とにかく読めない。読ませない。日本ハム新庄剛志監督(50)の組む日替わりオーダーが変幻自在すぎる。型にはめず、見慣れない選手の名前がズラリと並ぶ。ときには選手に監督を任せ、ファン投票のオーダーも募集している。ふざけてるのか?とも思われがちだが、選手のモチベーションは高く、大崩れする試合は少ない。あの手この手のBIGBOSSオーダーが、ファンに楽しみを与えている。
◆「夜間練習」打線
2月8日○6-2阪神
新庄監督初の対外試合は「キャンプで毎日毎日夜間練習をしていた選手」で先発メンバーを決めた。持論である「4番に俊足、6番に強打者」に従い、4番五十幡、6番王柏融を起用。守備もシャッフルし、外野の五十幡を遊撃、内野の野村を左翼で先発させるサプライズオーダーで、初陣を飾った。今年は何をしでかすかわからないというBIGBOSS采配の宣戦布告でもあった。
◆「ガラポン」打線
2月11日△3-3阪神
2月19日△1-1ロッテ
3月6日○4-1巨人
商店街の福引きなどで使われる回転式抽選器「ガラポン」を使って、オーダーを決めるという前代未聞の手法を取り入れた新庄監督。
2月の練習試合2試合では、試合前に選手自身がガラポンを回し、ベンチは大盛り上がり。19日ロッテ戦では「1番捕手」清水、「5番二塁」杉谷など、昨年までなら考えられないオーダーができあがった。
ガラポンはオープン戦でも実施。3月6日巨人戦では「今日のスタメンは決まっていたのですが、打順を決めるガラポンの中に1つ入っていた赤玉を清宮幸太郎選手が引いてしまいベンチスタートとなりました!モッてるわ!」と清宮スタメン落ちの内幕を新庄監督がインスタで公開した。
◆「選手監督」打線
上沢監督代行
2月26日●0-5DeNA
近藤監督代行
3月12日○4-1広島
オープン戦開幕戦は、新庄監督がエース上沢に監督代行を任せ、オーダーを組ませた。「投手オレ」で上沢自身が先発し、1番近藤、4番万波で臨んだ打線は沈黙し、攻撃の采配を振るう見せ場もなく完封負けした。
これで終わらない。第2弾として、3月12日広島戦では近藤を監督代行に指名。近藤自身は出場せず、横浜高校後輩である1番万波、3番浅間、4番高浜に上位打線を任せた。近藤監督がスクイズのサインを出して同点に追いつくと、浅間が決勝打、万波が5号ソロと「横高打線」が機能し、逆転勝ちした。
◆「ルーキーズ」打線
3月5日○3ー0巨人
巨人先発の、球界を代表するエース菅野に対し、日本ハム打線は新人野手4人全員(故障者以外)を1番から4番まで並べる大胆不敵オーダー。初回、2番で起用された高卒のドラフト2位・有薗直輝内野手(千葉学芸)がレフト前へ。ドラフト3位の3番水野達稀内野手(JR四国)が二塁打と連続安打を放ち、菅野を慌てさせた。
この日は、札幌ドームで試合前に新入団選手紹介のセレモニーが行われた。通常なら本拠地ファンへの顔見せで終わるところだが、1軍のオープン戦にそろって先発出場させるというBIGBOSS流ファンサービスだった。
オーダーについて新庄監督はシーズンでも「もうグッチャグッチャにしてやろうって。はぁ? 誰やねん、お前」という選手起用をしていくと予告している。オーダーを予測してデータなどを準備する相手チームにとっては、厄介なことこの上ない。とくに当日の「ガラポン打線」をやられた日には、なんの準備もできない。
中田、西川、大田らを放出し、戦力ダウンが心配されている日本ハムだが、突拍子もなくみえるBIGBOSSオーダーが実は大きなアドバンテージになるかもしれない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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