2月24日、ついにロシアのウクライナ侵攻が始まってしまった。 ウクライナを初めて訪れたのは2005年10月、ジーコ・ジャ…

2月24日、ついにロシアのウクライナ侵攻が始まってしまった。

ウクライナを初めて訪れたのは2005年10月、ジーコ・ジャパンのテストマッチを取材するためだった。テレビでもよく紹介されるキエフの独立広場と独立記念塔、それを見下ろす高台に建つ巨大なウクライナ・ホテルに宿泊した。

10月12日の試合はMFアンドレー・フシンのPKによるゴールで0-1と敗れたが、FWアンドリー・シェフチェンコら主力選手は4日前のアルバニア戦で初のW杯出場(ドイツ大会)を決めたとあって日本戦は欠場。W杯出場を決めた夜はファン・サポーターが独立広場を埋め尽くし、翌日の広場には割れたビール瓶の破片が散乱し、ビールの匂いが充満していた。

ちなみに日本は中田英寿(ボルトン・ワンダラーズ)、中村俊輔(セルティック)、高原直泰(ハンブルガーSV)、柳沢敦(メッシーナ)らベストメンバーだったものの、ウクライナの壁は厚かった(ドイツW杯のウクライナは準々決勝でイタリアに0-3で敗退)。

さてJリーグである。30年目を迎えた今シーズンは川崎Fの3連覇が焦点の1つだったが、スーパーカップで浦和に0-2、23日の第9節・横浜FM戦も2-4と、早くも今シーズン2敗目を喫し、前途が多難であることを思わせるスタートとなった。

FC東京との開幕戦はレアンドロ・ダミアンの芸術的なゴールで1-0の勝利を収めたが、FC東京は新型コロナに感染した森重真人、アダイウトン、東慶吾ら主力選手6人が欠場。にもかかわらず、決定機の数は4対7とFC東京が圧倒し、GKチョン・ソンリョンの好守と左ポストがなければ大量失点の可能性もあった。

川崎Fのストロングポイントは、緩急のパスをていねいにつなぎながらマークを次々に剥がし、気付いてみればボックス内でフリーの選手がゴールを陥れていたという、対戦相手のGKを絶望させるパスワークにあった。しかし今シーズンは相手を圧倒するほどのパスワークは影を潜めたままだ。

横浜FM戦は相手の浅いDFラインの背後を突いて2点をもぎ取ったが、連覇を達成した時の攻撃と比べるとパワーダウンしている感は否めない。やはり田中碧と旗手怜央の移籍した穴は想像以上に大きいということだろう。ジェジエウの離脱も痛手となっている。

そんな川崎Fに代わって優勝候補と思っていた浦和も開幕戦でピーター・ウタカの一撃に沈むと、23日の神戸戦もDF槙野智章に同点弾を浴びていまだ勝利がない。FWキャスパー・ユンカーをケガで欠き、MF小泉佳穂も万全の状態ではない。マルチプレーヤーの明本考浩を前線に起用し、江坂任との2トップで臨んでいるが、その明本は神戸戦で退場処分を受け、次節のG大阪戦には出場できない。

そんなACL組を尻目に好スタートを切ったのが昨シーズン4位の鹿島(G大阪に3-1)と5位の名古屋(神戸に2-0)だ。両チームに共通しているのは主力にケガ人が少なく、新型コロナの影響もうけていないという点だ。

28日の第2節、名古屋はFC東京とのアウェー・ゲームだったが、FC東京に新型コロナの感染者が続出したため試合は中止となった。一方の鹿島はホーム開幕戦に川崎Fを迎える。川崎Fはチームを立て直すことができるのか。それとも鹿島の攻撃力が爆発するのか。鹿島にとっては大分とのルヴァン杯が新型コロナのため中止になったことも追い風と言えるだろう。

【文・六川亨】