前評判は五分五分の予想困難な一戦に
【スコア】
青森山田 3-1 流通経済大柏
【得点者】
前半32分 0-1 関川郁万(流通経済大柏)
前半40分 1-1 檀崎竜孔(青森山田)
後半18分 2-1 檀崎竜孔(青森山田)
後半43分 3-1 小松慧(青森山田)
まさに“頂上決戦”と呼ぶに相応しい顔合わせだった。第97回大会決勝に駒を進めたのは青森山田(青森)と流経大柏(千葉)の2校。ともに、「高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ」に所属し、高校生年代最高峰のリーグで戦ってきた。さらに、青森山田には檀崎竜孔(現・ジェフユナイテッド市原・千葉)、三國ケネディエブス(現・栃木SC)、流経大柏も関川郁万(現・鹿島アントラーズ)といったJ内定選手をはじめ、強力なメンバーを両校が揃えていた。戦前の予想はほんとんどが五分と五分。準決勝で主力を温存できた「流経大柏やや有利」と目する声がちらほら。勝敗を予想することが一層困難な決勝戦だった。
試合は前半、ペースを握った流経大柏がコーナーキックから関川のヘディング弾で先制。一方の青森山田も持ち前の激しい守備でペースを握ると檀崎の同点弾で試合を振り出しに戻す。後半に入るとバスケス・バイロン(現・いわきFC)のDF2人を置き去りにする個人技から檀崎がこの日2点目を決め、逆転に成功。後半43分にはダメ押し点を奪い、青森山田が2年ぶり2回目の選手権制覇を達成した。
結果的に2点差がついたものの、期待に違わぬ熱戦がファンを魅了した。上述の選手たちの躍動はもちろん、テクニック、スピード、球際の攻防…。高校サッカーのレベルを超越した一挙手一投足に、54,194人の大観衆が沸いた。
第100回大会となる今年も、残すは3試合のみとなった。8大会ぶりに迎える“国立決戦”。誰が勝っても、誰が負けても、目が離せない戦いになることは間違いない。