。そう考えると、木村さんにはすごく影響されていますね。



バレーボール部時代の思い出を語った田村さん

ーー大学ではアルバイトをしていましたか?

田村 はい、高校時代よりは時間ができたので、シュークリームのお店でアルバイトしました。楽しい思い出です。もうその頃にはバレー選手になるという目標ではなくて、幼稚園の先生になりたいと思っていました。

ーーこの頃からアイドルになる道を考え始めたのですか?

田村 高校時代よりは時間的に余裕ができたので、アイドルに会いに行く機会も増えました。でも、アイドルに対する憧れはずっとあったんですけど、自分がそれになれるとも思ってなかったです。私はずっとスポーツ少女で生きてきたので、そこからいきなりアイドルになれるなんてまったく想像していなかった。ただバレーボールを頑張れたのはアイドルがいたからっていうのもすごくあったので、そういう道も少しずつ考えはじめて。私が受けたオーディションは坂道合同オーディションといって、一次審査の前のセミナーが全国各地で行なわれていたんですね。私は大阪出身なんですけど、大阪にも乃木坂46だったり、日向坂46だったり、欅坂46のメンバーの方々が来てくれるっていうのがあったんです。私は握手会も行っていたので、そういう感覚で大阪のセミナーに行ったのがきっかけです。その時に1次審査が免除になる「シード権」をいただいて、合格したので、たくさん考えたうえで、アイドルの道に進むことにしました。

ーーアイドルになってバレーボールをしていた時と変わった部分はありますか?

田村 バレーをやっている間は、ずっと悔し泣きしかしたことがなかったんです。本当に負けず嫌いなので試合に負けたり、練習でうまくいかなくて泣いたり。でもアイドルになってからはうれし涙なのか、心を動かされて涙することがあって、「自分もこういう涙が流せるんだ」とうれしかったです。そういう新しい景色を見せてくれたファンのみなさんのおかげです。

(おわり)

【profile】
田村保乃 たむら・ほの 
1998年、大阪府生まれ。幼少期にバレーボールを始め、大学途中までプレー。2018年、坂道合同オーディションに合格し、欅坂46(現・櫻坂46)の2期生としてアイドル活動をスタート。2021年には自身初の写真集『一歩目』(小学館)を発売。櫻坂46通算3枚目のシングル『流れ弾』ではセンターを務めた。