新春を迎え、過去の記録を眺めていると、プロ野球は歴史のスポーツなのだとあらためて気づかされる。今シーズンも多くの記録達…

 新春を迎え、過去の記録を眺めていると、プロ野球は歴史のスポーツなのだとあらためて気づかされる。今シーズンも多くの記録達成が期待されており、今から楽しみでならない。そこで今シーズン達成されそうな記録を見てみたい。




通算2000本安打まであと101本に迫っている巨人・中島宏之

 

【巨人・中島はレギュラー奪取が必至】

 一昨年は坂本勇人(巨人)、昨年は栗山巧(西武)が達成するなど、通算2000本安打は2000年以降だけで27人達成の"花形記録"だが、今シーズン、この偉業に挑戦するのが中島宏之(巨人)だ。

中島宏之(巨人)/1899安打(残り101本)

 しかし、昨年は81試合の出場で49安打に終わり、今シーズンも一塁には中田翔、大城卓三との併用が予想されているため、記録達成は簡単ではない。少なくとも100試合の先発出場を果たしたいところだ。

 日米通算ではすでに2000本安打を達成しているが、NPBのみの通算記録で近づいているのが福留孝介(中日)と青木宣親(ヤクルト)のふたり。

福留孝介(中日)/1951安打(残り49本)
青木宣親(ヤクルト)/1819安打(181本)

 また福留は、通算8000打席にもあと61と迫っており、過去13人しか到達していない通算1500三振も残り17と、45歳となる今シーズンも節目の記録が待っている。

 一方の青木は、史上45人目の通算1000得点まで残り46。今シーズンもレギュラーとして試合に出続けることができれば、記録達成は濃厚だ。

 そして2000本安打の通過点である通算1500本安打を目指すのはこの3人。

丸佳浩(巨人)/1459安打(残り41本)
長野久義(広島)/1419安打(残り81本)
中田翔(巨人)/1365安打(残り135本)

 この3人については、1500試合出場の記録も迫っており、今シーズン中での「ダブル1500達成」が期待される。

 昨年、史上54人目の通算2000本安打を達成した栗山だが、今シーズン挑む記録は史上15人目の通算400二塁打だ。

栗山巧(西武)/381二塁打(残り19本)

 歴代最多は、今季から中日の指揮をとる立浪和義監督の487。過去の達成者を見てもわかるように、難易度の高い記録である。

 栗山はこのほかにも、通算9000打席(残り573打席)、通算1000四球(残り29個)と、長年一線級で活躍した選手ならではの記録達成の期待がかかる。

 ホームランに目を移すと、現役最多は中村剛也(西武)の442本。今シーズン35本塁打を放てば、金本知憲(元阪神など)を抜いて歴代10位に躍り出ることになる。

 また、節目の本塁打記録に挑むのは以下の選手たちである。

◎通算250本塁打
山田哲人(ヤクルト)/248本塁打(残り2本)
浅村栄斗(楽天)/230本塁打(残り20本)
丸佳浩(巨人)/224本塁打(残り26本塁打)

◎通算100本塁打
森友哉(西武)/94本塁打(残り6本)
島内宏明(楽天)/83本塁打(残り17本)
大山悠輔(阪神)/81本塁打(残り19本)

 通算1000打点を目指すのは5人。

松田宣浩(ソフトバンク)/984打点(残り16打点)
中島宏之(巨人)/974打点(残り26打点)
中田翔(巨人)/957打点(残り43打点)
坂本勇人(巨人)/911打点(残り89打点)
浅村栄斗(楽天)/908打点(残り92打点)

 前年の数字を見れば今シーズン中の達成は射程圏内だが、はたして5人とも成し遂げられるのか注目したい。

【200勝に挑む田中将大と石川雅規】

 投手にとっての花形は、なんといっても200勝だ。日米通算ながら200勝に最も近いのは田中将大(楽天)であり、NPB通算なら石川雅規(ヤクルト)である。

◎日米通算200勝
田中将大(楽天)/181勝(残り19勝)

◎NPB通算200勝
石川雅規(ヤクルト)/177勝(残り23勝)

 とくに1990年以降、NPBだけで200勝した投手は、北別府学(広島/1992年)、工藤公康(巨人など/2004年)、山本昌(中日/2008年)の3人しかおらず、極めて難しい記録なのかがわかる。200勝を最大の目標とする石川が、この偉大な数字に1勝でも多く近づけることを期待したい。

 ちなみに石川は、あと47イニングを投げれば史上28人目の通算3000投球回に到達。2000年以降にプロ入りした選手として初の偉業になる。

 リリーフでは、2008年のプロ初登板から14年連続50試合以上に登板し、373ホールドの日本記録保持者である宮西尚生(日本ハム)が、2つの節目の記録に挑む。

◎通算400ホールド
宮西尚生(日本ハム)/373ホールド(残り27ホールド)

◎通算800試合登板
宮西尚生(日本ハム)/784試合登板(残り16試合)

 そして、これまで6人しか達成してない通算200セーブを目指すのはこの2人だ。

平野佳寿(オリックス)/185セーブ(残り15セーブ)
山﨑康晃(DeNA)/170セーブ(残り30セーブ)

 投手の分業制が進むプロ野球界において、今後はリリーフ投手の記録が数多く上書きされると予想される。

 さて、昨年はプロ1年目のルーキーたちが、多くの新人記録を更新し話題を呼んだ。セ・リーグの新人王となった栗林良吏(広島)は、プロ初登板から22試合連続無失点の新人記録を樹立。その栗林はシーズン37セーブを挙げたが、これは2015年に山﨑康晃が挙げた新人最多セーブに並ぶ記録だった。

 牧秀悟(DeNA)はシーズン35本の二塁打を放ち、これはセ・リーグ新人最多二塁打記録となった。また14回の猛打賞(1試合3安打以上)をマークしたが、こちらはセ・リーグ新人最多タイ記録だった。そして佐藤輝明(阪神)は、5月28日の西武戦でルーキーとして史上2人目となる1試合3本塁打を記録。

 この3つの新人記録を保持していたのが、1958年に立教大から巨人に入団した長嶋茂雄だった。

 こうして現在の選手が活躍することで、偉大な先人たちの名前や記録にあらためてスポットが当たる。これが野球のすばらしいところである。

 メジャーリーグの名将であるスパーキー・アンダーソンは、かつてこんな名言を残している。

「野球はファンタジーなんだ。短い時間しか存在しないものはリアルではない。9時から17時まで、70歳まで一生懸命働く。それがリアルってやつだ。ディマジオは去った。メイズもコーファックスも去った。でも、野球は続いている。野球は永遠に不滅なんだよ」

 あと数カ月もすればプロ野球が開幕する。そして選手たちが記録を達成すれば、その瞬間は敵味方関係なく祝福に包まれる。それも野球のすばらしいところだと思う。今シーズンはどれだけの記録が達成されるのか、シーズン到来が待ち遠しい。