2月12日にJリーグの今季初の公式戦となる富士フイルムスーパーカップが行われ、浦和レッズが川崎フロンターレに勝利した。J…

2月12日にJリーグの今季初の公式戦となる富士フイルムスーパーカップが行われ、浦和レッズ川崎フロンターレに勝利した。J1開幕1週間前のこの試合は、リーグの行方にも大きな影響を持ち得る。今季初タイトルを懸けた一戦が2022年のJリーグに投げかけた要素について、ベテランのサッカージャーナリスト・大住良之と後藤健生が熱く語り合った。

■浦和はC・ロナウド「風」のFWを狙う?

――浦和はまだ手の内が見えない印象ですね。

大住「リカルド・ロドリゲス監督自身、みんな調子が良いから、誰を選んだらいいのか分からなくて困ると言っていたしね」

――FWも、まだ補強を狙っているという噂があります。

大住「キプロス代表の選手でしょ? 映像を見たけど、クリスティアーノ・ロナウド風だったよ」

後藤「クリスティアーノ・ロナウド!? すごいじゃない(笑)」

大住「あくまで『風』だよ。強靭な体で、上半身を立てたまま走って、ヘディングも強いしさ。キャスパー・ユンカーと2トップを組んだら、面白いかもしれない。ACLでやるんじゃないかな」

日本代表DFを振り回した江坂

――キャスパー・ユンカーがいなかった、この試合のような前線の形もアリですか?

大住「江坂任のゴールは、2本とも素晴らしかったよね」

後藤「点を取るだけじゃなくて、組み立てもやっていた。去年の浦和で何が一番の成功かって、江坂がはまったことだよ。コンスタントに働いたし、浦和に来て江坂も才能を花開かせたよね」

大住「ああいうシュートを1試合に1点ずつ決めていったら、すごいことだよね。1点目は非常に難しいシュートを正確に左隅に送り込んだ。2点目のときの、シュートを打つ振りをして左に持っていき、GKの逆へ低くて速いシュートを打つプレーのアイディア。本当に素晴らしかったよね」

後藤「相手DFは、ワールドカップ予選で日本代表を救った谷口彰悟だった。完全に振り回していたよ」

大住「江坂も良いし、明本考浩が本当に使い勝手の良い選手なんだよ。左のウィングもサイドバックも、CFもできる。FWの位置に置いておいたら、とにかくガンガン相手を追い詰めてくれるし、ヘディングもできる。特別感謝状をあげてもいいくらい。

 この試合で明本は、38回もスプリントしたんだよね。去年の浦和は、1試合の平均スプリント回数が20チーム中17番目だったのに、この試合では去年の1試合平均163回の2割増の197回を記録した」

大住「走行距離はそれほどでもないのにスプリントが多いというのは、狙いを持ってやれているということだよね。しかも相手が走らなかった」

後藤「そうそう。川崎はもともと走らないチームだけど、走る選手と走らない選手の差が大きかった。レアンドロ・ダミアンが走っても周りの選手が走らないから、全然プレスがかからない」

■川崎をワナが待つ?

大住「そういった意味で、川崎はシーズンに入る準備がまだできていない感じがする。このまま入って大丈夫かな、という気はする」

後藤「初戦を楽しみにしましょう。ずっとやっているチームだから、計算してやっていると思うんだけどね」

大住「5年間で4回もリーグ優勝していたら、どこかにワナはあるよね。素晴らしいサッカーをして、下部組織から選手が育って、無名の選手を取ったら日本代表に成長してと、そういう良いことばかり続くものではないよね」

後藤「いままでよく続いたと思う」

大住「5年間で4度優勝というのは、本当に歴史に残る強さだよ」

――他のJ1チームは、この試合を見てどう思ったでしょうね。

後藤「もちろん川崎に勝つには、ああいうやり方があるんだなとは思っただろうけど、そんなことは最初から分かっていたことのような気もするし」

大住「川崎恐怖症はなくなるかもしれないよね」

後藤「去年の秋頃から、どうしようもないということはないかなとは、皆思っていただろうね。去年の春頃の川崎だったら、これはどうしようもないと思っただろうけど」

大住「今年は大卒の新人や、後藤さんが言っていた宮城天といった若い選手がガンガンと力を上げて伸びないと、苦しいシーズンになるかもしれないね」

大住「川崎がダメになって混戦になるんじゃ面白くないよね。川崎らしさが出て強いけど、それに対抗するチームに出てきてほしいね」

後藤「そう、本当にそうだね」

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