ドジャースの前田健太投手は28日(日本時間29日)、本拠地でのフィリーズ戦で今季5度目の先発マウンドに上がり、7回4安打2失点7奪三振の好投で2勝目(2敗)を挙げた。先発ローテ生き残りに猛アピールしたが、地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」は「…

ドジャースの前田健太投手は28日(日本時間29日)、本拠地でのフィリーズ戦で今季5度目の先発マウンドに上がり、7回4安打2失点7奪三振の好投で2勝目(2敗)を挙げた。先発ローテ生き残りに猛アピールしたが、地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」は「カットボールが有効だった」と伝えている。

■今季初のHQSで2勝目、地元紙は「カットボールを有効に投じていた」

 ドジャースの前田健太投手は28日(日本時間29日)、本拠地でのフィリーズ戦で今季5度目の先発マウンドに上がり、7回4安打2失点7奪三振の好投で2勝目(2敗)を挙げた。開幕4戦目まで防御率8.05と苦しんでいたが、昨年7月10日以来のハイ・クオリティー・スタート(7回以上を投げて自責2以内)達成で復調をアピール。先発ローテ生き残りに猛アピールしたが、地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」は「カットボールが有効だった」と伝えている。

 前田が7回を投げきったのは、昨年7月10日のパドレス戦(7回1失点)以来。ハイ・クオリティー・スタートもこの試合以来となった。同紙は「マエダは今季ベストの内容で、昨年7月10日以来の7イニングを投げ抜いたが、カットボールを有効に投じていた」と分析している。

 ここまで4試合は乱調続き。前回登板の22日(同23日)ダイヤモンドバックス戦で自己ワーストの4被弾を浴びるなど5回9安打6失点で2敗目を喫し、地元メディアは先発ローテ落ちの危機を伝えていた。その登板後について、同紙は「(監督の)ロバーツはいくつかの意見を順序立ててマエダに説明し、彼に日本で培ったスタイルを取り戻してほしいということ、さらに今春試していたカッターを加えていくことを希望した」としている。

■投手コーチも配球の問題点を指摘

 この日の登板では、指揮官の要望通りカットボールが効果的だった。さらに、同じムービング系のボールであるツーシームも鍵になったという。記事では、華々しいデビューを飾った昨年4月に27%だったツーシームの割合が、シーズン終了時には13%にまで下がっていたと紹介。そして、「今季の4登板で前田はシンカー(=ツーシーム)を捨てていた。僅か5%しかシンカーを投じなくなった一方で、フォーシーム(直球)の割合は43%となっていた。この比率は決して彼の長所に合うものではない」と指摘した。

 ハニーカット投手コーチが「彼には投球に対しての決定権があり、決して完全に捕手任せにしているわけではない。時にスカウティングレポートにとらわれすぎてしまい、ベストではないことをしてしまうこともある」と、配球の問題点を指摘していたことも伝えている。

 バットの芯を外す投球で、復調のきっかけを掴んだ前田。このまま先発ローテーションに残れれば、昨季前半戦のような調子を取り戻せるかもしれない。